秘密の花園 そこどけ大ドッケ!福寿草がキテる!秩父の野山はそこら中が特等席

秘密の花園 そこどけ大ドッケ!福寿草がキテる!秩父の野山はそこら中が特等席

そこどけそこどけ大ドッケ。

広い温泉でなぜかすぐ隣に座られたり、空いてるテン場なのになぜか隣にテントを張られたり、そんな経験ない?

俺はあるよ!

こないだだって空席が目立つ電車で隣に座られたし。テントの入り口をご対面スタイルで張られスーパー居心地悪い思いをしたり。

山で過ごす静かな時間を楽しむ事こそがアウトドアの醍醐味のはず。これはもはや山ハラでしょう。

巴投げ〜!!

 

さあ~て!いよいよ春山シーズン到来!

今回は「秘密の花園」で有名な秩父の大ドッケまで福寿草を見にきたよ。

もはや有名過ぎて公然の秘密の花園なんて言われちゃって秘密も何もないんだけどね…

 

福寿草自体はそれほど珍しい花ではないんだろうけど、この規模で自生してるのは初めて見る光景。

同じ秩父の四阿屋山に福寿草園があるけど、そんなのより遥かに遥かに大規模で圧巻だった!

 

登山開始は浦山大日堂バス停を起点に、上りは谷コース、下山は尾根コースを選択。

谷コースは急坂や踏み跡不明瞭なポイントもあったから、つい踏み跡を見落としがちな下りではなく上りで歩くと良いよ。

上りでも不安という方は、尾根コースのピストンが無難。

1年前に企画したけど、前日にまさかの大雪が降って中止。慌てて黒斑山の雪山登山に変更した一年越しの企画。

やっと来ることができたよ。

 

初めてハナネコノメソウも見ることができた。

秘密の花園は標高1,250m付近。奥多摩の大平山直下の大ドッケ近くにある花園。

いよいよ花シーズン到来。

いざっ

 

ルートとコースタイム

■2021年3月20日 ※カッコ内は今回歩いたタイム

浦山大日堂⇒(180分)⇒秘密の花園⇒(70分)⇒浦山大日堂

コースタイム:4時間10分(休憩含まず)

総距離 8.3キロ
累積標高差 1,142m

 

秘密の花園登山 本編

浦山大日堂から登山開始

秘密の花園って、ちょっとエッチな感じだよね。

やったぜお色気!待ってました!

と期待した人のために仕方あるまい。今回はノーパン登山敢行だ!

と言いたいところだが、誰もおっさんのノーパンは望まないだろうし、そんなことをすれば名実ともにクソブログになってしまうため、それは自粛しまっせ。

さて、話を戻そう。今回のスタート地点はここ、浦山大日堂バス停。このバス停の横には5台停められる駐車場もあって便利。

写真に映ってる奥の小屋はトイレだよ。

 

そのトイレに貼られていた浦山の獅子舞のポスター。お祭りの開催日は10月第4土曜日と半年以上先だ。

それまで何もない長閑な所なんだろうけど、考えてみれば年に1つでも目玉企画がある集落の方が少ないだろう。

決して何もない集落だなんて言わないでおくれ。自慢の獅子舞は10月第4土曜日、乞うご期待!と、SNSでアピールして盛り上げてもらいたい。

秩父を愛する男より。

 

まずは登山口に向かって林道を下っていくとバスとすれ違った。

ワンボックスカータイプのバスだね。

 

そしてこの橋が登山口。駐車場から歩いて3分ぐらいかな。

 

橋脚に巻き付く神龍。

「ギャルのパンティおくれー!!!」

周囲にはこれがウーロンが叫んだことだと気付かないご老人しかいない。

哀れに感じたお婆ちゃんから失笑されるが良いぞ。

 

こんなビール好きの河童もいる。

お酒は飲めない方が楽でいいけどね(下戸な男より)

 

橋を渡ったら右上へ。いよいよ森の中へ突入だ。

 

いきなり現れる大きな岩を落石にビクつきながら通過。

 

大きな岩を過ぎると、早速分岐が現れる。

登りで尾根コースを選択する場合はここを登っていく。

自分は谷コースで登って、尾根コースで下山する。帰りはここから戻ってくることになる。

 

鹿よけネットの急坂にへばる

そんな訳で谷コースを登るため道なりにススム君。

登山道に電柱が立っているあたり、信じ難いけどこの上にはまだ集落があるみたいだ。

 

再び分かれ道。ここは左が正しいんだけど、こういう時右に行くと何があるのかってつい気になっちゃうよね。

でも気になるってだけで、実際見に行ったことのある人って少ないよね?

