【埼玉】日和田山と物見山 ジャイアンを追ってロウバイの都ユガテへ ヘビースモーカーズフォレストともろ丸くん 登山

【埼玉】日和田山と物見山 ジャイアンを追ってロウバイの都ユガテへ ヘビースモーカーズフォレストともろ丸くん 登山

おい、のび太!!

世界は調べつくされ、冒険が少なくなってきている!

ドラえもんに頼んで秘境を探すんだ!

 

(映画ドラえもんのび太の大魔境、はじまりの一幕)

 

そして今、あちきはGoogleマップを見ている。

衛生と地上の両方からカメラで地球の隅々まで撮影され尽くされている。もし、まだ秘境が残されていれば、各国が競って調査部隊を編成して一瞬で調査し尽くしてしまうだろう。

まだ人類未踏の地があるとしたら、海底と地下ぐらいなものだろうか。

地上ではもう新たな発見なんて存在しないんだ。

そう思っていた。

 

しかし、今回、あちきは見つけてしまったのだ!!

 

それも、東京のすぐ近くで。

 

恐らく地球上で最後の秘境、「ヘビースモーカーズフォレスト」

 

そのエリアだけは常に雲が発生し、衛生での撮影が不可能な場所。

 

そこは、

埼玉県の高麗。

「こま」と読む。

 

5000年前、ラブラドール1世が予言した。

「5000年後に日本は危機に陥る。日本が危機に陥った時、1人のおっさんが「リモートワークをしてみたいんじゃ!」と不満を爆発させ、加齢臭を解き放ち、国を救うであろう」

その言い伝えを胸に、おっさんは秘境へと足を運び、戦いに挑む。

 

最後の秘境の道中は危険でいっぱいだ。

 

山ガールと見せかけたアマゾネスが現れたり、よく吠える犬を連れた原住民が現れたり。

簡単な道のりじゃない。

 

なんせ日和田山は、田部井淳子さんや山野井泰史さんという世界的な冒険家、偉大なクライマーが果敢にチャレンジして跳ね返され、腕を磨いてきた山だ。

そんな日和田山を踏破し、その先に待つガンダーラ、「ユガテ」へ。

 

危険だらけのジャングルの奥地には、まだ見ぬ花の都が広がっていた。

街に馴染む秘境というこのアンバランスがたまらない。

壮大なスケールでお送りする、大魔境スペシャル。

日和田山は標高305m、スカリ山は標高435m。高麗駅から東吾野駅までの駅to駅登山。

 

ルートとコースタイム

■2022年2月20日 ※カッコ内は標準コースタイム

高麗駅⇒(15分)⇒日和田山登山口⇒(35分)⇒日和田山山頂⇒(20分)⇒高指山⇒(35分)⇒物見山⇒(40分)⇒北向地蔵⇒(25分)⇒スカリ山⇒(40分)⇒ユガテ⇒(65分)⇒東吾野駅

コースタイム:4時間35分(休憩含まず)

総距離 10キロ
累積標高上り 690m

日和田山~物見山~スカリ山 本編

西武線で秘境へ

驚くべきことだが、秘境へは電車で行けちゃう。

ちなみにのび太の大魔境では、秘境までどこでもドアでひとっ飛びし、空き地に置きっぱなしにされたどこでもドアは、近所のおじさんによって木っ端微塵に破壊されてしまうという破天荒なストーリーとなっている。

そんな心配がないのが利点だ。池袋から西武池袋線で飯能へ、そして西武秩父線に乗り換えて高麗駅へ。

 

飯能と言えばヤマノススメ、というのは古い話で、現世でムーミンに出会える夢の場所、それが飯能だ。

ねぇ ムーミン こっち向いて 恥ずかしがらないでぇぇ~

モジモジしないーでぇぇ~ ボエェー(ジャイアン風に)

実はムーミンの歌って聞いたことないんだけど、勝手に矢野顕子さんが歌ってるイメージを持っている。まんざら外れてなさそう。

 

