草津国際スキー場のロープウェイを使って草津白根山に登ってきました。
積雪期にしか登ることができない、標高2,171mの本当の山頂を踏む!
それが今回の最大の目的です。
夏道には本当の山頂へのトレイルがありません。
辺りはコマクサの自生地のためルートを外れることは厳禁となっており、また山頂付近はハイマツが多くとても歩けない。なので雪が積もってない時期は、万座温泉方面に少し行ったところにある本白根山の標識を山頂と見なしたり、逢ノ峰山を草津白根山の山頂の代わりにしてる訳です。
その本白根山の標識というのが下の写真。
ロープウェイの山頂駅から手軽に登れるとあって鼻っからなめてました。その報いか予期せぬラッセルでヘトヘトになってもうた。。まっ、その顛末は後で詳しく書きますが、意外とここまで距離あったし、冬は装備が重たいから大変ですたい。
で、草津白根山について簡単に説明しますと、
日本百名山で標高は2,171m、群馬県の山です。
日光の奥白根山と判別するため、頭に「草津」を付けて草津白根山と呼んでますが、正式名称は「白根山」です。ちなみに白根とは元々は白嶺のことで、雪や地質の影響で白い山という意味があるそうです。
古い火山ですが気紛れな性格らしく、すぐ隣の浅間山とたまに火山活動を一緒に再発させては噴火警戒レベルを上げて規制を敷く困った奴です(この登山直後の2018年1月23日に3000年ぶりに噴火しました)。
規制が緩んだタイミングを逃さずアクセスしたい山です。
この山の良かった点を簡単にまとめますと、
1.冬はロープウェイで標高2,016mの世界にひとっ飛び。とにかく手軽 ( ̄□ ̄;)!!
2.雪山でも人が多く、ラッセルせずにすむ(たぶん) ( ̄▽ ̄;)
3.下山後は温泉界の東の横綱、草津温泉へ。万座温泉も捨てがたい(^o^)v
4.今回は寄れなかったけどコバルトブルーの湯釜は必見。世界一の酸性なんだそうです(*_*)
5.入山規制が緩和した今しか楽しめない!いつまた規制レベル上がるか分からんよ(´ε` )
今回は湯釜には寄れなかったので、今度コマクサが咲く頃にまた来たいと思います。まずはやっぱ山頂踏まないとね。
今年の夏(2017年6月7日)に噴火警戒レベルが2(1部規制)から1(通常)に引き下げられてから、冬になるのを心待ちにしてました。
湯釜周辺はまだ少し規制があるみたいですが、遠目から眺めることができます。
朝はガスってたけど昼から一気に晴れ、信越の山々の景色が素晴らしかった~
いざっ
■アクセス方法
・草津国際スキー場にはいくつか駐車場はありますが、天狗山第4駐車場の前からロープウェイ乗り場までの無料シャトルバスが出てます。
・天狗山第4駐車場へのアクセスは、こちら
・無料シャトルバスの時刻は、こちら
■ルートとスケジュール
■2017年12月23日
10:30 ロープウェイ山頂駅 ⇒ 10:40 登山開始 ⇒ 12:30 本白根山展望所 ⇒ 12:55 本白根山の標識 下山開始 ⇒ 13:30 昼食 山頂へ再アタック ⇒ 13:55 白根山山頂 下山開始 ⇒ 14:30 ロープウェイ山頂駅
活動時間:4時間15分
12/23 RW山頂駅~展望所~本白根山標識~山頂~RW山頂駅
活動距離:5.91km
高低差:160m
累積標高上り/下り:417m/417m
消費カロリー:2,012kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)
登山開始
朝8時。まだかなり早い時間に天狗山第4駐車場に着きました。
予報通りの晴れ。
駐車場には3台しかいません。
駐車場の目の前にポツンと置かれたゴンドラがシャトルバス乗り場です。
始発は9:35。
仮眠をとったり天狗山ゲレンデの休憩所でのんびり過ごします。
天狗山ゲレンデです。ここはまだ標高が低いけどそこそこ雪が積もってます。山頂の積雪は期待できそうです。
うあっ!(;´Д`)
のんびりし過ぎた!
