荒船に乗ってどんぶらこーー!!!
そ、し、て!
ズミが満開、クリンソウも幕開けゼヨ!!
さあ、大船に乗ったつもりで新緑の大海へ繰り出そうぜ!!
5月末から6月、荒船山が旬を迎える最高のタイミングで登ってきたよ!
荒船山は群馬県下仁田町と長野県佐久市に浮かぶ航空母艦の様な山。
クレヨンしんちゃんの作者が滑落死してしまったマイナスイメージのある山だけど、実際には登山道はよく整備されて危険箇所は無いし、標高差も距離も大したことないファミリーハイキングに最適な山。
そして山頂からは超絶絶景!
何より特徴的な山容は、内山峠を車で走ってて目を奪われない人はいないよね。
山頂はズミのパラダイス銀河!(しゃかりきコロンブス!!)
今回歩いたルートは内山峠登山口を起点にしたピストン。
実は今回の1ヶ月前にも登ってる荒船山。その時は相沢登山口からだったんたけど、途中で雨が降り始めちゃって、このコロナ禍で下手に風邪ひいて周囲を心配させても良くないなと思って山頂まであと少しってところで引き返したのさ。
結果的に、荒船山が最高のシーズンを迎えたタイミングで再訪できて良かったよ。
ズミの花だけではなく、クリンソウも咲き始めたし。クリンソウと言えば日光の千手ヶ浜の群生地が有名だけど、そこの群生地は半端ないから行くべし!
山頂からはこの絶景!
荒船山は日本二百名山、標高1,423m。
あそぼ~よパラダイス♪
ルートとコースタイム
■2021年5月29日 ※カッコ内は標準コースタイム
内山峠登山口⇒(115分)⇒トモ岩⇒(35分)⇒荒船山山頂⇒(25分)⇒経塚山山頂⇒(55分)⇒トモ岩⇒(95分)⇒内山峠登山口
コースタイム:5時間25分(休憩含まず)
総距離 9.2キロ
累積標高差 780m
荒船山登山 本編
内山峠登山口から登山開始
いくつかある荒船山の登山口の内、今回は恐らく最も定番だと思う内山峠登山口からのピストンを選択。
定番コースで天気も良いし、朝到着した時には既に駐車場は満車。縦列駐車でなんとか道路脇に停めて出発だ。
YAMAPやヤマレコを見てると、この内山峠以外だと荒船山不動尊から登る人が多いみたいね。
ちなみに前回登った相沢登山口からのコースだと、木彫りのオブジェが次々と登場してくる楽しみもあるよ。
さて、登山開始。
今日はのんびり歩きながら新緑を楽しむというのが目的。
あちき、いつもみたいな汗クサびちょ男になんてならないっ!
と高らかに宣言してスタートだ。
軽めに行くぜ、軽めに。
地図があったので、こちらをご参考にどうぞ。
今自分がいるのが内山峠。トモ岩を経由して荒船山の最高点経塚山までのピストンさ。
登山口にはこの地図とその横に杖も置かれてたので、ファミリーハイキング向けな山である証拠だね。
荒れた海への大航海は水平移動から幕開け。
朝食べたチーズバーガーとおにぎりが軽くもたれてるからかたじけねぇ!と涙目になりながらこの爽快な新緑のトンネルを進む。
しばらく横移動をしながら荒船山本体に近づいていく感じ。
新緑の傘に隠れる荒船山見っけ。
見るからに標高差は少ない。
山の異様な姿から、あたかも体力自慢が集まるマッチョ山かよ!と思ってたけど勘違いなのねん。
ミツバツツジもわんさか咲いてる。
内山峠から600m歩いてきて、山頂まで残りわずか2.7kmという距離。
こりゃすぐに終わってしまうなと、意識してゆっくり歩くよ。写真も多めに撮りながら初夏の荒船山を満喫するのだ。
それまでの横移動が嘘みたいな登りがたまに出てくるから気をつけろ!
荒船山、更に近づいてきた。
こんな町中にありそうな柵もでてきて安心極まりない。眠ってしまいそうだ。
ラショウモンカズラ。
巨岩が現れた。これが艫岩(ともいわ)か?と思ったけど違うみたい。
それにしたってデカすぎて全容が分からない。このすごい岩盤は溶岩が固まった物みたいだよ。
大きい。16mmの広角レンズでもさっぱり収まらん。
妙義山や立岩、ここら一帯は下仁田ジオパークと言ってその昔大規模な噴火活動があったり、カルデラが形成された場所。
上信越道を走ってると奇岩怪石のオンパレードなのはそのため。
水平歩道から登りが出てきたり下ったり、だんだん忙しくなってきた。
そんな登ってるのか下ってるの分からなくさせる荒船マジックに錯乱しながら歩みを進める。
きっと登ってるんだろうな。
山頂は見事な平頂峰。苗場山や田代山と同じだね。
あの稜線が山頂だなんてちょー楽しみ。
クワガタソウ。
緩やかに下っていく。やはり登っていないのか。トリッキーなプレイで撹乱させる荒船マジックにパニクルーだぜ!