高麗駅から日和田山へ

さあ、着いた。

大冒険の入り口だ。

高麗駅前にはムーミンらしさは1ミリも残っちゃいない。鬼の形相が出迎えだ。

「天下大将軍」「地下女将軍」と書かれた門をくぐって魔界へ。

 

高麗と書いて「こま」と読む。

朝鮮の高麗と無関係なはずがなくて、朝鮮からの渡来人が多く住んだ場所が由来という説明書きを、誰もいない駅前でしばらく読みふけった。

そう、ここには誰もいない。

 

昔、日本では高句麗のことを高麗と記し、彼らのことを高麗人(こまびと)と呼んだそうだ。

なぜ、高麗人達がここに住み着いたのか、深まる謎。(wikiで調べたらすぐでてくるよ)

 

そして深まる秘境感。

近くには高麗神社なんかもあって、歴史を知ることができる。

駅前には誰もいないけど。

 

赤く記されたここがヘビースモーカーズフォレストだ!実に分かりやすい。

東京、埼玉、横浜あたりまでが武蔵の国だったんだね。

 

ここが秘境の入り口。

飯能まではそこそこ人はいた。

高麗まで行くと駅員に告げると「ひー!あの、あの高麗に行くんですか!頑張ってください!」と英雄を見るかのような尊敬と嫉妬が混じった目で見られる。

一体、この先何が待ってるというのだ。

行けばわかるさ。

この駅の脇道の先に壮大な大冒険が待っている。

 

踏切を渡るが、秘境駅なだけに電車なんて滅多に通らない。

しかし、さすがヘビースモーカーズフォレストだ。

衛生からは決して見られることのない分厚い雲が365日覆う。GPSだってたまに誤作動し、自分の位置が分からなくなるという噂だ。今日はYAMAPが役に立たないかもしれない。

 

ここが秘境へと向かう者にとって最後のオアシス、「ローソン国」だ。

はっきり言って用なんて無かったけど、一応立ち寄っておく。そして無駄に重りとしておにぎりを一つ買い足しといた。

もし、生きて戻ってこれたら帰りの電車で食べればいい。

 

ローソン国の前からは秘境、日和田山が見えた。

緊張して喉が渇く。一体なんのために冒険するのか。なにが自分を突き動かすのか。歩き切ったときに分かるのかもしれない。

 

伝書鳩が危険を知らせてくる。

クルッポークルッポー。

 

日和田山の入り口まで、踏み跡の無い道を15分ほど進む。

 

秘境唯一のお店、高麗豆腐のお店にはぜひ立ち寄っておこう。

 

ここにはざる豆腐もあるけど、みそ漬け豆腐を選ぶべし。

絶妙な漬け具合が重要で、購入の際にお店のおばちゃんが涙目で「2日後に食べてくださいね」と言って渡してくれた。

「生きて帰って来てくださいね」。そう言ってくれているのだ。

うむ、必ずや、2日後に生きてこれを喰らおうぞ!!

(チーズの様な味わいでバリうまだった)

 

昔、大編成を組んでこの秘境の開拓にやって来たグループが乗ってきたバス。

今でも戻らぬ主を待っている。

一見、オシャンティなお店にも見えるが、そんなものは幻だ。

 

このベーグル屋さんを曲がる。

ベーグルには真ん中に穴が空いている。ゼロカロリー理論に適用範囲だろう。

 

こんな案内標識も出てくる。ここまでならシェルパやガイドがいなくても来ることができる。

 

さりげなく菊芋が直売されてたりする。これが農家さんらしい別れの挨拶の仕方だ。

これから大事な挑む大冒険を前に、農家さん達の優しが沁みる。

 

ここが日和田山の有料駐車場。300円なり。

ここに止めて秘境の雰囲気をちょっとだけ味わってすぐに戻ってくることもできる。

秘境でありながら、コースがとにかく豊富らしい。

クライミングの練習目的で来た荷物が多い方にも便利なアクセス。

東京近郊の秘境とはこういうものなのか。

 

ここから始まる本当の冒険

ここまで長かったが、ようやく日和田山登山口に到着。

ここまでアップした写真は計19枚。

無駄に尺を使ってしてしまった、

お陰で既に書き疲れたよ。

 

