御座山。
読み方は「ござさん」。ではないのでござる。
これで「おぐらさん」と読むんだからダッフンダだ。
長野、群馬、山梨、埼玉の県境に近いところにある山だけど、
むっちゃ良かった!お世辞抜きで良い山でゴザッた!!
最もポピュラーな白岩コースだと3時間ぐらいでインスタント登山ができちゃうけど、それだとつまらないし、良い汗もかけない。
楽しい時間は程よく長くないと退屈しちゃうよね。
という訳で、長者の森コースで歩いてきたけど、この山の最大の良さは山頂からの眺め。どっちのコースで歩いても大満足すると思うよ!
これが春だったら登山道のシャクナゲも綺麗だったんだろうな。
早いものでもう12月(これを書いてるのはすっかり新年を迎えて1月だけどね、あけおめ)。冬に突入して一発目の御座山。
実はこの山にトライするのは3度目。
しかし、群馬から抜ける国道が土砂崩れで通行止めだったり、着いてみれば雨だったりで、諦めて違う山に登るということを繰り返し、ここまでずいぶん遠回りしてしまった。
3度目の正直だから良い山に感じただけなのか?
いや、そうではない!
今日は御座山の良さを余すことなく、好き勝手に書く!
御座山、十番勝負じゃい!!どやっ!
山頂からは八ヶ岳連峰の大!大!大パノラマ!
御座山は標高2,112m。日本二百名山。西上州最高峰。
ルートとコースタイム
■2021年12月5日 ※カッコ内は標準コースタイム
長者の森⇒(125分)⇒見晴台⇒(30分)⇒前衛峰⇒(40分)⇒御座山⇒(35分)⇒前衛峰⇒(25分)⇒見晴台⇒(95分)⇒長者の森
コースタイム:7時間00分(休憩含まず)
総距離 10.2キロ
累積標高上り 1,222m
御座山登山 本編
長者の森から御座山10番勝負開始
まず御座山の良いところ、その1。
長者の森はキャンプ場だから広々とした駐車場が完備されてる。まず停められないなんてことはないYo!
しかし突然の奈落。
トイレだってきっと心配ないだろうなぁ~と浮かれて思ってやって来たらそいつは大間違いだ!
冬は使用禁止になってるから気をつけるべし!
御座山のよいところ、その2。
さすがキャンプ場だ。登山口までの案内表示はほぼ完璧。道に間違えようがない。
なんも考えずに案内に従ってえっちらおっちら移動すれば自ずと登山口に立てるという親切さ。
優しい!優しすぎるじゃねぇか御座山!くそっ!
しかしなぜだ。YAMAPに頼りきってるがために、この標識は本当にYAMAP通りか?と無駄な確認をしてしまうという矛盾。
御座山のよいところ、その3。
コースがかなり傷んだパターゴルフ場が、むしろゲーム性を高くしててめっちゃ面白そう!
ここまで御座山自体の良さには全く触れていないがそんなのは気にしない。なんつったって3度目の正直なのだ。すべてを誉め倒す!覚悟しぃや!
おっと。しかし、ここでパターゴルフなど興じてる暇なんぞない。
やっと念願の、あの憧れの、ザ名山、御座山に来れたのだ。
自分みたいに御座山と縁がない人、他にいたらおせーて。
しかし、ほんとここはなかなか素敵なところだよ。コテージがあったり、特に変哲の無い典型的なキャンプ場だけど、清潔感がある。
そろそろここら辺も雪が積もるんだろうけど、水さえ凍らなければ冬の営業をしないのがもったいないぐらいだ。
やっと登山開始
御座山の良いところ、その4。
登り始めたばかりだからトレイルがめっちゃ整備されてルルル~と思ったけど、コースの半分以上はこんな感じだった(笑)
やはり登山口にキャンプ場のある山は、その利用客のためにしっかり整備してくれてる感じだ。
深田久弥はその昔、道なき道を何泊かしながらここ西上州最高峰を目指したということを、いつぞやのなんぞやの本で読んだことがあったけど、聞いてた話とぜんぜん違うぞ。
御座山の良いところー!その5がコレ!!
