なんだこのナンマンダブ的ヘブンッ!!
なんという美しさ。ここはリアル極楽浄土ですかえ?
これが標高2,700mの世界だなんてジラレヘン!!
今回は日本三霊山の1座、北陸の名峰白山(はくさん)に昇天してきたよ。
霊峰?霊山?
ひ、ひー!!
なんかやべぇ雰囲気。霊気びんびん感じるぜぃ!
死者の霊魂を憑依させて対話することができるという、あの伝説の職業イタコでもいるのか?
霊感ゼロのくせに人一倍心霊的なものにビビりまくる男が挑む霊山登山。
ここは霊峰「白山」。無事に帰ってこれるなんて思うな!気を抜くんじゃないぞ!
まあ、冗談はさておき、実は今回で2回目の白山。
三途の川巡りならぬお池巡りや、賽の河原ならぬ弥陀ヶ原の爽快な風景など、白山の見どころを堪能してきたYO!
9月中旬の弥陀ヶ原では早速紅葉が始まってて、黄色く色づいた草原を整備された木道で突っ切るのはとても気持ち良かった。
歩いたのは上りが観光新道、下りは砂防新道というテッパンコース。
前回は南竜ヶ番場野営場でのテント泊で、砂防新道のピストンだったけど、観光新道のダイナミックな景観にめちゃくちゃ感動。
圧倒的に観光新道の方がいいね!
白山は日本三霊山、日本百名山、花の百名山。標高2,702m。
頼むー!今回こそ晴れておくれー!
ルートとコースタイム
■2021年9月12日 ※カッコ内は標準コースタイム
別当出合⇒(145分)⇒殿ヶ池避難小屋⇒(75分)⇒室堂ビジターセンター⇒(30分)⇒御前峰⇒(45分)⇒大汝山⇒(55分)⇒室堂ビジターセンター⇒(80分)⇒甚之助避難小屋⇒(90分)⇒別当出合
コースタイム:8時間40分(休憩含まず)
総距離 13.8キロ
累積標高上り 1,670m
白山お池巡り登山 本編
まさかの本降り。そして撤退…
前回のテント泊では最高の夜を楽しめた。しかし残念ながら山頂はガスガスの真っ白けという、名実共に「白山」を堪能し、激しく悔いを残した。
次こそは青空を狙うっ!
そう固い信念を抱き、長く機会を伺ってきた。
てんくらA予報、ヤマケイの山頂の天気予報だってバッチリ快晴だ。気象庁の予報だって北陸は晴れとでてる。
北陸でこれほど条件が揃うのは珍しい。
やっと訪れた好機だ!晴れの白山に登れるぜぃ!夜通しの運転は辛かったけど、頑張れた。だって晴れなんだもん。もんもん。
しかし、着いてみれば、
まさかのザーザー。
本降りってやつだ。
いくら待っても降り止まない雨に泣き崩れた。
この時のショックは筆舌に尽くしがたい。
この降り方は、もし仮に雨が上がったとしても山頂に濃いガスを残すだろう。それに登山道は滝になっている事だろう。何一つ楽しくない登山が待っている。
ここは霊峰。修行で来た方はどうぞ登っておくれ。
レインウェアを着て登り始める周りの登山客を尻目に、よく登るなぁとつぶやき、自分は帰ることにした。ヘタレの名に恥じぬ決断だ。
これが丹沢や高尾山なら運動目的で登ってたかもしれない。しかし、わざわざ白山まで来たからこそ、逆に登る気にはどうしてもなれなかった。
何度か訪れていれば、いつかきっと晴れてくれる。
何度も訪れることなんてできない遠さだけど。
いつしかこの特別な山を、格別な条件で登る。いつしか。
さらばじゃ。
なんか美味いもんでも食って帰ろっと。
そして、再々訪を果たしたのが今回の登山。
以上、プロローグでした。
早速だが、これは神事だ。
ただ美味しい物を食べてるだけだと勘違いしないでほしい。白山は霊山だ。白山に関わりのある行動全てを神様は見ている。
そんな訳で、福井県の名物といえば?