スタンプまで用意され、すっかり観光地化されている。、秘境を前に怯える気持ちをほぐしてくれる。

 

さあ、まだ序の口だ。あたかも中盤みたいな雰囲気だが、実際にはここからやっと始まる。

始まりはどこにでもある里山らしい。

 

鳥居が出てくれば必然と石を乗せられるかどうかの一世一代の大勝負が始まる。

一回で乗せられなかったら高麗駅まで戻ってやり直しだ。本気でそう思い込むことがこのゲームを楽しくさせる。

そして、鳥居にはかすりもせず、カチンと音を立ててあえなく向こう側へ落ちた。

難しい。鳥居の上にはたくさんの石が積まれている。成功者たちの石だ。羨ましい。

2回目で乗せることができたけど、1回目で成功させないと意味がない。でもちょっと嬉しい。

高麗駅まで戻ったら無駄な写真だらけになってしまうから、仕方ない、このまま進もう。

 

左へ行けば男坂(ロマンチックコース)。右へ行けば女坂(大人のほろ苦コース)。

味気ない坂の名前にもサブタイトルを付けてみれば、ぐっと親しみが湧く。

駅に引き返すコースは、切ない別れコースとでもしておこうか。

 

クライミングコースでは無いはずなのに、ここから先は痺れる内容となっている。

興奮と感激が身体を突き抜ける。いよいよ秘境へと突き進むのだ。

 

ちなみに、山野井泰史さんとかがどこでトレーニングしたかは分からないけど、恐らく左の見晴らしの丘方面に行ったところにある男岩と女岩と思われる。

 

あちきはクライミング技術はゼロだから、男岩と女岩には見向きもせず、一般ルートを突き進む。

一般ルートとは言え、男坂(ロマンチックコース)だけあってゴルゴばりに容赦ない岩場。

ましてや雨上がりで濡れてるから難易度マシマシ。

 

まさかこんなに岩場が続くとは。

窮地に陥ったところで奮起を見せなくては真の男ではない。

のび太の大魔境では、ジャイアンは自分のせいで皆を窮地に追いやってしまった責任を抱えて苛立ち、部屋に閉じこもって号泣。そして吹っ切って一人でペコを助けに行く勇気を見せた。

ジャイアンが、あちきの心を動かした。

意を決し、坐骨神経痛に耐えて、立ち上がる。

行くぞ!秘境制覇だ!

 

ジャイアンの行動に奮い立ったドラえもんとのび太らは後を追い、遂に全員が心を一つにするというのがのび太の大魔境の最大の見せ場だ。

強烈なへっぴり腰で必死にジャイアンに食らいつくあちきの姿を想像して進め。

 

真面目な話、一般ハイカーで今年は北アルプスの岩稜帯や三大キレットなんかを歩いてみようと思っている方の小手調べにお薦めしたい面白いコース。

 

頭上に見える鳥居。

あそこが日和田山の山頂か?

 

違った。山頂はここから0.3kmほど先なのね。

 

ここからは東京スカイツリーまで見えるらしいけど、そこはヘビースモーカーズフォレスト。

分厚い雲とガスが邪魔してさっぱり見えやしない。

完璧な晴れ予報だったけど、ここでは通用しない。

右前方の円形の広場が巾着田ね。

 

あの建物は何?まさか西武ドーム?

埼玉と言えばそれとさいたまスーパーアリーナ、さいたまスタジアムしか思いつかない。

後日Google先生に聞いてみたら車両基地ということが分かった。

 

鳥居と麓の景色が実にアンマッチで良い感じ。

日本が世界に誇る冒険家たちもこれと同じ景色を見たはずだ。そう思うとちょっと嬉しいじゃないの。

 

金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)。

無事に縦走して下山できることを、いつも通りお祈りしておく。秘境だからといって特別なことはしない。

 

遠くには奥多摩の山々。雪が付いて白くなった峰はこうして見るとアルプスみたいだ。

どれが何という山かさっぱり分からないけど。

 

さあ、秘境のピークに立ち寄ってみまひょ。

 

日和田山の山頂

さあ、着いた。

ここが近くて遠かった日和田山の山頂。

ここに来るまで、どれだけの挫折を繰り返してきたか。

飯能駅で大雨に打たれて引き返したり、巾着田の彼岸花が伐採されてたり。

 

秘境でしか生息していない鳥、これがコバトンだ。

コバトンも山頂踏破を祝福してくれている。

 

山頂からは埼玉の町並みが一望。

とは言っているが、どこの町並みかは分かっていない。

鶴ヶ島、川越方面かな、Google先生?