冬の高尾山のレコによくアップされてる「フロストフラワー」。こんなのも見られるんだね。はじめて見たYo!
有難う!御座山!
フロストフラワー、直訳すると「霜の花」。霜の花の方がぜったい良い名前だと思う。横文字やめようよ、なるべくなら日本語で最適な言葉を探す努力をしたいと常々思っている。フラワーぐらいなら全然いいけどね。
ちなみに、「シモバシラ」という植物の茎にできるこの不思議な霜柱は、植物の名前もシモバシラなだけに最初理解できずに軽く混乱したのは自分だけだろうか?
御座山のしんどいところ、フロストフラワーができる通りとにかく冷える。
早く、一刻も早く日向に出たい。そう思いながら冬枯れした森の日陰を抜けた時の、太陽のバリクソ有り難さが身に沁みて分かるから、寒いのも悪くない(ペコパ風に)。
まあほんと、冬が来ちゃったんだなぁ~と痛感した。
年々冬が辛くなってきた。早くヒトツバナ(アカヤシオ)の咲く季節が待ち遠しい。
やっとこさ日向の道に出た。
自称ハレオトコな自分の晴天パワーを周りの登山客に享受できないのが軽く勿体ないが、こんなにも登山客の気配を感じ無い山も珍しい。静かな山歩きができるのも御座山の良いところ、それが6番目だ。
しかし、ほんとにここ、2百名山か?
ここからは超爽快な冬の道だと言うのに!こんなに整備されたトレイルだと言うのに!人っ子一人いない、モッタイナイYo!
冬枯れした木々と青空が目にしみるぜぃ。
その時の気分にもよるけど、割と人が多い山って好きなんだよね。だからちーっとばかし寂しい。
くそっ!また植林されたカラマツ林で朝日を遮られた!
どストレートに林立するカラマツ林が見られるのも御座山ならではの光景。やや良いところだな。
足元には落ち葉が積み重なる。すべて凍っているのか、踏んだ感触が硬くて気持ちが良い。
この時期は落ち葉が踏み跡を消してしまうからちょいと厄介だけど、今日みたいに分かり易いルートなら心配無用だ。
しばらくカラマツの森を歩く。歩き始めはほんと寒くて、タイツを脱いできたことを激しく後悔したけど、やっと体が暖まってきた。
なんの綿毛だろうか。たぶんアザミだと思ったんだけど、こうなってしまったら全然分からない。
これも冬の風物詩。まあ山でなくても見れるけど。
日向の道と登山適期
見よ、このトレイルを。
高尾山並によく整備されたトレイル。思わず走り出したくなる!(気持ちだけの話ね)
例えば、登山ブーツを買ったのはいいけどちょっと登っただけで最近は遠ざかってる人や、逆に登り過ぎて山に疲れてる人には、うってつけのコースだと思う。
御座山の良いところ、その7。
シャクナゲがぶわっとでてきた!この先も何度もシャクナゲの森がでてくる。
自分の様にお花みたいに可憐なおっさんは来るべし!
しかし、アズマシャクナゲの5月〜6月が登山適期だったのか。うっかりしてた。
まつぼっくりの適期。
まつぼっくりに時期なんかあるの?と思う都会育ちの方もいるかもしれない。秋から冬だよ。
クリスマスに飾られるのはそのため。当たり前だよね。
だれか枯れ葉ラッセルの先頭を代わってくれー!
まただ。またこの季節がやって来たのか。雪が無くてもラッセルするのが冬だ。
鍵でも落としたら最後だ。
トレッキングポールだってスノーバスケットがないとこうなってしまうぞ。
カラマツの森から高電圧線の森へ。
ダケカンバ。ふむふむ。
そしてこれがダケカンバの全体像。
大きいねー。
そして、こちらがシラカンバ。
シラカバじゃなくてシラカンバなんだな。
ほんで、これがシラカンバの全体像。
大きいねー(感想も同じ)。
ダケカンバの方が赤らめてるんだね。
そして更に、先程から紹介してるアズマシャクナゲ。
アズマシャクナゲのトンネルをくぐっていく。春に来たら圧巻だろうな。
自分の様に枝垂れた葉っぱみたいにくたびれたおっさんは来るべし!
