ペラ田ペラ男の短所探しの旅は続く。
完璧な晴れ予報を信じて訪れた裏那須はまさかのOh!クラウディあぁ〜な天気に震えが止まらないペラ男。
しかし天気が悪くてもその魅力を遺憾無く発揮する裏那須縦走路にさすが!と感動しながら流石山に到着。
前回の続きで今回は流石山から大倉山を経由して三倉山までです。
流石山からは長大な縦走路
流石山から眺める大倉山までの長大な縦走路が続く。
ここまででも最高の稜線だったというのにだよ、ここからが本番なんだからすごいことだ。
右を向けば会津の山々。
なんていう山かは分からない。
前方を歩くソロのおじさんがベテラン風だから山頂に着いたらいろいろ聞いてみよう。
少しずつ雲が切れてきて青空が垣間見えるようになってきた。
これで晴れてくれたならもう言うこと無い。
森の木々たちの冬支度は万全。
11月だというのに雪が積もらないという事実を木々たちも不思議に思っているに違いない。
念のためにチェーンスパイクは持ってきたけど出番はなさそう。
この先のピークが大倉山。
ここからが本日のメインディッシュ。
麓に日が差し始めた。
はやくこの稜線も照らしておくれー!
すると三倉山の山頂にだけ日が差す。
そっちではない。
熊笹で足元が見えにくいけど、ところどころぬかるんでてお気に入りのASICSゲルトラブーコちゃんはお歯黒レベルで真っ黒。
おお〜、とうとう日が差した。
太陽は偉大だ。熊笹すら光り輝かせすべての景色を極彩色へと変える。
きっと今の自分も輝いている。
しつこいぐらい似た写真をアップしてるけど、とにかくこの稜線歩きが心地よい。
風が少し強い予報だったけどだいぶ和らいでくれたのも大きい。
右奥の大倉山がみるみる近付いてくる。かもん。
左を向けばダム。
この大自然の中になんてもの造ってくれたんだ。ガッカリするだけだからあっちはもう見ないぞ。
遅ればせながら、ホークスのアドバイザーに就任した城島健司の愛称が「ジョージ・マッケンジー」だということを最近知った。
愛称を考えた人のセンスというか、むしろ親の名付けのセンスがレベチ。
愛称まで読んで名付けたとしか思えないもんね。
自分の名前も外人風に変換できないかいろいろ試してみたけど無理だと悟った。
晴天に恐怖する
高気圧よでかした👍️
初めての裏那須が阿鼻叫喚な地獄絵図で終わる危うさも少し覚悟してたけど心配は杞憂だったようだ。
ここまで晴れるとは。
裏那須はしばらく先延ばしにしてきたわけだけど、結果的に天気にも恵まれた。
ただ自分は運なんてものは結局トントンで終わるということをこれまでの経験で熟知している。
なにか悪いことが必ず起こるのだ。
更にツイてたのが、なんとこの翌日から雪が降って秋山を楽しめたのは今日が最後だったという幸運。
これは…かなり大きなしっぺ返しが襲ってくるぞ。
悪条件は揃った。
考えられるしっぺ返しは、
次の登山でゲリラ豪雨に遭うとか、
いい歳してうんこ漏らすとか、
突然熊が現れるとか、
だいたいこれまでのパティーンはこんな感じなんだけど。
一体どんな悪いことが襲ってくるのか。
こんな絶景を前に、自分は今見えない恐怖に怯えている。
なんだ、日が差せばダムすら気分良く眺められるんだな。
人の営みでダムは必要だよ、うんうん😂
これはダムではない。
池塘に映る青空と羊雲がなんとも和むではないか。
大人の休日はこうでないと。
この熊笹の縦走路が飽きずにずっと見ていられる。
潮干狩りで採ってきたアサリが水管から勢いよく潮を吹く様子をずっと見ていられるのに似ている。
そう言えば冒頭で渋い男を目指すとか言ったけど、アサリの潮吹きを飽きずに見ていられる男が渋い男になれるわけがない。
もういいや。
おー、これは今日一番の絶景だ。
やはり秋ナスはサイコーだ。
いよいよ大倉山への登りが始まった。
いつもならこの辺りでバテがきてダメ田ダメ男になるのが定石なんだけど、今日の自分はまだ元気だ。
足に疲労は微塵も感じない。
こんなことあるのか?
自分が一番信じられない。
ちなみにこの大倉山の熊笹は藪化してて難敵だった。
熊笹にも泥が付いてるらしくズボンの裾までお歯黒化していく。
たまらずズボンをまくし上げてスネを露わにした状態で熊笹を掻き分けていく。
このアホな判断のせいでスネは傷だらけとなり、この後の風呂でめちゃくちゃ滲みた。
今思えばズボンなんて洗えば済むだけの物じゃないか。体を傷つけたら元も子もない。
何のための長ズボンかをこの歳になって初めて知るという自分のアホさに呆れる。
まさか晴れた代償ってこれ?