・・・。

 

秘境なだけに、人の痕跡なんてどこにも無いと思ってたけど、古代人による遺跡らしきものが残っていた。これはアンコールワットやアユタヤ遺跡を彷彿とさせる。

考えてみれば秘境と言っても人類未踏とは限らない。

日本の秘境100選なんて観光客で溢れかえっている。どこもかしこも密ばかりで、秘境本来の意味が失われた感がある。

 

高指山、物見山へ

第2の秘境、物見山への縦走開始。すっかり見慣れた景色の中、まずは下りたくないけど下る。

だいたい、日本にだって秘境は溢れている。そもそも秘境100選とは、選りすぐりの100選という意味なのだから。

死ぬまで日本中を練り歩いてやるんだ。そしてこの目に焼き付ける。

今日はその一歩だ。

 

モグラ塚のご丁寧な説明、ありがとうございもぉす(トロサーモン風)。

 

こんなところに人工物が見えてきた。

テロ組織のアジトか。

 

こんなところにあったのか。高指山の山頂。

冒険心をないがしろにしてくれるわ。

所詮、秘境とはこんなものだ。雲ノ平が最後の秘境と聞いて行ってみれば、テントを張る場所を探すのにも苦労するほど、ものすごい数の登山客で賑わっているのだから。

 

遠くに見える山々、うんざりするほどたくさんあるなー、秘境。

秘境を訪れる時は季節には気を配りたい。何気ない森の中も、時期によってはミツマタや福寿草の大群生が見られたりするから。

それと、マナーもしっかり守ろう(たまにはまともなことも言う)

場を荒らしたら次の人が楽しめないんでね。

たまにほんとひどい人いるからね。特に団体で先頭を歩く強引な爺さん。

 

一旦、舗装路に出ると東屋が出てくる。

舗装路を見てお分かりの通り、晴れ予報にも関わらずついさっきまで雨が降ってたというコンディション。

空は相変わらず、どよーんの極み。

 

秘境トイレも出てくる。

街を上げて秘境ハイキングに力を入れてくれているんだろう。それだけに2021年はコロナによる密回避のために巾着田の彼岸花を伐採するという選択は、苦渋の決断だったに違いない。かわいちょ。

 

東屋は自分の前を歩いていた秘境ガール達に占拠されたため、シャイなおっさんは少し離れて、休業中のお店の前にあったベンチでお昼ごはんにした。

カップラーメンとドーナツ。

塩っぱいものと甘いものと汁物があれば最高のランチになる。

それらすべてを満たしてくれる完璧なメニューだ。

 

さて、食べ終わった。

まだまだ続くよ、秘境トレック。

物見山って本当にこっちか?と半信半疑で進む。

案内標識が充実してても心配症なので、しっかりスマホでも確認しておく。

 

キラキラの青空がほんの少し垣間見えた。

そんなまさか、ヘビースモーカーズフォレストを抜けたというのか?

 

自然公園についてのご丁寧な説明、ありがとうございもぉす(トロサーモン風)。

 

抜けた。

ヘビースモーカーズフォレストの外は晴れてたんだな。

改めて、恐るべし秘境日和田山。

午後になって天気が良化してきただけだろ?とか言った瞬間、今回のシナリオは終わる。口が裂けてもそれだけは言ってはならぬ。

 

物見山に到着。眺望ないのね。。

 

北向地蔵へ。

ん?

なんか標識の真ん中に何か書かれてるぞ。

 

秘境アイドル、もろ丸くんだ!