金管楽器見つけたー!と言い放ち、ストックで鳴らそうと容赦なくぶっ叩いたら簡単に折れてしもうた。
見晴台に到着。
御座山の良いところ、その8。
北アルプスのグレートビュー!
山頂の手前から絶景を楽しませてくれるなんて優しすぎるぜ御座山!
木漏れ日が細かいピースをびっしり並べた様に、繊細でクリアな森の中を突き進む。
気分は最高だ。
明るくて乾燥してる様に見えて、湿気もしっかり蓄えてるから苔もよく育つ。
例えるなら、一見派手だが陰湿ないじめを繰り返してた中田翔か。例えが悪すぎまひた、ごめんなさい。
左遷された中田翔をすぐに拾った巨人が大嫌いだ。
ダケカンバのささくれが痛そう。
なんでこんな風に木の皮が剥けるのか、不思議だよね。
さあ、山頂が見えた。
風は弱いけど、さすがに冷たい。なのにお昼が近づくにつれて日差しがジリジリと強くなり、軽く顔が灼かれる感覚があるほどだ。
暑いのか寒いのかよく分からないから適温なんだな。
今日は絶好の登山日和だ!
うぐぐっ。山頂に向けて一旦下る。
意外とアップダウンが繰り返される。ピストンだから帰りの体力を残しとかないと苦しみそうだ。今から憂鬱になってきたじゃないか。
これが最後の登りだ。
気を取り直して、さあ、ノボレノボレー!
三度目の正直、鼻息荒めだぜぃ!
御座山の良いところ、その9。
万が一、山頂でくつろいでる時に大雨に見舞われても大丈夫!
避難小屋があるのは事前チェックしてたけど、こんな綺麗な避難小屋とは思わなかった。中はチェックしてないけど…。
山頂と大絶景
雲一つない!
山頂部分は岩稜剥き出しなんだな。これは最高の展望が待ってる!
カミサマ、あちきこれがなんと三度目の正直なんですよ、笑っておくれと、無事に登れたことを感謝しておく。
下山も神のご加護よろしくダス。
ちなみに、御座山の名の由来は神様がおいでになる山ということで、高御座(たかみぐら)から来てるらしい。
さあ、それはいいとして辺りを見回してみな!
ビッグバンバンバン・ベイダー!!
燃える闘魂的ウルトラ大絶景!にゃろめ!
まさに八ヶ岳の展望地、御座山の良いところ、その10は間違いなくこのグレートビューだ。
標高2,000m付近の大気の層だってくっきり分かる!
頂でこの景色を頂きながらカップヌードル合体シリーズをいただく!
まさに至福!ヤマノボリッテ、シフクー!!
北アルプスの白い壁。
もう12月。御座山の山頂は風が弱くてぽかぽか陽気で最高だけど、向こうは次元の違う寒さだろうな。考えただけで気が萎えてくる。だらけきった今の自分にあの寒さが耐えられるだろうか。今シーズンはちょっと遠慮しとこうかな(笑)
こちらは奥秩父。さすが2,500m超えの山々が連なるだけにデカい。右奥が金峰山。よく見ると五丈岩も見えるよ。左が甲武信ヶ岳。
雪は付いてないみたいだけど、トレイルはガチガチに凍ってるかもね。
冬の金峰山は一度登ったことがあるけど、強風だったし、直前のフルマラソンで痛めたふくらはぎが痺れてきて、下山が超絶辛かったという苦い思い出がある。
体調万全でもう一度登ってみたい山だよ。
山頂では先にいた方々がコスプレ姿で誕生日パーティーを楽しまれていた。
ほんと良い山なのに、登山客が少なくて、この日は結局3人ぐらいとしか会わなかった。
景色も堪能したし、誕生日パーティー中の方々に別れを告げて帰るよ。
ピストンでゲッザーン
見晴しの良いところまで来て、目を凝らすとさっきの方々がまだ山頂にいた(笑)
日向の道。
朝ドラの「カムカムエブリバディ」で衝撃だったのが、あのUAの息子が村上虹郎という名前で役者デビューしてたこと。
更に衝撃だったのが村上虹郎(24歳、育ての叔父役)と深津絵里(48歳、育てられた娘役)のキャッチボールシーン。
村上虹郎に向かって、「ねえ、叔父さん」と娘役の深津絵里が話しながらボールを投げる。
村上虹郎がボールをキャッチして「なんじゃぁ?ルイ?」と返事する。
年の差、なんと倍の24歳。
深津絵里の若さにもビビるが、それにしても本人だって、監督ほんとにこれ言わなきゃいけませんか?と言ったに違いないよ。
よく頑張った、ほんと偉い。
深津絵里がんばれ!