油揚げ。それとヨーロッパ軒のソースカツ丼。即答できる人はかなりの「秘密のケンミンSHOW」好きだ。自分は予約してまで見てる暇人だ。興味のない県の回はソッコー削除してるけど。
で、これ一枚1,000円。
この後お土産用に一枚300円で売られてたのを見つけて、涙が止まらなかった。
これは神事であり、珍事だ。
サクサクでめちゃ美味かったけど。
どうせなら老舗の谷口屋で食べたかったけど。
まあ、仕方がない。
大阪を訪れた時に、観光客を狙った一皿700円のボッタクリたこ焼きを買ったことがある。びちゃびちゃしたたこ焼きはクソ不味かった。それに比べれば、はるかにお得で美味かった。
北陸といえば海鮮丼だ。
ミニサイズをチョイスしたけど、このボリューム。まさに霊山盛りだ。
この海鮮丼だって白山の神様はジーっと見ているに違いない。
神事に忙しいったらありゃしないぜ(一気食いだ!)
これらは雨天コールドした時の楽しみ方の一例ね。
山の天気は変わりやすい。ぜひ参考にしてほしい。
さて、所変わって、ここは今回の旅のメインの地と言っても過言ではない。
白山と日本海を結ぶ手取川がそそぐ、ここは日本の渚百選にも選ばれた小舞子海岸。
なんと美しい海だ。登山姿のおっさんがいたらあたまおかしくしちゃったの?と周囲に心配されそうな渚だ。
しかしこの小舞子海岸。実は白山と密接な関わりがあるのだ。白山の火山活動によって生まれた噴石が、手取川によってここ小舞子海岸へと流れ着く。
海岸にいながらにして白山の噴火を感じられる場所として有名なスポットなのだよ!立ち寄るべし!
そして、いま自分が手に取ってるのはそんな噴石の花崗岩。明らかに通常海岸に落ちてる石とは違うからすぐ分かると思う。安山岩なんかもたくさん落ちてる。
こいつを再び白山の山頂に戻すという、前代未聞のクソ企画「噴石旅ガラス計画」の始動だッ!
市ノ瀬ビジターセンターから別当出合へ移動
そして、再び白山に登る日が訪れた。
土日祝日は交通規制があるため、市ノ瀬ビジターセンターに車を停め、別当出合まではシャトルバスでの移動となる。シャトルバスは朝5時から運行してるよ。
往復1,600円もかかるから、中には歩いちゃう人もいるけど、片道6キロも上り基調の林道を歩くなんて、あちきには考えられない所業だ。
登山届を提出してバスに乗り込む。
ここで案内してたおじさんに、下山後の温泉はどこがお薦めですか?と早速調査に余念がない。山より温泉のことで頭が一杯だ。
こーゆうとこ大事よ。
うぅ…やべっ。軽く酔った。
ガンガン飛ばすシャトルバスに気持ち悪くなって、別当出合に着くなりへたり込んだ。おえっ。さすが霊山、これも修行ってやつだな、おえっ。
歩き始める前からフラフラ状態だが、これぐらいなんとかなるさ。
ちなみに平日なら別当出合まで車で上がって来れるだけあって水場もあるし、自販機まである。
至れり尽くせりだ。
観光新道で登山開始
9月初旬の早朝は半袖だと少し寒い。
最近はやけに寒がりになった気がする。年で代謝がやばい?
レインウエアを羽織って出発。
上りは観光新道だから左へ。下山は砂防新道で右から戻ってくる予定だ。
登り始めから急登。
尾根に出るまでは、長い長いつづら折りの登りが続く。樹林帯から白くどんよりした空が垣間見えるが、きっと朝もやか何かだろう。
北陸地方は広く高気圧に覆われるらしい。今朝はホークス戦の結果より天気予報を優先させてチェックした。それだけ今回は本気ってことよ。
ここで頑張っちゃうと山頂まで体力が持たないから、焦らずゆっくり上る。
白山は北陸の人なら老若男女みんな一度は登ってるイメージがあって、それが簡単そうな山だと勘違いさせる。しかし、実際には1,400m以上は軽く登らされるから甘く見てはいけない。
バスでダメージを負った身には激しく堪える登りだ。オエッ。まだ気持ち悪い。
ヘリコプターが何度も往復してる。
きっとシルバーウィークに備えて室堂ビジターセンターにビールでも運んでんだろうなーと思ってた。後で知ったことだけど、砂防工事の資材を運んでたらしく激しく落胆した。
白山の景観が壊されるのをこのまま指をくわえて見てるだけで良いのだろうか。とても複雑だ。
取り返しがつかなくなる前に、計画の白紙撤回をする準備もしておいて欲しいと思うんだけどな。
まだまだ急登の連続と化石
そんなことを考えながら急登を登っていると、まだまだ登らせるぞ!と宣言された気にさせるポイントに差し掛かった。
喜市郎坂。勘弁してケロ。
ここまでだって結構ガツガツ登ってきたんだよ。まだ登らせるなんて冗談だしょ?
