鉢伏山の後編です。
鉢伏山は長野県にある山で、夏なら山頂付近まで車で上がれてしまう山。
冬は麓から標高差1.000m近くをえっちらおっちら登ることになるけど、冬季も鉢伏山荘が営業してるから安心して雪山ハイキングが楽しめちゃうというファンタスティックな山。
長いカラマツの森を抜ければ2,000mに満たない山とは思えない解放感に包まれること間違いなし。
森林限界のような景色にすっかり魅了されつつ、本日最大の目的である鉢伏山山荘のおしるこへ迷うことなく突き進むのだった。
さあ、アイゼンを脱げ!
そして喰らえ!
山頂なんぞ後回しだ!
というわけで、ぬるい登山の後半戦です。
前編はこちらからご覧ください。
鉢伏山山荘のおしるこ
こんな寒いところにいたら大腸へのダメージは計り知れない。
もっと大腸をいたわらなきゃ!山頂なんて行ってられっか!と鉢伏山荘へまっしぐら。
モットーは、楽な山が好き、おしるこが好き。
どこかのTシャツに書かれてそうなフレーズだけと気にしない。
入山料は任意だそうです。
任意なんかに甘えるんじゃない!
男気見せろ!ジャンケンだ!
甘えるんじゃ…。。ない…。。
ごめんなさい。
小屋の食堂は狭いので荷物は外に置いてから中に入って下さいとのこと。
もちろんアイゼンも外で外します。
貴重品とスマホを忘れないようにね。
さあこれがお目当てのおしるこ。
600円!!
うん、高いけど安い(笑)
スーパーのぜんざいが120円で買えるなぁ〜とか、そんな考えは捨てなさいっ!
スタバのコーヒーが520円だよ。それなのに山小屋のおしるこが600円って、ぶっ飛ぶ安さでしょ!!
つか、スタバが高けぇ。。
並んでる輩がアホに見える。そのコーヒー代でごぼ天うどん食えるし。
ちなみに、私はコーヒーならベローチェ派です。あの小さな椅子がどれだけ俺の長居を拒もうとも挫けないぞ。
安いからっ!
タリーズのゆったりソファに憧れつつ、それならファミマでコーヒーを買って公園でゆっくり飲むわ!と寒空の下で飲む。ふっ。
あ、そうそう、おしるこね。
焼き餅がね、香ばしくて最高だったし大腸にもベリー優しい。
結局、病気になってよく分かったのは、お米が一番カラダに優しいということ。
小麦や蕎麦はなるべく控えて、お米と魚、そして野菜を摂ろうと日々頑張ってます。
うどんは手っ取り早いから時間がない時なんかは食べちゃうけど、脂っぽくないからまだセーフでしょう。
ラーメンとは今生の別れです。
さらば、安全食堂(地元のラーメン屋さん)。泣ける😭
この鉢伏山荘は女性が切り盛りしてて、清潔感バツグンだし、雰囲気も明るくて暖かい。
山小屋って女性オーナーの方が良いのかも。
北アの朝日小屋も名物の女将さんの対応良かったし。
まあテントだったから小屋は堪能できなかったんだけど、テントの受付時とか、売店での対応とか良かったもんね。
下戸なあたしには無縁だけど、鉢伏山ブランドの日本酒も売られてたよ。
そろそろ出発しますかね。
せっかくストーブとおしるこでぬくぬくになったというのに、チェーンアイゼンを装着するわずかな時間で体が芯まで凍りついた。
とっとと山頂を目指しましょう。
ん?さっきより曇ってないか?
天気は崩れた方が絶景が撮れるというのはよく聞く話だけど、自分とは趣向が違うんだよね。
単細胞なんで青空しか興味ねぇっす。
おお、2000m未満の山にハイマツがあるなんて!