たとえ登ってたとしてもだ、下山では地味な登り返しの連続だと覚悟しておこう。
よっ、お見事!新緑シーズンの到来を感じさせる荒船山の原生林。
この原生林の森は駐車場からずーっと続くから、きっと紅葉シーズンも絶景なのは間違いない。
秋に訪れて、帰りにじいとばぁに寄って帰るのも良さそうだね。
一杯水に到着。
登山者は必ず一杯口にしたことから名付けられたそうだ。
ではいただこう。
遠っ!!
橋から一杯水までの距離が遠すぎて、とても手を伸ばしても届かないという悲劇。
橋から下りて岩をつたって汲みに行くのもリスキーたからやめとこう。とんだ一杯水だ。
ちょっと岩場がでてきた。でも注意が必要なのはここぐらいだったよ。
ロープも設置されてたし難易度は低いんだけど、岩場が少し濡れてたから慎重に進みたい。
でました、マツダランプ!!
忘れもしない谷川主脈縦走でたくさん見かけたマツダランプ。あの縦走はほんと暑くて長くて大変だったけど絶景の大安売りで、快晴にも恵まれたし最高の山行になったなぁ。
6月末に歩いたけど暑すぎたから、5月中旬から6月中旬までがお薦め。
マツダランプに気を取られてたら、足元にヘビがいてビビったけど無毒のジムグリ君でほっとしたよ。
臆病なヘビで慌てて逃げていった。
毒のあるマムシとヤマカカシだけは覚えといた方が良いよ。どちらも遭遇率は高いし、あまり自分から逃げようとはしないからね。
この葉っぱ。芋の様にも見えるけどどこかで見た覚えがあるんだよな。
もしや、クリンソウかいな?
荒船山山頂は切り立った崖
気づけば「荒船山山頂」と書かれた山座同定盤のある見晴台に着いたよ。
呆気ない。
山頂が真っ平らでどこが山頂か曖昧なのが荒船山の特徴だね。
大漁旗持ってこいやー!素晴らしい眺め!
奥にうっすら見える山は浅間山。そして手前の山間を走る道路が内山峠を走る国道254号だ。
高所恐怖症だから覗き込む気になんてなれないけど、背の高さを生かして腕を目一杯伸ばして真下を撮ってみた。
一気に200m以上切れ落ちた崖。落ちたらまず助からない。何人か亡くなってる方がいるけど、決して覗き込もうとしないでね。
クレヨンしんちゃんの作者もここから滑落して亡くなられたのは有名な話。
クレヨンしんちゃん、ドラえもん、サザエさん、作者が亡くなっても名作は他の脚本家達によって絵描き続けられることを知った。
ドラゴンボールも魔人ブウを倒して終わったと思いきや、なんかよく分からないドラマ設定で続いてて「終わってないのか!」と理解がついていかなかった。鳥山明生きてるのに止めなかったのか。
もはや読む気にもなれん。
浅間山ズーーム!!
そしてこっちは榛名山。
伊香保温泉や水沢うどんの水沢山がある山ね。榛名山は冬に登ったら榛名湖が凍っててなかなか楽しめるよ。氷が割れて落ちても自己責任でよろぴく。
左の影が艫岩(ともいわ)。
そして奥の山脈が八ヶ岳でポコンと頭が出てるのは蓼科山。もうすっかり雪は解けたみたいだ。
ズミのトンネルと経塚山山頂へ
景色を楽しんだら経塚山(行塚)へ行ってみよう。
経塚とは、釈迦の死後国の乱れを危惧して仏教の教えを忘れないため、写経し経筒に入れて土に埋め、盛り土をした場所のこと。
古墳のことを調べてたら経塚のことを知る機会があってタイムリーなネタだった。別に詳しい訳ではないんどけどね。
てな訳で、きっとここも経筒を埋めた歴史の山なんだろうね。
ここから経塚山の分岐までは1.2km。
ここからが荒船山らしさの真骨頂だ。
沢が優しく流れている。まさにクリンソウが群生するのに最適な環境だ。
この奥の方にクリンソウが咲いていればいいんだけどな。
肉眼では確認できないから、帰りに立ち寄ってみよう。
ヤマツツジもちらほらと。
初夏の日差しに照らされて鮮やかさを増す。咲いてる量は少なかったけど、それでもツツジの朱色は新緑の中で映えた。
そして現れるズミ。
初めて見る満開のズミ。桜とも違う落ち着いた華やかさを兼ね備えているが「ズミ」という名が損させているのだろう、あまり話題には上がらない花だ。
イズミ、アズミ、コイズミ、オオイズミ、そんな名に改名してはどうだろうか。誰に言えばいいんだ?