念願の冒険の聖地、毛呂山町に入ったということだ。

 

眺望の良い観音ヶ岳とスカリ山へ

杉林が直毛する森。

この毫毛化した杉が、風が吹くたびに黄色い粉を噴き出し、外界からの目隠しとなるシールドを作り出す。

無理にこのエリアを見ようとすれば、目が激しく充血し、鼻から清流が流れ出て、人を寝たきりにさせる。

しんどい季節がやって来た。

 

突然の軽トラの出現におののく。乗り捨てられ、ドライバーはいない。言ってみれば秘境に漂う難破船みたいなものか。

 

そっぽ向き地蔵までやって来た。

みんなマスクを付けて北を向いている姿が可愛らしいけど、いつまでマスク付けなきゃならないのか。

政府から3回打った人からマスク外して良いよって言ってもらいたい。

山歩きしてるときはもちろん外してるけど。

 

北向地蔵を過ぎると林道に出る。

せっかく秘境という甘美な世界を堪能してたのに、台無しじゃないか。

それでも交通量は少ないらしく、一週間前に降った雪がかなり残っている。

 

今度はカラーになったもろ丸くんに導いてもらいながらスカリ山へ。

もろ丸君の肌は黄色だったんだな。

 

右のトレイルへの取り付くきが軽くワイルド。

 

物見山を過ぎてからはひたすら静寂。森のしじまを感じながら、ここを登ればスカリ山だ!と思って登れ。

実際には偽ピークだけどね。

今書きながら地図見て初めて知ったけど観音ヶ岳という立派なピークだった。

 

そうとも知らず、スカリ山の偽ピークなのに物見山よりよっぽど眺望の良いじゃないか!とちょっと浮かれ気味。

遠くに見えるのは日光連山。

 

しかし、ここはスカリ山ではない。

最後の冒険を求め、さらに稜線を辿って山奥の秘境へ。ジャイアンの背中を追いかけていく気分だ。

ちなみに、全体の行程は10キロ程度と短いのだが、写真ばかり多く載せてとてつもなく長く見せるのが得意。

 

なにはともあれ、すっかりスカリ山ゲット。

へんてこな名の山だなと思ってたけど、ここに来れてすっかり(すっきり)。

 

おどろ木ももの木スカリ山。

物見山がまさかのゼロ展望でズッコケたが、スカリ山からの景色はさっきの観音ヶ岳を超え、今日イチのサプライズ。

それでも360度の大展望というのには程遠いけど。

 

この先にまだまだ続く稜線。ずっと秘境は続くよどこまでも。でもそこまで物好きじゃないから、山歩きはこの辺でやめといて、次なる目的地、秘境の里「ユガテ」へ。

実はちょうど低山ハイクに飽きてきたところだ。

冒険を渇望する気持ちは、満たされたというか、尽きたという言い方が正しい。

 

一番右のとんがった峰は武甲山。たぶん。

この手の秩父〜奥多摩方面の景色も見飽きてきてしまったのだ、悪気はない。

冒険はほどほどで良いのだ。でなきゃ次また来ようという気にならない。

スカリ山は低山だし、さぞハイカーで賑わってるかと思いきや、静かな山でよかった。ただ単に天気が悪かったからだけかも。

 

花の都ユガテへ

再び、見慣れた杉林の中を下っていく。油断してたら意外と急坂だったりする。

全体の行程が短いと言ったばかりなのに、さっそく足の裏のマメを2つも作ってしまっていることが発覚。

痛い。のろのろとしか歩けない。

 

すべての標識に秘境アイドルもろ丸くんが描かれている。ここ毛呂山町のゆるキャラなのでお見知りおきを。

ユガテへは吾野駅方面へ。

 

里が近いからか、分かれ道がたくさん出てきて迷う。

GPS地図を見ながら、幻の都ユガテを目指す。

東吾野駅方面に進めば自ずとユガテを通るはず。

 

ユガテの名がでてきてホッとした。さすがに簡単にはたどり着けない。

標識通りに進み、その20m先を左に曲がると始まる。

 

どどーーん、とロウバイ。

へぇー、こんなところあったんだという驚き。

宝登山や四阿屋山みたいにたくさん咲いてるわけじゃないけど、さすが埼玉の里山といった感じ。

 