いつの間にこんな長蛇の列が!
ガビーンだよ!(死語)
案の定、1台じゃ乗り切らなかった。さよなら始発のシャトルバス。うぐっ。
なんて、臨時便がすぐやってきてくれるからご安心あれ!
ロープウェイ山麓駅です。本白根山へひとっ飛び。
お年寄りから20代まで、スノーシューやわかんを持った人々がぞろぞろと入っていきます。
クリスマスイブ×2の23日。
最近、東京都内を歩いてて感じるのですが、以前よりクリスマスのお祭りムードが乏しくなってきた気がする。自分だけでしょうかね?世間から飽きられてきたか、ハロウィンに流れたか。
下山はロープウェイ使わずに歩いて下りてもいいかなと悩んだけど、前で買ってる人達を見る限りみんな往復で買ってたので結局、自分も往復にしました。
往復1,500円、片道900円です。
下りの最終は16時。そして山麓駅からのシャトルバスの最終は16:05。はい、ここ大事です。
つか、ほんとシャトルバスが混むから少し余裕を持って下山した方が良いです。
このホワイトボードのスタッフのつぶやき欄、「クリスマスイブイブでも夜は鍋だ!」っていいですね。やっぱ世間のクリスマス感って希薄になってきたよね!
左前方に見え本白根山。
「今日は快晴だ!快晴だよ!あっはっはー!!」
テンション上がるぜ!
山頂駅に着きました。
とりあえず準備して出発です。
「く、、曇ってる!!」
登山開始を見計らったかの様な完璧な曇り。なんでた!!
あんなに晴れてたのに、信じられへん。。心なしか風も冷たいです。
本白根山方面の登山道が見つけられずにうろうろしてると、リフト係のおっちゃんがゲレンデを右斜めに横切ってあそこだよ、と教えてくれました。
意外と分かりにくいです。
踏み跡残ってて助かった。
延々ラッセルだったら湯釜見て帰ってたかも。とりあえず急な登りもないしアイゼン付けずに行きます。
ツボ足で何度か踏み抜く度に、雪山ってこんな疲れたっけ?と感覚を取り戻すのに必死です。装備も重たいし、やっぱ体力落ちたなぁと思い知る。
静かな樹林帯。ロープウェイ乗り場は人が多かったのに、自分たち以外には抜きつ抜かれつのペースで歩く3人組だけ。
ここでわかんの登場。さすがに踏み抜きに耐えられなくなってきたし、久しぶりにわかんの感触を思い出しておきたかったのでここで装着しときます。
樹林帯を抜けると一気に展望が開けた。ガスってるけどな!
そして、あそこが山頂だ!と思った先は本白根展望所です。
振り返って後ろに延びる尾根道。この時は何気なく撮った一枚ですが、実は2,171mの山頂はこの尾根を登った先にあります!
この時はトレースもついてなかったし、ここから登るなんて思いもしなかったからスルーしてしまいました。
展望所方面に向かうルートを進みます。
風の通り道みたいな場所だからところどころ地肌が出てますが、トレイルは雪たっぷりです。
ここで山頂方面に伸びるトレースを発見!!
ここをよじ登っていけば2,171mのピークに立てるに違いない!
トレースあるのにほぼラッセル。な、なんでだ!
急坂を標高50m以上ラッセルしてきました。
そして気付きました。
「これ、鹿が作ったトレースだよ!」
今シーズンの雪山は、昨年谷川岳西黒尾根をフルラッセルした挙げ句撤退する様な暴走はしない!と固く誓って臨んだはずなのに!
本日の体力、ほぼこれで使い果たしたわ。。
振り返ると天気良くなってる!