いや、恐れ入った。長野の山は規格外だ。
さっきまで青空が見えてというのに、灰色のもくもく太郎に覆われていくじゃないか。
ああぁぁ。。
北方からの炭みたいな雲に覆われていく。
ここまで暗いと笑える。
ベルーナドーム(西武球場)ぽいな。
夏はサウナ、横から雨も降り込むという、ある意味規格外のドーム。
この球場の設計は後世に語り継がれる失敗作なのは間違いないので、現存する今の内に訪れることを薦めます。
とうとう闇に飲まれやした。
それにしても背景がこんなに暗いのにしっかり霧氷が撮れることに感動している。
これがダイナミックレンジが広いと言われる所以なのか。
つかダイナミックレンジって未だに何のことを言ってるのか分かっちゃいないんだけどね😎
今さらだけど、おしるこを優先させた判断は間違えだったかもしれない。
天気が崩れたって絶景になんてならないし。
こんな暗けりゃカメラの腕の無さだけが原因ではないと思うんだよね。
鉢伏山山頂
そして着いてみるとなんとも味気ない山頂標識。
いや、実は標柱はこの先にあったので間違ってもここで引き返してはいけませぬぞ。
圧倒的に太陽の負け。
落し蓋の様な空の下、鳥居を発見。
ロープが張られてて鳥居をくぐれない状態にしてあったのは謎。
そんなロープはまたいで、こちらが鉢伏神社です。
御祭神がどなたかは分かりませぬが、下山時の安全と潰瘍性大腸炎の回復を祈らせていただきます。
なむなむ。
さすが車で上がってこれる山だけあって、観測所みたいなハコモノ施設があるではないか。
さあ行ってみましょう。
偶然にもその手前に立派な標柱を発見。
あろうことかサングラスを忘れてしまったから、カラマツ帯を過ぎてからゴーグルを装着している。
ちなみにシェルや雨具なんかも忘れてモンベルの超軽量スペリオダウンジャケットだけを羽織るというね、なんとも舐めきった出で立ち。
まあ今回はうっかり八兵衛してしまったけど、それでも登れちゃう優しい山なのだ。
麓は驚くほど雪がない。
新潟の山だと見下ろす田畑すべてが銀世界になって圧巻なんだけど。ちと物足りない。
観測所の屋上の手すりには極小のエビの尻尾ができてたよ。
晴れてたら北ア、八ヶ岳の大パノラマだったんだろうけど、無念じゃ。。
下山開始すれば晴れる
そして帰ろうとすると晴れてきた。
これはサンゴですか?
さて、2025年はどんな年になるだろう。
2024年はとにかく忙しかったから、仕事の分担を見直してたくさん周りに業務を割り振ろうと思っている。
各自の成長にも繋がるし、結果的に自分の仕事量を減らしていこうというのが目標です。
そもそも自分なんかが丸抱えで必死にやるより、部下の皆さん方がよっぽど優秀だからいっそ任せちゃった方がパフォーマンスは上がると思ってます。
いつでも引退できる様にしときたい(笑)
今シーズンの雪山登山はどこに行こうかなといろいろ探すけど、雪山ってアプローチが長いからね、潰瘍性大腸炎みたいな病気にかかるとなかなか難しい。
去年は爺ヶ岳が絶景過ぎて感動したけど、コースタイム長かったもんね。
とりあえず病気を理由に無理はしませんとだけ宣言しておきます。
遅れてやって来た青空。
さすがに眺望は良くならないけど、それでも最後に当たりくじを引いた感じ。
トレースを外れて霧氷へと伸びる足跡が一つ。
せっかくの雪山なんだからもふもふの新雪の上を歩きたくなる気持ちも分かる。
美ヶ原の王ヶ頭もよく見える。
正面に美ヶ原を見ながら下山。
美ヶ原のスノーハイクはビーフシチューとセットにすると楽しみが100倍になります。
日が差し込む中、ちらほらと雪が舞うのが綺麗だった。
やっぱり先におしるこを食べといて良かった。
うさぎの足跡。
こちとらわかんでも沈むというのに、こんな小さなつぼ足でなぜ沈まないのか不思議だ。
やっと晴れてくれたから立ち去るのが惜しい。
そしてフイルムシミュレーションASTIAで切り取る雪山の青空が映える。
空気が美味いぞ。
扉温泉までは4.5km。
その前には長い長いカラマツの森が待っている。
ゲンナリするぜぃ。
鉢伏山荘よ、さらば。
下山してる途中、ザックに何本も小枝を差した女性二人が登ってきて、「日帰りですか?」と聞かれた。
鉢伏山荘は宿泊客に途中で薪を拾ってきてほしいとお願いしてるらしい。
ここの山荘は定員10名と少ないけど、女性二人も特別感があるから浮かれてる感じだったな。
羨ましい。
日帰りの自分には扉温泉檜の湯が待っている。
さて参ろうぞ。
楽しい山に出会えた旅だったな。
山頂を振り返ると、最後の最後に青空と山頂の写真が撮れた。
いい加減、振り返り過ぎだからこれがラストね。
さあ、カラマツが口を開けて待っているぞー。
きょわい。
杉やヒノキに比べたらそりゃカラマツの方がいいよ。
いつもそう思っちゃいるけど、さすがに今日は長すぎ。
もう飽きた。
とは言えこの森に突入しないと帰れない。
そう言えば、登ってるときにこのカラマツの森で緑のたぬきを美味そうに食べてる人がいたな。
そういう冬山の遊びもいいもんだよ。
特に大腸を患ってからはインスタントを食べないようにしてるから余計に美味そうに見えた。
カラマツを抜けたら次は沢沿い。
ここまで来たら惰性でも着いちゃう距離だ。
今回が1ヶ月ぶりぐらいの登山になったけど、20km以上のランニングをちょいちょい敢行してるから余裕だろうなと高をくくってたわけだけど、やっぱり登山ならではの疲労感はしっかり残った。
翌日、しっかり筋肉痛にもなったし。
当たり前だけど使う筋肉がぜんぜん違うからね。
気付いたらスノーバスケットが無くなってたから50mほど登り返して無事発見。
意外とコレ高いんだよね。
たしか1000円ぐらいだったと記憶してたんだけど、Amazonで見てみるとブラックダイヤモンドのこれがなんと1.800円もしてマジでびびった。
円安?物価高?