 

じゃあ見に行ってみるか。

無駄に30mほど登って確かめるというアホの所業を遂行すると、墓地しかないというその労力に見合わない景色が広がっていた。

奥に一軒家らしきものも見える。

電柱はここに電気を引き入れるためだったのね。

 

登山道に戻ると、ところどころ生活の匂いが感じられるゴミが落ちてるじゃないの。

自分の家の周りにゴミを放るなんて考えにくいから、赤の他人のゴミか、廃屋になって家の中の物が散乱したかのどっちかだろうね。

なんにしてもこんな山に入ったところにまで人の暮らしがあったことが驚きだよ。

 

登山道に戻って先に進むとみかんの木のご登場。集落らしさが残っている。

 

更に耐震強度ゼロの廃屋満たん。

 

転がる二槽式洗濯機。紛れもなく、ここで生活していた形跡だ。

ちなみに二槽式には根強いファンがいるらしく今でも電気屋さんでよーく探したらあったりする。

更にちなみに、今でも日用品店をくまなく探してみると、洗濯板だってまだ売ってたりする。洗濯板なんて見たことない人も多いんだろうな。自分は高校生の時のアルバイトで雑巾洗うのに使わされてた。あの店長、キレやすかったし今思うと相当変わってたな。

 

更に進むと見晴らしの良さそうなポイントを通過。

ガスガスだわさ。

でも今日は花見登山だからこんな天気でも大丈夫〜

 

先端だけ脱色した杉。パンクだ。

 

滑りやすい斜面をトラバース。

おかしい…。安全が約束された登山だと思っていたのに、ちょっとスリリングになってきた。

しかもこの虎の子ロープ、掴んでみると長すぎて、もはや滑落して初めてテンションがかかるという有様で無事に歩くための補助にはならない。

超絶へっぴり腰で通過中。

 

春山解禁ということで、完全に平和ボケしてたけど、ここから更にスリリングな登りへ様変わりし「こんなはずでは」を連発する緊急事態。

鹿よけネットに沿ってよじ登っていくけど、これがまたすごい急登。

ネットを張った人はマジで超人だ。

 

「自分、不器用ですから」と、雑な歩き方しかできないが、それでも鹿よけネットを壊さない様に、触れない様に気をつけながら歩いてきた。

この先でちょっと下って鹿よけネットをくぐる。上から高巻きする人もいるみたいだけど、なかなかの急斜面でちょっと危ないから下から行くのが良いよ。

 

「こんなはずでは」を連発しながら、鹿よけネットをほふく前進でくぐる。

雨が降ってたら絶対にやりたくない所業だ。

ネットを壊さない様に慎重にススム君。

 

無事に通過できた自分を祝福するかの様に、日が差した。

曇りだと花を閉じてしまうという福寿草が、これによってベリーウエルカムになることを祈る。

 

湿ったところにネコノメ発見。

前を歩いてたご年配の方が「初めて見たー!」と大きな声で教えてくれなかったら、自力では決して見つける事はできなかっただろう。

だいたいいつも他力だ。

 

ハシリドコロ。毒があるから気をつけるべし。見るからに毒がありそうな色だしね。

分かりにくいのが福寿草。綺麗でたんぽぽみたいだし縁起が良いとされてるのに、実はかなり強い毒を持っている。触るだけなら大丈夫だけど、食べたら死んじゃうよ。

 

川の渡渉が1箇所でてくる。

先程までのネット沿いの急登で平和ボケから完全に目覚めたから、もうこれぐらいじゃ驚かない。

やはりどんな低山でも山は山だ。

近所のお年寄りが堂々と「ここはのぉ、地震が無いから安心じゃ」と、断層だらけの日本においてなぜそんな根拠の無いことを言いきれるのか?どんなところでも油断しちゃいけないぜ、お爺さん。

 

川を渡渉したら左上に登っていく。

このルートはバリエーションルートらしいけど、ここまではピンクリボンは多いし、踏み跡も明瞭なので迷うことはないと思うよ。

 

ひたすら沢沿いを登る

ここから途端にピンクリボンが無くなるし、浮き石だらけの沢沿いをひたすら登っていく。

ここは「こんなところを歩くんだなー」って下調べ通りでイメージできてたんだけど、実は今回はナイキのトレランシューズのデビュー戦。

浮き石が多い所だと分かっていたのなら、ミドルカットブーツで捻挫防止を考えれば良かったのだが、案の定ここで軽く3回ほど足をひねってしまい、満身創痍の下山になったことを先に言っておく。

 

時々日が差してくれるけど、基本はレッツガスロマンを彷徨っている。

福寿草が貝のようになってなければ良いのだが…。

 

ひたすら沢を登っていくと、だんだんと沢の水は細くなり、左を見渡せば苔むした岩がゴロゴロしてくる。

 

石の上を歩くから必然と踏み跡は見つけられない。

とにかく沢沿いを上り詰めるという単調な登山になってきた。景色はない。

 