これまで歩いてきたルートを振り返るとここら辺だけほぼ藪漕ぎだったというのが分かってもらえると思う。
でもこの藪漕ぎはそれほど長くはなかったからまだよかった。
まあ帰りも通るんだけどね…。
大倉山から三倉山へ
大倉山に到着。
よくもこんなに晴れたなぁ。
雲が散ったとは言えさすがに富士山までは見えない。
さて、次はラストピークの三倉山だ。
今の自分は元気だ。
余裕で山頂に着けるはずだ。
前進前進だ。
奥に見えるピークが三倉山。
実際には写真で見る以上に近くに感じられると思う。
秋の空だなぁ。
今年は猛暑の影響で紅葉の始まりが遅かったけど、冬はしっかり寒くなるみたいだから今から憂鬱だよ。
今冬はデロンギでも買おうかな。
雪山の美しさは魅力的ではあるんだけど、やはり無雪期の方が山頂でゆっくりできるし濡れないし、圧倒的に好きだ。
冬が来るのが悲しい。
ただ雪が降ればこういうのも隠してくれるというメリットはある。
そして、
鹿の糞を避けたときに事故は起こった。
糞を避けて着地したところがぬかるんでおり、見事に滑ったのだ。
そして激しく足をひねった。
(なんとなくプロジェクトX風に読んでください)。
ボキッ
体の中で鈍い音がした。
これまで骨折は何度か経験してきたけど、それと同じとても嫌な音だった。
足を滑らせた瞬間「まずい!」と思ったときにはもう手遅れ。
その昔、フットサルをしてて腓骨という足首の細い骨を折ってしまい救急車で運ばれたことがあったけど、まさにあの悪夢が蘇った。
あの時は猛烈な痛みでまず貧血が襲ってきて、脂汗が止まらなかった。
痛くて立ち上がるなんてとても無理だった。
グキッではなく、ボキッ。もう終わった。
うん?
あれれ、今回は貧血してないぞ。
ん?
コイツ…動くぞ(伝説の名言)。
痛い!けど足をつける!折れてない!
マジあっぶねー!
いやぁ、本気で焦った。ひどい捻挫だったけど、折れてさえいなけりゃなんとかなる。
めちゃくちゃ痛い!けどただの捻挫!ラッキー!
ポールに頼って三倉山のピークまで行けるわ😂
アムロ行きまーす!
ガンダム知らない人は置いてく!
あとはあれを登るだけだ。
自分にはモンベルのULフォールディングポールという頼もしい相棒がいる。
実のところ足をひねった時にさすがに買ったばかりのポールを折るわけにはいかぬー!と少しかばってしまったという本末転倒な転び方をしてしまったのだ。
やはりAmazonで安いポールを買った方が雑に扱えて良かったのかもしれない。
すべてはボンビー性が招いた事故だったのだ。
晴天の代償はこれだったのか。
負傷した左足をかばいながら、
「きっちり耳そろえて払ってやったぜぇ」
と謎の笑みを浮かべる。
そんなアホな思考に陥りながら「登りでは足へのショックが少ないから余裕だぜ」とかブツブツ言っている。
まあそれはともかく、問題は大峠への下山に足が耐えられるかどうか。。
山頂に着いたらロキソニンの湿布で痛みを和らげなくてはいけない。
冒頭に書いた通りだけど、隣が那須岳だから多くのハイカーはそちらへ流れてしまい裏那須はとても静かだ。
恐らくここを選ぶハイカーは周辺の山を登り尽くして漂り着いたという感じだろう。
今自分の背後からえっちらおっちらやって来るソロのおじさんもきっとそうなのだ。
だとしたら裏那須の達人かもしれない。
勝手にこの近辺の山に詳しいんだろうな、そう思っていた。
だがぜんぜん違った。
「いやぁここが最後のピークじゃなかったらどうしようかと思ってましたぁー」
と聞いた瞬間、山頂で周辺の山情報をいろいろ聞こうと思ってた気は失せた。
どうもモンベルやファイントラックで一式揃える方を見ると玄人に見えてしまいがちだな。
前進前進だ。
テレビ新広島の「西村キャンプ場」の挿入歌で使われる奥田民生の「股旅(ジョンと)」を聴きまくっているため自然と「前進前進〜♫」が口をついてでてくる。
10:30
山頂の標柱が自分の墓石にしか見えない。
ぜんぜん無事じゃなかったけど根性だけで登ってやったぞ。
すかさずザックからテーピングとロキソニンの湿布を取り出して治療に取り掛かった。
最後に蛇足
登山で怪我はつきものだけど、以前から足の骨折や捻挫が怖いから必ずロキソニンの湿布とテーピングだけは忘れずに携行している。
他にもお腹が弱いから胃腸薬。それに風邪薬、頭痛薬。それと使うかどうかは別にしてトレッキングポールは必携。
安全にというか、他人に迷惑は掛けたくないからね、多少荷物は増えるけど備えは万全にしておきたい。
なんか珍しくちゃんとしたこと書いてるけど、ほんとの気持ち。
体がでかいから要救助者になるわけにはいかないのだよ。
では、涙の下山編へ続きます。