もっと、もっと、もっとーちょーだいよー!!(ジャルジャル ※知らない人はYouTubeて見るべし!!必見!)
ズミの満開パラダイスシティだ!
そしてどこまでも平らな山頂!
ズミやクリンソウ、そしてヤマツツジが飛び込んでくる。
思わず走り出したいトレイルが続く。
突然出てきた立て看板を読むと、「皇朝最古修武之地」なる石碑があるとのこと。
信州諏訪神社に対して香取神宮と鹿島神宮の連合軍が戦になりかけたのを天照大神が孫のニニギを遣わせて和議を結ばせた。それを記したのが「皇朝最古修武之地」なんだってさ。
何の伝記かは書いてなかった。古事記かな?
それがこの「皇朝最古修武之地」の石碑。
こんなのも折角だから見学しとく。
クリンソウ群生地に到着。
まさかの一輪も咲いてないという奇跡。
そんなはずでは!
気を取り直して真っ平らな山頂を新緑ハイキング。
ここが山頂だなんて信じられへん。
そしていよいよ登りが始まった。
経塚山への登りだ。とは言え100mも登らないんじゃないか。
歴史ある経塚の山。
山頂のミツバツツジも満開。
なかなか味のある山頂の標柱。
眺望はゼロだったか。
経塚山にあった祠で、マイブームの琉球訛りで下山の安全もお願いしておきまショウネー。
クリンソウの群生を求めて沢へ
雲ひとつない青空。
風は強めなのがまた涼しくて気持ち良い。
とっとと経塚山を後にし、再び真っ平らな山頂を沢沿いのクリンソウが咲いてそうなところに行ってみる。
「自道」ではない。自然歩道の「然歩」が消えてそう見える荒船あるある。
これだけズミが満開だとまるで桜の様だ。
最高だ。
これで沢にクリンソウが咲いてたらラッキーだな。
咲いてたYO!!
クリン星へようこそ☆
まだまだ満開には程遠いけどクリンソウは咲き始めてた!
ひーひっひっひっと、気色悪い笑みを浮かべながら近づく。
なんだあのおっさん、笑みを浮かべながら登山道を逸れて茂みの奥に入っていく、やばくね?
と、謎に思った他の登山者も後ろから付いてきてはクリンソウを目の当たりにし、無垢の巨人と同じ様によだれを垂らして歓喜の笑みを浮かべている。
しかし、まだまだ最盛期には程遠い。
気の早いツボミがフライングしてる程度だ。
引いてみてみれば超まばらにしか咲いてないのが分かる。
という訳で再びアップで誤魔化す。
最盛期に訪れたらきっと感動するんだろうけど、今日はズミが満開だったし新緑も楽しめたからこれで良し。
やはり春山登山は最高だ。
ピストンでゲッザーン
さて、ゲッザーンするぜ。
登りで下ったところが何箇所かあったから登り返しが出てくるぞ!と覚悟したけど、行程が短く疲れてなかったからなんてことなかった。
分かりにくいけど、時折視界が開けるところから八ヶ岳の全貌が覗けた。赤岳にまだ少しだけ雪が残ってる程度。
そろそろ赤岳でのテント泊も良さそうな季節になった。オーレン小屋でのボルシチ企画も捨てがたいから、どっちにするか迷っちゃうけど欲張らずにじっくり楽しみたい。
さあ、駐車場が見えた。
そりゃ登山者が多いわけだよと納得の荒船山登山だったよ。
振り返って
クリンソウの群生地と聞いてやって来た荒船山だけど、実は1ヶ月前にも登りに来て撤退してる。
その時は相沢登山口から登ったんどけど、途中で雨が降ってきてしまい、このコロナ禍で下手に風邪を引いて周りに心配させるのは良くないなと思い、とっとと撤退を決めたのさ。
相沢登山口からのルートは途中に木彫りの動物たちが次々と現れて面白いルートだった。
今回は定番の内山峠登山口からのピストンで歩いたけど、相沢ルートもなかなかお薦めです。
荒船山以外でクリンソウとズミの名所と言えば日光の戦場ヶ原。
荒船山の標高は1,423m。戦場ヶ原は1,400mでほぼ同じ。どちらも昔は火山帯だったし、清流が流れる環境も同じだし、そんな共通点が見つかったよ。
戦場ヶ原の千手ヶ浜のクリンソウ群生地も6月初旬には満開を迎えるはず。
お薦めはメインの群生地から少し離れた千手ヶ浜の奥の清流ポイント。きらきら輝く沢にクリンソウ達、感動の絶景が待ってるよ!
あとは梅雨空だけが心配だね。
ではでは