ひ、ひー!!
急登の区間は、まだ薄暗い樹林帯で写真映えしないなーとざっくり端折るつもりだったけど、さすがにこの時の辛さは書かねばならぬー!
しかし、一気に標高を上げたから少しずつ視界が開けてきた。
見えてきたぞ。なかなかの崩落ぶり。
確かになー。あんなのが崩れたら熱海の盛り土どころの騒ぎじゃないよなー。
難しい判断だ。それでも自然は自然なままで良いと思うのだが。。ここの麓に熱海の様な市街地はないしね。
山の稜線から日が昇る。
ここまであの白い空は朝もやだと言い聞かせてきたが、疑う余地のない高曇りだ。
この現実は受け入れることできない。
この後きっと高気圧があの雲を取り払ってくれる。ここまで来たらそれにすがって登るしかない。
前回はそれまで快晴だったのにご来光の寸前で激しく曇り始めて、雲の向こうに昇ってるであろう太陽に向かって万歳三唱した後、ガスガスの池巡りを堪能した。
あんな思いはもうしたくない。その一心だ。
尾根に出た。
森林限界になるかならないか、微妙な標高をフラフラ登っていく。見晴らしはますます良くなり、背景の白さを際立たせる。なんて悲しい曇り空だ。
更に、確実に分かるのは、明日は足腰が立たなくなるほどの筋肉痛に襲われるということ。
またしても曇天登山を敢行した挙句、残るのは達成感ではなくサロンパス臭だけという顛末となるのか。
白山の登りは甘くなかった。
おおっ!足元には二枚貝の化石がびっしり入った岩!
足の置き場になりそうな位置にこんな化石を配置してくれるなんて、なんという粋な計らい。神対応。
さすが白山。曇ってても喜ばせてくれる。
振り返る。来てよかったと思える光景だ。
足の疲労が既にやばいが、なんとも清々しい。
観光新道はパワー絶景
お待っとさんでした!
やっとだ。やっと。
頑張った者だけが見る事のできる絶景がここから始まる。
観光新道は圧倒的スケールの尾根道。
まさにグレートビューだ。
日に照らされた草木がきらきら輝きだす。
同時に自分のびちょびちょになった顔も輝きだす。さぞ美しかっただろう。
自撮りしなかったことを軽く後悔している。
ここから弥陀ヶ原まで、谷川岳を彷彿とさせるダイナミックな尾根道が続く。
曇り空だけど、心の底から白山に来て良かったと思えた。
ナンマンダブー!と喜びを表現したかったが、いい大人だからやめといた。大人には制約が多い。
この岩の隧道を抜けると雪国であった。
あの有名な1節をトンネルを隧道と言い換えただけのパクリだ。
ルネッサンスざます!
雪国じゃなかったけど、さらなる絶景!
こんな大迫力の尾根道をみすみす逃して、なぜ前回は砂防新道のピストンにしてしまったのか。テント泊だったから仕方ないけど、今更ながらほんともったいないことをしたと思う。
しかし絶景で頭が麻痺してたけど、山頂までまだまだだいぶ登るじゃないの。
いきなり山頂を見たら登れなくなる。まずは手前で目標になるものを探そう。うーん、なんも無ぇ。
火口から2キロ圏内。山頂まで2キロってことね。
ピークまですぐそこの様な、まだまだ遠い様な、微妙な位置だ。
しかもここに来て肩が痛くなってきた。荷物が重い。
日帰りだと言うのに、3回分の食料を持参するという食い意地を発揮して自滅した形だ。
食料はまだいい。何が起こるか分からない山では食料は邪魔にはならない。
しかし、山頂に温泉がある訳でもないのに、2回分の着替えを持ってくるというのはどういう要件だ?