もう一度山頂方面を見上げる。すっげぇいい天気。
でも疲れちゃったもんね。これ以上登れねぇっす。
一旦正規ルートに戻って展望所方面へ移動します。
せっかくこの時期にしか踏めない山頂を目指してやってきたのに、まんまと惨敗で終わろうとしてます。意気消沈。
足取り重く、展望所方面へ。
くやちぃ。
分岐です。右に行けば万座温泉方面で本白根山の標識があります。そこは後ほど立ち寄るとして、まずは左の本白根山展望所へ。
オエ~、この先木道やん。わかんで木道はきつい。
自撮りです。急に天気が悪くなった時を想定してガチな雪山装備です。この山でピッケルは必要なかったです。
わかんの刃が当たらない様に爪先立ちで登ってやったぜ。
完全に足を使い果たした感じ。
榛名山です。今年は雪が多いと聞きますがエリアに偏りがあるみたいです。
そしてこっちは今から目指す本白根山の標識があるピーク。急な登りは無さそうだし、気持ち良い雪山ハイクが楽しめそう。
すでにバテバテですけどね。
ここは万座温泉方面へ移動です。
ただ単純に万座温泉に浸かって帰りたいという欲求が湧いてくるのを感じる。
なだらか~な登りなんだけど、さっきのラッセルで足腰やられて足が上がんない。
折角来たんだから景色を楽しながらのんびり行きまひょ。
左手には浅間山と外輪山。ほんと遮るもののない大展望。
右手には草津白根山、2,171mのホンマもんのピーク。
素晴らしい景色と快晴に恵まれて、本白根山の標識に着きました。
本当の山頂に登れなかったのは残念だったけど、まあ今日はこれで満足するしかないね、とすっかり諦めモードです。
ここから2,171mのピークに向けて登ってる人達がいたので未練がましく様子を伺ってたのですが、ずーっと同じ場所で停滞しててかなりラッセルに苦戦してる様子。
やっぱもう今日はこれでおしまいかな。空腹で気力ゼロだし。
風の当たらないところでお昼にしよう!
山頂を踏めなかったけどほら、気持ちの良いトレイルを引き返そうぜ。
こういうのは巡り合わせだからしゃあない。
雪原が広がるここは、小さな池があったり夏はコマクサが咲く散策路になってます。
本白根山展望所を眺めながらやっと昼御飯。
もうすぐクリスマスだからヤマザキのやっすいロールケーキにしましたー。甘いの食べると元気になりますわ。
本当はおにぎりも買ってあったんだけど、ザックの底に押し込まれてて探せなかったです。
食べ終わったら湯釜に寄って帰ろうねと話してると、山頂方面から大人数の歓喜の声が聞こえてきました。
声のする方角から山頂に立てたんだろうなと予想がつきます。
「あーいいなぁ~」。
そりゃ人数かけたらラッセルでルート切り開けるよぉ~と、ひがみつつ歓喜に湧く声に耳を傾けてて気づきました。
「この声。。歳とってるぞ!」
70歳ぐらいだろうか。
おいおい、そりゃ世のお年寄りが元気とは言え、これでうちらが撤退したとあっちゃあ流石に恥ずかしいっしょ!
負けられんばい!(先越されてるけどな!)
というわけで、もう忘れてるかも知れませんがさきほど紹介したこちらの斜面を登っていきます。
これね↓↓↓
トレースついてます!スノーシューを装着したお年寄り10名以上のグループが切り開いたトレースを甘んじて登らせていただきます!
ロールケーキ食べて息を吹き返したっす。
稜線に出るとそこは今日一番の景色が広がってました。反対側の景色を見た時の感動って言い表せません。すっかり諦めてたから尚更です。
こちらは湯釜方面の眺めです。火山性のガスによってすっかり緑がありません。
うーん、登った甲斐あった。
ここまで来たらあとは山頂まで稜線を100mほど辿って行くだけ。稜線とは言え樹林帯ですけどね。元気なお年寄り達に救われましたよ。
まったく情けないぜ。
ハイマツは雪の下に埋まってるけどそれでも樹林が深くてザックが枝に引っ掛かったり、わかんの輪の中に枝が入ってつまづいたりで進むのに難儀するわ。途中で嫌気がさしてザックデポりました。
ピンボケですんまそん。GPSで山頂の位置を確認。完璧です。
正真正銘、2,171mの頂点に立ちました。
トレースをつけてくれたおじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう!!