そんなカムカムエブリバディから目が離せない。久々に面白い朝ドラに当たった気がする。
話は戻すけど、登り返しがちょいちょい登場してくるのが、御座山のちと辛いところだ。
しかし、脳みそが地図アプリなんぞ止めて完全に浮かれちまいな!と指令してくるぐらいコースは明瞭。終始ハイキングコースなのが優しすぎるぜ!
※天気さえ良ければね。
最後にフロストフラワーを再び楽しむ。ほんと不思議な形してるよなぁ。
気付いたら10分も立ち止まって見てた。
長者の森に戻ってきてしまった。
まだ14時だけど、時計がぶっ壊れてて17:30になってる。
最後に御座山やってくれたな!騙されるな!
ふぅ~、トイレトイレ。
ったく、ミニ消防車両がかわいいけどトイレの前を塞いじゃ迷惑だじぇ〜、とトイレを覗いてみると。
凍結防止のため利用不可かよ!
加和志湖畔のトイレか役場トイレを使ってね、だとさ!
このトイレが使えないことは冒頭に書いたのは最重要ポイントだからだよ。
最後にやりやがったな、御座山!
突然のだらしない写真で、ゴメンネゴメンネー(U字工事)。
最近ゲットしてすっかり気に入ってるのが、このモンベルの腹巻き。
お腹を冷やしやすい自分としては、これがあるのと無いのとでは全然違う。厚手だと歩いてて暑すぎるから、薄手が良いよ。これなら冬場のランニングにも使えるし激オススメのアイテムだよ!
買うべし!ぜったい買うべし!
モンベルよ、ありがとう!
モンベルの良いところなら100番勝負いける。
振り返って
御座山に登れて感無量!
霜柱を作り出すシモバシラは、8月~10月に白い花を咲かせる多年草で、冬に枯れてしまうとその代わりに、12月~2月に氷の花を咲かせるという、なんとも神秘の花だ。
高尾山では5号路でよく見られるらしい。
寒すぎるとシモバシラは育たないらしく、関東以西~九州でしか見られない特別な冬の光景。
そんなシモバシラが見られるという予備知識も持たずに訪れたから、寒かったけど大コーフンで写真を撮ったよ。
12月の御座山に来れてほんとよかった。
mountain。
突然だけど、マウンテンの意味知ってる?
もちろん「山」って意味だけど、正確には2000フィート(610m)以上の山をmountainと呼び、それ以下はhill。きちんと使い分けされてるって知ってた?
俺は知らなかったぜぃ!
山。日本語の「山」の定義はと言うと、これと言って具体的には無いらしく、国土地理院の地図に斜めに記載されているもの、つまり周囲より高く盛り上がった地形を山と言うそうだ。ふむ、とても分かりやすい。
日本一低い山は仙台にある日和山(ひよりやま)で、標高はたったの3m。
でもこれはmountainではないから、Mt.Hiyoriとは書けない。Hiyori hillが正しいなんてちょっと驚きだ。
てことは、ドリカムの「行きたいのはマウンテンマウンテン♫」も間違ってるってことだ!大問題だぞ、こりは!
はい。
西上州最高峰の御座山(おぐらやま)は、日本二百名山なのに知名度は低いと思う。モッタイナイヨー!
とても眺めの良い山だったから、機会があればぜひ訪れてほしいと思う気持ちはマウンテンマウンテン。
ではでは