自分でも説明できない。己の適当さを呪う。
これまで日帰り登山で2回もパンツを履き替えたことあったか?
ない。1度だってない。
「もうお前みたいなアホのために頑張るのやめた」と、白山の神様に見切りをつけられてしまったのか、さきほど一瞬見えた青空すらどこかに隠れてしまった。
石川県と言えば、白山だよね。
それは違う。それは一部の道楽ハイカーの考えだ。
多くの人にとって「ザ☆石川県」はゴジラ松井だ。今どき利家とまつと答える人もいない。
ホークス以外で野球のことは全く知らない自分だって松井秀喜ぐらい知っている。
ヤンキースで松井が活躍してた頃、当時交際していた酒井美紀がニューヨークの料理教室に通い始めたというニュースも鮮明に覚えている。自分のネタ元は全部ゴシップだが。
再び白山に来る機会があれは、ぜひ松井秀喜ベースボールミュージアムにも立ち寄ってみたいと本当に思っている。
おおっ。振り返れば高気圧が再び迫ってきてるじゃないか!
もっともっと頑張れ!
パワー!パゥワー!
なかやまきんに君バリの高い声で、大して盛り上がらない力こぶを作り「パワー!」と叫ぶおっさんを想像してみてほしい。
軽く危ない親父だ。
別山方面にもほんのわずかだが晴れ間が見えた。よしっ!バゥワー!を繰り出すなかやまきんに君。
ちなみに、本来なら今回もテント泊だったのだ。
初日は白山に登り、翌日はあの別山に登って市ノ瀬に下山する予定だったのになー。コロナで計画変更を余儀なくされた。
まだまだ…登る
七ツ坂!
マジか…。稜線に出たらのんびり歩けると思ってたのにー。楽できると思ってたのにー。
さっきから登りっぱなしだよーブーブー。
左前方に見えるのが白山の最高峰御前峰か?
白山はピークを目指す山というよりも、霊山らしく山頂のご参拝とお池巡りを楽しむ山だと思っていたが間違っていたようだ。
この尾根から見上げる景色が絶景過ぎて、否応にも登頂意欲がかきたてられること間違いなし。
マツムシソウ。
よく見るとこの花の横に花びらが散ってしまい坊主頭になったのもあるけど、個人的にはそっちの方がヒゴダイっぽくて好きだな。
今年はヒゴダイを見に熊本へ行こうと2回試みたが、悪天候と仕事によって断念したのだった。
今は世界的な半導体不足のせいで目が回る忙しさに突入している。世の中が一気にテレワークやオンライン授業なんか始めたもんだからノートパソコンもタブレットもアクセスポイントも足りなくて製造計画や販売見込みが狂って修正が大変だ。どうにかして欲しい。
再び貝の化石が詰まった岩を発見。
下山で歩いた砂防新道では探せなかったけど、観光新道では簡単に見つけられる。青い岩を重点的に探すべしっ!
アキノキリンソウは最盛期。
ハクサンフウロ。
花期は夏から秋。9月の白山ではもう終盤だ。
殿ヶ池避難小屋に到着。ここでやっとこさ一休みできる。
ちなみに下山してみたら累計で1,600m以上登ってたから、かなり頑張った部類だろう。
下山後、4日間は筋肉痛が治らなかった。
さあ、お神酒代わりのジムビームで一息つこうか。いつ何時でも酒を欲するのが男の更年期ってもんだぜぃ。
おっと。うっかりしてた、自分は下戸だった。それに更年期でもない。
ならば仕方ねぇ。。
ご当地メロンサイダーの「ローヤルさわやか」を頂くとするか!!