はい、だんだんとですね、こんな感じにお水が少なくなってきましたらね、先程作った辛味ペーストを入れていきましょうね。

by土井善晴な男

 

足の筋肉がですね、これ以上歩かせるなと悲鳴を上げ始めましたらですね、先程作った辛味ペーストを入れていきましょうね〜。

 

雪山登山が続くと、こうやって降り積もった落ち葉を見て「そうそう、新緑シーズンまではこんな感じだったよなぁー」と思い出される。

 

「そうそう、昔のBOSSってこれだったよなー」と思い出される。

今となっては懐かしいぜ。BOSSジャン着てるお年寄りも流石に見かけなくなった。

 

そろそろ花園が現れてもいい頃合いなんだけど、福寿草はどこにも当たらない。

段々疲れてきて「まだか…まだか…」と、ただおっさんが念仏を唱えるだけのクソブログになってきたじゃないか。

こんなクソブログを読んでくださる心優しい皆様、感謝申し上げます。有難うございます。

もし山で出会ったら本当に念仏唱えてるんですね(笑)と優しく接してください。

うっふん。

 

ふぅ~、ガスガス君だ。

 

あっ!着いた!あまりに突然の出来事。

ガスガスの空にゲンナリして視線を下に戻してみると、黄色い絨毯が見えてびっくり!

下調べ5分で得た情報以上に広範囲だ!すっげ!

 

秘密の花園で山ハラ

近づいてみる。ゲンスー。

四阿屋山の福寿草園なんて比較対象にならない、異次元な数だ。

百合子よ、東京アラートだ。

 

麓の喧騒から遠ざかったむっつり感と、それでいてこんな大胆になっちゃってる感、これぞまさに秘密の花園だ。

秩父の山は宝の山だ。この圧巻の景色を前にして「なんだよ、エロさが微塵もなくてガッカリしたぞ」なんて言わせない。

 

晴れてないからね、花の開きはいまいちだけど、それでもタマランチ会長。

 

谷コースの上りはなかなかハードだった。

しかし「男のエイジング臭は香水代わりだ!」とワイルドに言い放つ一方で、裏では女子社員に嫌われない様にちゃっかりリセッシュ除菌EXとレノア消臭ビーズでケアしちゃう小心親父による生ぬるいブログにやっと戻ってこれた感じがする。

生ぬるいブログ村へようこそ。

居心地サイコーだぜ。

 

奥の奥までひっしりだ。

これだけの群生になると、16mmの広角レンズでも画角に収まらない。

 

お湯を沸かしつつ、その間は撮影に興じる。

奥までずーっと連なる福寿草。これだけあれば何人も殺せてしまう毒量だ。縁起が良い花だ。

 

今日はサンポー食品の焼豚とんこつラーメンとおにぎり。このラーメンは120円なのに焼豚が入っててコスパが素晴らしいからお薦めだよ。

毒の花を観賞しながら最高のお昼を楽しんでいると、7人パーティの団体が到着し、その内の一人がおもむろに自分のわずか5センチ隣にドカッと座った。

 

こんなに広いのに。なぜ?

 

山で5センチってね、超近いよ。もはや当ってるし。相席か?

他のメンバーとは1メートル以上距離をとってるくせに、赤の他人の自分とはわずか5センチという煽り運転ディスタンス。

なんだこの、威圧感。。

貴方はこんな里山で幅を利かせたいのけ?ここ大ドッケでそこどっけですか?

さっぱり意味が分からん。

面倒くさい男を相手にすれば折角の登山が面白くないものになってしまうから、さっさとラーメンの汁を飲み干して立ち去るのが吉だ。

ふぅー、ストレス。関わりたくない一心で荷物をまとめてると、その男が言い放った一言に耳を疑った。

 

「××さん、特等席、やっと空きましたよ」だ!

 

頭悪すぎない?言われた方も罰の悪そうな顔をしている。

特等席はそこら中にありまっせ。

 

めんどくせっ!さっさと立ち去ろっと。

 

山で過ごす静かな時間を楽しむ事こそがアウトドアの醍醐味だと思うのだが。。

これはもはや山ハラでしょう。

俺がもし女だったらセクハラでも通用するよ。

 

 

荷物を背負って最後の1枚。君たちは密に咲いててくれていいんだよ、と若干キショイ感じに呟いて立ち去る。

最後にまじめなことを言わせてもらうと、貴重な自生地だから花園には踏み込まず、ズームレンズを持ち込みたいところだ。

 

振り返ってみる。ご覧の通り、そこら中特等席だらけだ。

さっきのパーティはメンバー間でしっかり距離をとってるが、右下の黒い服の人だけは東京アラートって言うね。まったくもって意味が分からん。

せっかくのサンポー食品がマンボー(蔓延防止)になっちまったぜ。

 