いやいや、ただでさえ雪山装備って高いのに、これ以上値段が上がったらこれから始めようって人にとってはかなりハードル高いよ。
まあ自分はほぼ楽天ポイントで集めたけど。。
すごい時代になったな。
改めまして、スタバなんてぜったいに行かないぞっ!ベローチェLOVE。
眼下に林道があることを確認できたのは黄色の車が目立ったから。
雪山で黄色って発見されやすいんだね。
ついつい青や黒とかを選びがちだけど、ヘリからだと黄色が見つかりやすいと覚えておこう。
林道の凍結ポイントを過ぎて明神館の手前でチェーンアイゼンを外したよ。
雪の量が少ないとよく下山中どのタイミングでアイゼンを外すか悩むことがあるけど、さすがに長野は里山であってもそんな悩みとは無縁だね。
下山がハイペースだったから腕まくりして歩いている自分にとって暖なんぞ不要。
暑いんだぜ。
明神館は高級旅館なだけに立ち寄り湯はできません。
指くわえて前を通過。
こんな山奥なのにEVステーションだって完備。
すげー。
檜の湯
この地図の通り、明神館のすぐ近くに「檜の湯」があるから、ボンビーハイカーはそっちへ行きましょう。
登山者用駐車場から50mの距離に檜の湯はあるからね、とても便利。
しかも安かったな。400円だったかな。
でもね、
シャンプーとかボディシャンプーも無いなんて聞いてないよー。
まあ軽く汗を流せたらぜんぜんそれでいいんだけど。
振り返って
おしることぜんさいの違いを知ってますか?
答えは
おしるこはこしあん。
ぜんざいは粒あん。
この答えをあたしは言い当てたよ。すごくない?(自画自賛)
まあそれだけぜんざいが好きで普段からよく食べてるというのが前提にあります。
ぜんざいが好き、おしるこが好き。
五竜山荘のTシャツ風に言ってみました😎
ちなみにきちんと調べてみると、関東ではぜんざいとおしるこの使い分けなんてされてないらしい。
でもなぁ、こう言っちゃなんだけど、関東って全国から人が集まってる訳で、物を知らない人が増えた結果だと思う。
地方では使い分けされているというのなら、それが常識として、文化として残ってるだけのことだと思う。
言い当てたもんだから強気です、ええ。
ぼた餅とおはぎの違いを知らないのと同じなのではと思うわけです。
しかしそうやって区別する必要もないのかもしれないなぁと。
今後はますますそうやってより合理的に、時代に合った言い方に変わっていけばいいとも思う。
であれば、さっさと言い方を統一してほしい。
外国人は2つ覚えなきゃいけないし。
なんか…、いつもこんなこと言ってるなぁ。
はい、そんなわけで鉢伏山山荘のはぜんざいでした。
まだまだ寒い冬。
今年は2月から暖かくなるみたいだけどほんまかいな?
暖かくなると嬉しい反面、
あの恐怖の大魔王「花粉」がいつもより早くやってくる。
恐ろしや恐ろしや。
ちなみに鉢伏山の2週間後の話を先にするけど、2月から暖かくなると言っておきながら今季最強寒波がやって来たのです、2月7〜8日に。
そんな警報級の大雪の翌日に中央アルプスの将棊頭山に登ってきました。
そして2.300m付近で撤退😭
わかん履いてても深い新雪にズボるところもあったしね、ほんでタイムオーバー。
風も強くて凍傷にならない様に必死に肌を隠したもんね。
やはり冬山は手厳しいなぁ。
鉢伏山は楽しかったなぁ。
ではでは