【栃木】太平山 雨と晴れのサブリミナル登山 桜吹雪と名物の団子と玉子を喰らう旅

【栃木】太平山 雨と晴れのサブリミナル登山 桜吹雪と名物の団子と玉子を喰らう旅

桜の名所、栃木県の太平山(おおひらさん)に2週連続で訪れたという呆れたおっさんのお話です。

むかしむかし「4月といえば桜の花見登山なんじゃあ〜」と職場でも触れ回ってしまうほど浮かれたおっさんがおったそうな。

花見しながら団子食うてな、うほっ。

太平山の名物の玉子焼きを食うてな、うほっ。

桜を見上げてぐびっと一杯やるんじゃあ〜(下戸だからカルピス)。

 

あ〜春は忙しいぜー。うっほほーい

 

低山からものすごい早さで春色満載になっていくから週末は無駄にできない。そんな感じで4月は徹底して観光登山を楽しむ!というのが毎年のルーティンになってるんだよね。

そして、今回は前々から狙いをつけていた栃木県の太平山なんだけど、ここはそもそも登山とは関係なしに栃木の方々には有名な桜の名所で、まあ折角だから山歩きもついでに楽しんじゃえと馳せ参じてきた次第っスー。

 

青空にバイエルン~(映える〜)。

 

やはり桜のバックは青でなくてはならないね。

 

白であってはならないのだよ。

 

これを身をもって伝えたいがために、わざわざ天気が悪い日を狙って歩いてきた。わざわざね

今のは猛烈に嘘なんだけど、ちょうど満開を迎えたタイミングの土日が無情の雨で観光客はごくわずか。

 

この日に向けて気合いを入れてきたであろう観光案内のおっちゃん達なんてマジで死んだ魚の目をしてたよ。

 

自分もこのままじゃ浮かばれん!という思いもあって、翌週、懲りずに再訪。

 

我ながらほんともの好きだなと思ったけど、おお、これじゃ!これが見たかったんじゃー!ガ~ハッハッハ!とハッスルしてきた。

 

そんなわけで、花見だんごの旅です。

 

やっぱ4月は観光登山。一択でしょう。

では

 

太平山 桜の花見登山本編

大平下駅から雨の太平山へ

3月25日土曜日。

しのびよる春の足音に浮かれすぎたのかもしれない。

例年より開花が早いらしく、急遽前倒しされた「太平山さくら祭り」へ慌てて繰り出して来てみれば、まさかの雨。

ここ東武線の大平下駅に着いてみれば、恐ろしく暗い太平山が鬼が潜む山に見える。

 

雨が降りしきる中、東武線の新大平下駅から、JR大平下駅の前を通って太平山登山口へ。

昼頃から雨は上がるらしいんだけど、まったくそんな素振りは見せない雨雲ちゃん。

春の足音は雨音に負けた。

 

大通りを歩いてると、車からの視線が痛すぎる。

「レインウエアなんか着て、アイツ浮かれてんな」

「ばかな奴がいる」

そんな視線が痛くて、1つ裏の通りを歩くことにした。

春だ春だと、観光登山だと浮かれすぎていた自分が恥ずかしい。

 

ここら辺は茂木さんの選挙地盤なんだなーと思いながら、政治家ポスターだらけの路地に辟易しながら進む。

自民党には絶対票は入れないぞ。

 

客人神社から登山開始

ここが登山口になる客人神社。客人と書いて「まろうど」と読む。沖縄風できゃくんちゅうではない。

 

ちなみにここまで、コンビニはセブンが一軒あったよ。寄らなかったけど。

 

さて、上がるはずだった雨は相変わらずザーザー。

雨の中、足を上げる動作がとても億劫に感じられて、ここで帰ろうか悩んだ。

栃木駅周辺の銭湯にでも入って、スーパーで焼き芋でも買って帰ればいいじゃないか。

 

いや、太平山〜晃石山の周回はやめて、せめて桜ぐらい見て帰ろうかと一歩を踏み出してみれば、果てしなく続く石段に意気込みは折れた。

まあよく見ればしっかり左にトレイルが出来てる石段アルアル。

 

力強い幹も、雨に濡れるとますます筋骨隆々になる。

桜が出てくるまではちょっとでもシャッターチャンスになりそうな所をつぶさに拾っておかないと、ブログにならない。

 

軽く一山越えれば見えてくる太平山。

ガッスガスだな。

 