次の山行もサンポー食品のとんこつラーメンにして仕切り直すか。いや、次回は桜餅でもいいな。

そんなことを考えながら、ピークに向けて登っていく。食後すぐに登ってるから軽く気持ち悪い。

 

なんていうピークかは分からないけど、樹林帯に囲まれてて景色は全く無い。更にガスが覆い、そもそも眺望なんて期待できなかったけどね。

ここから尾根コースでジェットコースター下山の開幕だ。

 

猛スピードゲッザーン

尾根コースは踏み跡明瞭だし、危険箇所ないし、急坂もない。谷コースが不安な方は尾根コースのピストンが断然いいね。

間違っても谷コースを下りで歩かない方が良いよ。浮き石が多くてお薦めできない。

そんな、甘っちろいこと言ってらんない猛スピードで下っていく。

 

尾根コースは安全な分、単調でつまらないから最初からトレラン状態。

つんのめる様なスピードで、崖を飛び、木から木へ、モモンガの様に空を飛び、駆け下りてきた。そして足をグネること3回。

 

花の咲いてないアセビのトンネルを通過。履き慣れないシューズで両足の親指の爪が痛い。

これ以上痛めると、最悪2~3週間後に爪が青くなってポロっと取れるパティーンだ。

 

高圧線の下を通過。

穏やかな尾根道でもう既に満身創痍。しかし一切の泣き言は許されない、麓へモモンガトリップだ。

 

高圧線が通る山を所有している人はその土地の使用量を電力会社から毎年もらえて結構儲かってるらしい。

うらやましい。

 

ひー!暗い!森が暗い!

ここから秘密の杉園へ突入。

 

ひ、ひー!!

秘密の作業小屋が荒れ果ててるぅー!

 

暗い杉林の終わりが見えてきた。

足が痛い、爪も痛い。それももう終わりだ。

あの明るいあっち側に行けば救われる。我ながら華麗なる下山だった。

もう山ハラ集団から逃げ切った。

 

下に集落が見えてきた。この旅の終わりも近づいてきた。

そろそろ落ち着こう。

 

お地蔵さんに安全登山の感謝を伝え、次は変な登山客とバッティングしないことを切にお祈りしとこっと。

なんか、無表情過ぎて効き目無さそうだけど。

 

さっ。上りで通過した分岐まで来たよ。

 

下りがあっという間過ぎて全体のコースタイムはいまいち分からないけど、たぶん6時間ってとこだと思う。

つか、足が痛い。明日は日曜日だ。ゆっくり足を休めるべく15時間ぐらい寝てやる。

 

下山してみるとラブのお出迎え。

素っ気ない態度をとってるけど、目が合っただけで尻尾がブンブンしちゃってるぜ!

なんて愛くるしい奴だ!

 

豚みそ丼野さかの弁当

何度も訪れてる秩父において、まさかの初「豚みそ丼野さか」

やっと食べることができた!

店内での飲食はできなくてお弁当のみだったけど、並ばずに済んだからむしろこっちの方が良かったかも。

サンポー食品のラーメンを慌てて掻き込んだ分の借りは返したぜ!!

 

振り返って

ちょうど1年前に秘密の花園を企画したけど、その時は前日にまさかの大雪が降り、こりゃ福寿草は雪の下だなと急遽黒斑山登山に変更。

それからは潰瘍性大腸炎仲間の阿部総理による緊急事態宣言の発出。そしてコロナ感染者が増えると夜景がいつもより綺麗になるという百合子による謎の東京アラートが勃発。それから約1年もの間、怒涛のコロナバブルで猛烈に忙しい日々に突入。残業はブラックの領域へ。目が回ってる内に気付けば3月になっててやっと落ち着いてきた。

やっとだよ。。

とにかく今回は1年越しの企画。

ほんと、やっと来れたよ。

秘密の花園は前々から有名ではあったけれど、今やヤマレコやYAMAPでレコが溢れる超人気スポット。

さぞ賑わってんだろうなと警戒したけど、曇り予報が幸いして山ハラ集団以外、誰もいない静かな花園を満喫できたよ。

 

この日デビューしたナイキのトレランシューズは、クッション性が抜群で履き慣れればかなり使える相棒になる事を確信。

最初はアルトラ、スポルティバ、ホカ、サロモンあたりの登山界では誰もが知ってるメジャーなメーカーで悩んでたけど、途中で方針転換。

ナイキは山では逆にマイナーメーカーだから他人とかぶることは無いし、なんせ登山ショップですら陳列されてないっていうのも良いと思えたポイント。

ランニングシューズもナイキの厚底を履いてるからそのクッション性の良さは分かってたし、使ってみてやはりその選択は正解だった。

履き方がまずくて爪を痛めてしまったけど、今回のような里山登山で重宝しそうな1足です。

ではでは


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