つまみは福井らしく、ティラノザウルス煎餅じゃい。
ローヤルさわやかは白山では外せない。激甘で激ウマだ。スーパーに立ち寄ったら見つかると思うよ。
殿ヶ池避難小屋の中はこんなきれい。こんな良いところなら余裕で泊まれる。天国だよ。
殿ヶ池避難小屋って名の通り、小屋の前には池塘があって、そこには秋の花々がたくさん咲いてた。
イブキトラノオの群生だ。
キオン。
まだ若かりし頃、就職活動中のお話。
その日は最終面接。朝起きて、出かける準備を終わらせた自分は、頭をスッキリさせたいと思い、当時なぜか家にあった酸素吸入器を使ってみた。ちょうどお腹を壊してたこともあったと思う。酸素を吸ったら出す。出したオナラと一緒にほんの少しだけBOMBを出してしまった。
頭をスッキリさせるつもりが、うっかりお腹をスッキリさせてしまうという迂闊さ。
誰もいないリビングで「やべぇっ!!」を連発したのを覚えている。
もう20年も前の事だから時効だ。恥ずかしくもなんともないさ。
しかし、恐るべし酸素パワー。酸素を吸うと下腹部が爆発するぞ。
この1件以来、酸素が怖い。
突然何の話かと言うと、標高を上げて酸素が薄くなってきたなーと思ったら、そんな昔の恥ずかしいことを思い出した次第だ(笑)
吸い過ぎには気をつけようね。
右の眼下に砂防新道にある甚之助避難小屋が見えてきた。
避難小屋を積極利用することは薦めないけど、甚之助避難小屋は水場もすぐ近くにあってとても泊まりやすい避難小屋だ。
秋の空に向かって登っていく。
薄く広がった秋の雲によって日差しは遮られてしまったが、おかげで涼しく登れるのは有り難い。
「馬のたてがみ」なるポイントに差し掛かる。
痩せ尾根っぽいところなのか?と思ったけど全然そんなことなかった。
それがここ。馬のたてがみを引かれる想いで登っていく。
気が付けば森林限界に到達してるじゃないの。
まだ標高2,500m未満だと言うのに、熊笹が広がる豪雪地帯らしい風景。
ここから先、更に景色が良くなる。
シモツケソウ。
遠くに見えるのが別山。素晴らしい景色のバナナの叩き売り状態。
草原にダイブして崖下まで転がっていきたい。
ちなみに北九州市はバナナの叩き売り発祥の地というのをウリにしているが、これが果たしてウリになってるのかはさっぱり分からない。バナナを叩き売ってるとこなんて普段見たことないからね。
さて、登山に話を戻すよ。
ここで砂防新道と合流し、ハイカーがわんさか増える。
北陸の人にとって白山は登るべき山らしく、普段山登りはしなそうなパーカー姿の人もいたりして、名実共にダイバーシティマウンテンだ。
ダイバーシティと言うフレーズを最近よく耳にするから、ただ使ってみたかっただけだ。あしからず。
弥陀ヶ原は秋の装い
そして始まる、ここからが白山の真骨頂。
この「霊峰白山登拝道」と書かれた石碑からが本当の白山だ。
白山の見どころの1つ「弥陀ヶ原」。
草原を貫く木道が続くのが爽快すぎて、ここは思わず走り出したくなってしまうぞ!
山頂までまだ標高差300m以上あるから、本当に走り出す訳にはいかんのだけども。
山頂はすぐ近くに見えて東京タワー1本分の高さがあるなんて信じられるか?
それでも登山をしてれば、東京タワーぐらいならまだ行けるなと思えちゃうのが不思議だ。
しかしほんと、ナイスなコース取りだ。
スパ・フランコルシャンのオールージュみたいに上りながら曲がっていく。知らない人は置いてくYO!
右を向けば紅葉した大地が広がる。さすが標高2,400m。吹き抜ける風がひんやりして軽く汗ばんだ体に気持ち良い。
しかし気を付けろ!深く吸い込むとまたオナラと一緒にBOMBしてしまうぞ!