なおも濡れた石段が続く。

低山とはいえ、さすがにレインウエアを着て歩き続けていれば汗をかく。

中がびちょびちょになるのは避けたいから何度も足を止めて体温が下がるのを待つ。

その間、ただ雨に濡れる。

再び歩き始める。

また足を止めて体を冷やす。

雨に濡れる。

歩き始める。

 

そんなことを一人で繰り返す。

春に浮かれすぎたからこんな目に遭ったんだ。

 

満開の桜

薄暗い駐車場に出た。

さくら祭り開催中はここの駐車場は有料で、何時間か待つ日もあるらしい。

土曜でこの閑散ぶりはさすがに痛々しいではないの。

 

 

はい、カーーット!!

ここから、この一週間後に訪れた様子と交互にお伝えする。

 

青空と桜吹雪

1週間後の4月1日。

再び太平山へやって来たぜぇ〜。ここは枝垂れ桜で有名な太山寺のすぐ近くにある駐車場。

さくら祭り開催中も無料の駐車場。そして、日陰になってるところを見てもらえば分かるけど、すでに桜吹雪がすごいのよん。

もう今日がラストチャンス。

 

太山寺から太平山神社の参道を歩くのは骨が折れる。トレイルがあったのでそっちで上がることに。

あとで書くけど、一週間前に参道は歩いてるからね。

 

トレイルを進んで林道と合流すれば有料駐車場が出てきた。

観光地化された山だから駐車場が至るところにあるんだけど、1週間前とは別世界でどこもかしこも混んでる。

 

先週の雨に震えた登山とは雲泥の差。

青空が気持ち良すぎるけど、浮かれればたちまち暗雲が垂れ込め、この幸せそうな世界は一瞬で破滅へと向かってしまうだろう。罪なき観光客を巻き込むわけにはいかない。

もう自分は浮かれないぞ。

自制せねば。

 

 

さあ、再び一週間前にもどろう。

 

有料駐車場を過ぎると、食事処が軒を連ねてるんだけど客は皆無。

猫がベンチの下で雨宿りしてた。

客が客を呼ぶと言うけど、閑散としてたら寄る気が起こらない。

 

薄暗い中で咲く満開の桜は死んだも同然。

背景はガスに煙る死んだも同然の栃木市街。

これは一体なんの刑罰か。

 

悪天候の時こそ絶景を撮影するチャンスって言えちゃうプロカメラマンの様な発想力や腕前も持ち合わせちゃいない自分は、もはや奴隷のごとく希望を失った目で桜を眺めていた。

 

開花が早まったから開催期間が上書きされてるけど、当初の予定通りで開花が進んでたならピーク時に雨にもならなかっただろうに。

 

観光案内所に立ち寄ってみると、係のおじさんおばさんは肩を落としてたけど、

「太山寺の枝垂れ桜は満開だからそこにはぜひ行ってほしい」

と言われた。

 

ナイスな情報だ。こういうのが有り難い。

 

本来なら晃石山と太平山の周回ルートでウキウキハイキングの予定だったけど、こんな雨なら太平山だけでさえ歩きたくない。

まあでも、太平山だけでも登っておこうか。

 

ツバキにはなんとか系とかなんちゃら系とか、いろんな系統に分かれてて花の咲き方もそれぞれ違うんだそうだ。

悪天候のせいで説明にも力が入らない。

 

無人の太平山神社に到着した頃、ようやく雨がやんだ。

しかも想像してた以上に立派な神社で、奴隷の目にも希望がでてきた。

 

太平山神社は827年に創建された、歴史深いところらしい。

 

雨も上がったし、山頂に向けて出発。

しかし、雨上がりの樹林からボタボタしずくが落ちてきてレインウェアはとても脱げる状況ではない。

あぢぃじゃないの。

 

歩き始めて10分、太平山神社の奥宮に到着。

 

このしめ縄は立ち入り禁止ってことではなくて、神社にありがちなここから聖域ということの結界。

おじゃましもぉす。

 

ここで20歳ぐらいのお兄さん二人組とすれ違う。

一人はスニーカーが滑るらしく「やっべ。マジやっべ」を連発しながら、もう一人の手を借りてそろりそろり下りてきた。

今日初めて見かけたハイカーがそんなもの好きな二人組というのも観光地らしいじゃないか。

 

自分も昔、似たようなことした覚えあるよ。

 