すっかり時間がなくなってしまい、湯釜を見に行くか山頂を目指すか二者択一で悩みましたが、山頂を選択して本当に良かった!
山頂からの眺めです。烏帽子の様に山頂がとがってるのが四阿山です。
山頂には10分もいなかったと思う。景色を満喫したら即下山。
最後に山頂を振り返り、登れたことの感謝をして帰ります。
下山はあっちゅう間です。
ロープウェイ乗り場です。
ロープウェイ営業終了の時間までまだ約1時間ほど残ってます。急げば湯釜に寄って帰ってくることもできるから悩ましい。
この林道を行けば湯釜に行けるのだろうか?
YAMAPでルート確認するとどうやら違うみたいだし、ロープウェイ乗り場の係員に聞きに戻ろうという話になり、結局「もういっか!山頂踏めたし!時間ぎりぎりで行動するのやめよう」という話になりました。
成長しました。暴走はしません。
ロープウェイの最終は16時。駐車場までのシャトルバスの最終が16:05。接続に全く余裕がない時間設定に驚きつつ、やっぱりここで帰ることを選択したことが正しかったんだねと思いました。
現在の時刻は15時ちょうど。
ロープウェイを下りてシャトルバスを待ちます。
並んでる人の半分が登山客。もう半分は普通の観光客で雪遊びをしにやって来たファミリーでした。
ここでも全員座れる様に手配してくれるのでご心配なく。
とりあえず恒例の、メリークリスマス!
帰りはもちろん草津温泉です。
西の河原露天風呂に立ち寄りました。露天の広さには驚きました。洗い場はないので頭は洗えませんが、観光気分を味わいたいというなら是非お薦めします。
この日はテレビのロケをしてて誰も見たくもないヌードを撮られてしまいました!
振り返って
草津白根山の噴火警戒レベルが1に引き下がったのが6月。ちょうど登山シーズンに突入するベストなタイミングだったこともあり、夏の間はヤマレコやYAMAPは草津白根山のレコで溢れてました。
それが11月以降レコをアップする人がパッタリいなくなり、雪山シーズンは何か特別な理由があって登れなくなったのだろうか?新たな規制が敷かれたのだろうか?などと心配になって情報をかき集めました。
結果的に取りこし苦労で、何の問題も無く登る事ができました。
単純に夏はロープウェイを使わずとも車で山頂駅付近まで上がれたのが、冬になってロープウェイで余計な出費が発生するからヤマレコユーザーで登る人が減った、と勝手に推測してます。
自分は逆に真冬でもロープウェイで簡単に上がれるなんて、えらいぞ草津国際スキー場!と思ってしまうのですが・・、どうなんでしょう。
突然ですが、道迷いを防止する上で効果的なのがGPS機能を利用したスマホアプリの活用だと思います。
山と高原地図やヤマレコのアプリを利用されてる方も多いと思いますが、自分はYAMAPを愛用してます。
冒頭のルート紹介で使用してる地図はYAMAPのGPSログです。
地図が無料でダウンロードできるだけでなく、レコを読んでこの人と同じルートを歩いてみたい!と思えばそのルートを簡単に地図上にダウンロードすることができます。
この機能が大いに役に立ったのが、八ヶ岳の阿弥陀岳南稜ルート。
実はこのルートはトレイルを見失い一度撤退してましたが、後日、南稜ルートを歩いた人の軌跡をダウンロードして迷うことなく踏破に成功することができました。
スマホは雪山では二重三重の手袋を外して操作しなくてはならず、なるべく取り出したくはないのですが、やはり事故になる前にルートを確認せねばと自分に言い聞かせ、かじかむ手でスマホを操作します。
ながらスマホです。
おかげでルート迷いは最近はゼロ。安全登山ができてます。
それもYAMAPのお陰です、ありがとう!!
ちなみに当ブログでYAMAPのGPSログを使用する許可は、YAMAP運営者にメールで相談し快諾いただいておりますので、無断転用では決してございません。
YAMAPの対応の良さにも感謝感謝です。
今シーズン1発目の雪山登山でした。
では