ちょっと遠くてきちんと確認できなかったけど、紅葉してたのはアザミが多い様に見えた。季節のめぐりを感じつつ、今年の異様に短かった夏を残念に思った。
振り返ってみれば広大な弥陀ヶ原。
ここは「ヘブンスみだがはら」。田舎のラブホにありそうな名前だね。
室堂にとうちゃく。山小屋とは思えない絢爛豪華な作りだ。
岩間道は通行止め。必要な登山情報を小屋で仕入れておくことを忘れずに。
おおっ。田中陽希さんの直筆サイン入りTシャツ。
夜、神保町の石井スポーツで買い物してたら田中陽希さんがいた事があった。さすがに恥ずかしくて声はかけられなかった。山で会ってたら話しかけられたんだろうけど。
羽田空港で背中合わせに座ってたのがゴリケンさんだったことがあった。後ろにいる人、めっちゃ頭でかいなと振り返ったらゴリケンさんだった。
さすがに話かけられなかった。
御前峰と大汝山とお池巡り
さて、最後の登りといきましょうかな。
富士山、立山、白山。
日本三霊山らしく厳かな感じだ。立山には登ったことないけど、きっとこんな感じなんだろう。
石畳の登山道。登山道と言うよりかは参道だな、こりは。
以前登った御嶽山では大量の山伏が途中でヘバってて、まるで地獄絵図みたいだったけど、白山では未だ山伏は見たことがない。
振り返ってみれば室堂ビジターセンターの大きさに驚く。収容人数は驚異の750人!
麓の村の人口以上だろうな。
すごいぞ、白山。
これは参道だなとか、余裕ぶっこいた事を言ってたけど、室堂から山頂まではまだ標高差250m近くあるから、超しんどい。
下ばかり見て、「まだ登らせるのかよぉ」とため息混じりに登っていく。
もたれかかったトレッキングポールが折れそうだ。
あと少しで人間からゾンビになるところで、
やっと着いたよ…。長かった。
3霊山って言うから、標柱なんかよりまずは奥社でお参りしまっせ。
「財宝まみれの人生をわらわにおくれー!!コロナの収束プリーズ!!3回目のワクチンは副反応カンベンしてけろー!!登山中にお腹下しませんよーに!」
本来、奥社って無事に登れたことに対して有難うございますとお礼をする所らしい。そんなこと後で知った自分は、ここで投じた10円玉以上のお願い事を畳み掛けた。
なんつったって3霊山。願いが叶う気がする。
お次は山頂からの景色を楽しもうじゃないか。
山座同定をしようと、山頂にあった地形図を覗き込んだら、一緒に見てた親父に超至近距離でゲップされ、ここまでの達成感とか爽快感とかそーゆうの全部吹っ飛んだ。
しかし山頂からの景色は親父のゲップに負けず素晴らしかった。
しかもよーく見て欲しい。
よーく見て!見て!見て!
晴れてるじゃないかッ!!
2回目のワクチンの副反応が強烈で、4日も苦しんだ自分にとうとう白山の神様も微笑んでくれたんだ。
うれぴー。
いや、違う。
種を明かせば、曇り空が入らない様に微妙な角度から撮影してるだけなのだ。
真上は相変わらずの曇り空だけどね、これで十分幸せだよ。
白山の見どころ。弥陀ヶ原に続いてその2。
お池巡りと洒落込もうぜ。
お池巡りへとガツンと下る。山頂は風が強くてご飯を食べる気になれなかったけど、あの池の湖畔でゆっくりできそうだ。
ちなみに見えてる池は紺屋ヶ池(こんやがいけ)ね。
紺屋ヶ池でドーナツとコーヒーの糖分補給を済ませたら、次なるピーク大汝山に向けて登り返す。
また新たな池が見えてきた。
翠ヶ池(みどりがいけ)。
お池巡り散策コースはこんな感じ、全部で7つの池を巡る夢のイケイケコースだ。
イケイケコースだがさすがに足の運びはイケイケとは行かない。
ここで立ち止まってた方が「足がツッて動けない。漢方を飲ねばっ!」と言ってた。効果を聞くと、飲んだら一瞬で効くよ!とのこと。
なんだそれ、ちょー気になるっ!
ランニングでも使えるかも。
大汝山は2,684m。御前峰とあまり標高は変わらないから景色は抜群に良い。
遠くに北アルプスも見える。
もう一つの霊山、立山があるところだ。
早く行ってみたいな立山(前フリ)
大汝山に到着。
もはや涙目。がんばった俺。
なにもこんな無理してお池巡りなんかしなくてよかったんだ。。もはや義務。
「金品財宝まみれにしておくれー!」
霊山だからね、ここでもしっかりお祈りだけはしておく。願わないことには叶うかどうか分からない。
大汝山から遠くに見えるのは日本海。
そう、小舞子海岸だ。
この景色が見たいから大汝山まで頑張ったと言っても過言ではない。
さぁーって、儀式を始めるよ!