雨の山頂

さあ、山頂にある富士浅間神社に到着したぞ。

本当なら、大谷翔平の様にグローブと帽子を投げ捨てて喜びを爆発させたいところだが、おっさんにはそんな浮かれる元気なんて残されちゃいない。

 

静かに神社の裏に回ってれば、太平山の山頂の標識もちゃんとあったよ。

 

さあ、山頂からの景色でも堪能しようじゃないか。

まず北側。

ふむふむ。

 

東。

ふむふむ。

 

西。

360度視界ゼロなワンダフルワールド。

長友ばりのブラボーを超小声で吠えた。

 

南側の景色も言わずもがな。

わずかに見える樹林帯の隙間からはガスの白い世界。

こんな鈴ぐらいしか撮る物なんてない。

 

 

それにしてもめちゃ寒いと思いきや、9℃か。

歩いてると暑いし、これだから雨の日の登山はしたくないんだよ。

 

この後太平山神社へと戻り、静かに参道を下った。

 

 

さて、ここで再び一週間後の天国に時を送ろう。

 

なんだこの賑わいは。

雨の日でさえ立派に見えたのに、こんなに華やかだったなんて。

 

なんだこの極彩色は。

もはや奴隷の身分では直視できない眩しさと神々しさを放つ女王陛下の如き美しさ。

 

1週間前の奴隷登山を思い出すと泣けてくる。

あれは夢かロシアの破壊工作だったのかもしれない。

 

薄いピンクがまた素晴らしい。太平山神社の桜はちょうど満開という絶妙なタイミング。

 

食事処に行ってみれば観光客が次々と吸い込まれていくじゃないの。

その奥の有料駐車場には車の列ができてる。

 

並んでいる。嘘みたいな光景にほろっときた。

客が客を呼ぶからにはこれが並ばずにいられようか。

なんとなく緩いダイエット始めてるけど、今日はがっつり食ってやる。

 

折角だから花見しながら外で食べよう。丁度よくテーブルが一つ空いてた。

 

太平山名物の団子と玉子焼きと焼き鳥

太平山三大名物のだんご、玉子焼き、焼き鳥。

一週間前の自分よ、どうだ羨ましいだろ?

 

げぷっ。ここら辺は葉桜になってきたけど、ぎりぎりOKだなぁ~、げぷぅ。

風が吹くと桜吹雪の美しさに酔いしれる。そんな桜吹雪から団子を守る今の自分の浮かれた姿を一週間前に想像できただろうか。

 

慌てて食べたらもったいないから、ゴザの上で横になってしばらく桜を眺めてボケーっとする。

名物の玉子焼き、めっちゃ美味かったな。

 

ちょうちんが小さくてかわいかったよ。

 

目に余るっていう言い方がいいね。

 

さて、食べ終わったからそろそろ下山しよう。

恵まれすぎてて怖いぐらいだし。名残惜しいぐらいがちょうどよい。

 

1週間前に自分が体当たりで経験した太平山の事前情報とはまったく異なる桃源郷がそこにはあった。

世の中に影響ゼロの当ブログではあるけと、危うく誤った情報を発信するところだったことを世界中にお詫びする。

 

車道にも桜がたくさん咲いてる。

えっちらおっちら車道を歩いてても、晴れてるだけで嬉しい安い男に成り下がってしまったが構わない。

 

いざ行け、晴れた日の太平寺の枝垂れ桜が待っている。

 

真上も足元も咲いてるかのようだ。

 

車道の真上の桜並木。車を運転していたら見ることができない景色。

パラダイスやぁ〜

 

では、地獄の1週間前に戻る。

 

濡れた太平山神社の参道を下っていくと、突然パワースポットがでてきた。

自らパワースポットを謳うとはなかなかの傲慢っぷり。つか怪しい。

「洞窟よりパワーがもらえます」とな。

ふむふむ。

 

一歩踏み入れると、幻の剣術流派「太平真鏡流」発祥地との紹介があって、ますます怪しい。

 

ひ、ひー。

怖い。怖すぎるー!

 

これがその洞窟。

逆にパワーを吸い取られちゃいそうな雰囲気。

 

オンソラソバテイエイソワカ。

なんかやべぇ!

 

ぎょえーー!

 

オエェ―。

もう無理。逃げるように退散。

一体何が狙いなんだろう。夜に来たらマジびびる。

 

ほんと

何が狙いなんだ!