ロウバイを見上げながらユガテの集落へと下っていく。

漢字では湯ヶ天と書くらしいけど、温泉施設らしきものは見当たらない。

もう少し下れば自販機ぐらい出てくるだろう。温かい缶コーヒーでひと息入れたい気分だ。

 

もう枯れて終わってるかもしれないなと心配してたけど、まだまだ元気だ。

 

冒険に花を添えることができた。

もし、これが青空だったらロウバイだって映えるところだけと、相変わらずのヘビースモーカーズフォレストなのは今更言っても仕方ない。

 

普通の梅も咲いている。

山を下りてきたら、辺り一帯で梅の香りが漂っているなんて、まさに秘境から桃源郷に下りてきた感満載。

 

さあユガテの集落に着いた。

典型的な集落で、自販機ぐらいあるだろうという世俗的で甘っちろい考えは吹き飛ばされた。

自分がコカコーラやジャパンビバレッジのセールスだったら、絶対にここに売り込みにこない。

 

ただただ、ここにあるのはみかん。

 

そしてロウバイ。

しかし、これだけで十分じゃないか。

せっかく秘境トレッキングという貴重な経験をしにやって来たんだ。これ程贅沢なことはない。

缶コーヒーがあればもっと贅沢だったけと…。

 

ユガテの農園の真ん中を突き抜けていく。

帰ってきてからちょっと調べてみたらNGO法人が農園を開拓してるらしい。

 

ひまわり畑はいいね。

下山後にひまわり畑が広がってて、いいおっさんが一人はしゃいだ熊本の鞍岳・ツームシ山登山を思い出す。

 

しかしこの惨状。この時期のひまわり畑はすっかりモグラ塚にやられてしまっている。

早速、日和田山のモグラの知識が生かされた。

 

振り返ったスカリ山。右が観音ヶ岳で左がスカリ山(たぶんね)。

何度もここに来ようとトライして、暴風雨や彼岸花の伐採などで裏切られ続けてきた飯能〜日高市〜毛呂山町の低山ハイク。

ここに完結。

 

東吾野駅へ

まだ終わっちゃいない。

あとは東吾野駅に向けて舗装路をえっちらおっちら歩くだけ。

さっそく舗装路もでてきて、ようやく秘境ともおさらば。

 

福徳寺というなかなか立派なお寺の横を通過。

平安時代に創建されたらしいけど、中でも鎌倉時代に建立された阿弥陀堂は国の重要文化財に指定されてて、埼玉県内では最古の建築物らしい。

 

東吾野駅前に到着。ここにもロウバイが植えられているけど、こっちのはもう枯れて終わろうとしている。

1月の花なだけに2月後半だとさすがに遅すぎる。ユガテのロウバイがよく残っててくれたけど、1月末頃が最も良い時期だと思うよ。

 

振り返って

2021年9月、コロナ禍の密回避を目的に、巾着田の500万本もの彼岸花が切り払われるというショックな出来事があって、膝から崩れ落ちた。

なんてことをするんだ!と地団駄を踏んだ人も多かったと思う。その半年後の今回、ユガテの蝋梅と組み合わせたプランを思いついて、喜び勇んでやって来たよ。

天気には恵まれなかったけど、結果的には雨に濡れることもなかったし、高麗豆腐は美味しかったので、せっかくここに立ち寄ったなら購入することを薦めます。お店のおばちゃんも気さくで良い人だったので。

 

その昔、武蔵国にあった高麗郡は、今で言う日高市、鶴ヶ島市、飯能辺りにあったエリア。

手軽に登れる日和田山。標高は低いし百名山でもないけど、女岩と男岩という岩壁で田部井淳子さんや山野井泰史さん、山野井妙子さんらがトレーニングをしに通った山として知名度だけは全国区。なので以前から気になる山ではありました。

もう1度日和田山を訪れる機会があれば、今度こそ下山後に彼岸花の咲く巾着田を見て、メッツァビレッジをぶらついて帰るプランを実行してみたい。

こんな秘境に埼玉医科大学があるなんて、びっくらこいた。

ではでは


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