 

太平寺の枝垂れ桜

観光案内のおじさんがしきりに薦めてくれた太平寺にやって来た。

枝垂れ桜がきれいだと聞いたのに見つけられずに、墓場と桜のコラボ写真を数枚撮った。

 

ああ、あったあった!

おっきい!これで背景が青空だったら完璧だったけど、なるほどねぇ、こりゃ薦めるだけあるわ。

 

こんな見応えのある枝垂れ桜なのに、さっき変なパワースポットに立ち寄ったお陰で、どこかに白蛇が隠れているんじゃないかとつい探してしまうじゃないか。

 

ちなみに、なんでもない参道沿いにはニリンソウがわんさか咲いてたのにはぶったまげた。

雨だったからぜんぶ下向いちゃってたけどね。

 

そしてこれが一週間後のニリンソウ。

ほら、こんなに元気。同じ花とは思えない。

 

さあ青空の下、元気に咲く枝垂れ桜が待っている。行こう。

 

春の野原に咲く定番、ダイコンソウも元気いっぱいにきれいな紫を見せてくれている。

どうだ1週間前の自分よ、これが一週間後の実力だ。

 

では、お待ちどうしました。枝垂れ桜はすぐ近く。

 

はい、どぼぼーーーん。

 

嘘でしょ。どこいった桜?

まあ、だいたいいつもこんなオチだからもう驚かないけど、それにしてもここまで見事な枯れ果て方ってあるだろうか。

一輪も残っていない姿はあたかもハゲの惨状。

しばらくシャッターを切ることも忘れてしまった。

 

まあいい。

よくよく考えてみれば、どんなきれいな桜があろうともブサイクなおっさんはブサイクのままだ。

そんなブサイクを受け入れてくれた「太平山さくら祭り」に感謝しなきゃ。

 

 

さあ、そんなことより、そろそろ終わりの時間が近づいてきたようだ。

 

イヤだイヤだ!一週間前の自分になんか戻りたくない!いやー!!

 

諦めな。

 

いやだーー!!!

 

ああ・・。

終わりのない白い空に映えない校舎。国学院短期大学栃木キャンパスだ。

 

帰りは栃木駅まで歩いて、特急スペーシアで帰ろう。

 

橋の上で振り返る太平山。

この時は、1週間後また再訪するなんて思ってもいなかった。寒かったからもう懲り懲りって感じだったな。

 

もの好きなおっさんが、栃木の街を寄り道しながら栃木駅に到着。

 

この時だけは天国だった瞬間。

寄り道して小さなスーパーで買った焼き芋ちゃん。鬼畜糖度10000。

店頭で焼き芋を売ってるのを一度通り過ぎて、うーん、やっぱ寒いし焼き芋でも食べようと立ち止まるとちょうどJKとすれ違って、今引き返せばあたかもJKを追いかける変質者にしか見えないなと、わざわざしばらく立ち止まって距離を開けてから引き返すという、おっさんの泣けてくる配慮があったことをここで吐露しておく。拡散希望。

 

振り返って

花見しながら名物の団子や玉子焼きを食べられて、なんて贅沢な週末だったんだろうなぁ。

全運勢を使い果たしたかのような雲ひとつない快晴に恵まれ、ちと怖い。

危うく、雨に降られたことは記憶から抹消しかかってしまったけど、折角なので対比させながら書くことにして、奴隷となって彷徨った記憶が見事によみがえった。

そうか、この幸運は一週前の反動だったのか。

 

とにかく雨の日は寒かったという印象しかなかったんだけど、あの怪しげなパワースポットのこともご紹介できて満足。

夜には絶対近寄りたくないところだよ。

 

山頂は見事に眺望ゼロ。低山にありがち。

今回歩かなかった晃石山だけど、晴れてたとしてもこういう観光目的で縦走する意味ってあまり無いし、こういう日は徹底的にだらけるに限るね。

 

桜の名所は他にもたくさんあるけど、福島の花見山とかね、今年の桜前線の過ぎ去っていく早さにほんとびっくりしてて、びっくりしてる間に終わってしもた。

まあいい。欲張らずに来年の楽しみにとっておく。

 

マスクはちょっと周りをうかがいながら外したりできるようになったし、やっと平常に戻りつつある感じだけど、今年の山小屋やテン場の予約状況が気になる。

テン場の価格高騰が少しでも元の価格に戻ってくれるといいんだけど。

物価高でテント自体の価格もすごく上がってるし、もうボンビーハイカーにはほんとしんどい。

ではでは


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