「噴石旅ガラス計画」の遂行だ!
涙が止まらない。小舞子海岸で拾った白山の噴火によって生まれた噴石が故郷に戻って来たのだから。
母を訪ねて三千里を超える感動。マルコー!!
まる子の方じゃないぞ。
完璧な合致!ちょっと色の濃さは違うけど、まさに同じ種類の噴石だ。
やっとお前の母国に帰ってこれたんだぜ。良かったな…。
手取川に流され、長い長い旅を続けてきた石ころの旅が今ここで終わる。
感動のフィナーレだ。
あっけないが、さあ帰ろう。白山でやり残したことはもう無い。
いやいや、大汝山から御前峰方面の景色を見ずに帰るわけにはいかない。
大汝山から眺める御前峰が白山で見られる景色の中では一番だと思う。
幾分おかしなテンションになってしまう絶景だ。
何度もほどけるナイキのトレランシューズの靴紐を結び直し、別当出合へ出発だ。
あと2ヶ月もすればブーツの季節がやって来る。
トレランシューズやアプローシューズで軽く歩けるのも今のうち。山の無雪期は短いのだ。
雪って嫌いじゃないけど、荷物増えるし気を付けなきゃいけないことも多いし、面倒くさいんだよね。
シラタマノキ。シロモノってやつね。
タテヤマリンドウ。
もしくはミヤマリンドウなんだけど、素人には区別できないからタテヤマリンドウでいいや。
チングルマの綿毛も紅葉して色が濃くなった。
山の花々も終わろうとしている。世間はコロナで季節が止まった様な毎日を送っているが、山ではしっかり季節は進んでいる。
俺もテレワークしてみたかったな…。毎日クソ忙しいぞ(泣)
ナナカマドの紅葉はあと2週間後ぐらい先かな。
室堂ビジターセンターの屋根の方がよほど紅葉してる。
砂防新道で高速ゲッザーン
弥陀ヶ原から下山は砂防新道で。
帰りの終電が心配になってきたからここら辺から猛スピード下山が始まる。
シャトルバスに乗ったりするから時間が読みにくいのも難しくさせている。なるべく時間の余裕は作っておきたい。
猛スピード下山と言っても、ところどころ写真に収めていくんだけどね。
尾根から谷へと最初にガツンと標高を下げる。
ヘリコプターが何度も運んでた工事資材。
登山道の修復用か砂防工事用かは分からない。砂防工事が本当に世の流れに合致しているのだろうか。
なんなら黒部ダムだってあの当時は必要だったと思うけど、今でも本当に必要なのかは分からない。
成田空港だってあの当時は必要だったけど、今ではだいぶ寂しくなった。
白山の砂防計画が持ち上がってから既に100年が経過しているそうだ。
1世紀も経って、必要とされる理由も変化してきてるはずだ。
砂防新道はめちゃくちゃ整備されてて猛スピード下山にはありがたいっ!
甚之助避難小屋。
すぐ近くに水場もあったし、ここは避難小屋の中でも三つ星だ。
さあ、下山を急げ!
ヘトヘトになった。。
もうすぐ別当出合だ。砂防新道の見どころの少なさにも驚いた。前に歩いた時も同じ感想を抱いたのを思い出した。
観光新道を強くお薦めするっ!
カライトソウ。
最後の吊り橋、これも白山名物。
高所恐怖症の自分にはマジで恐怖の吊り橋だ。
しかしこれも神事。自らの体重で激しく揺れる吊り橋に激しくビビりながら進むと、なんと前からもなかなかの巨漢が歩いてくるじゃないかッ!
や、やめてくれー!両手でワイヤーをぎゅっと掴む。
この狭い吊り橋ですれ違うなんて、自分にはムリだよ!!
しかも、この巨漢はただ時間を持て余し、どんな吊り橋か見に来たただの巨漢だと言うことがこの後判明し恨み倍増。
しかもよりによって吊り橋中央の一番高い所で巨漢同士がすれ違うという離れ技を展開した。もはや空中ブランコをやってのけたぐらいの感覚。
冷や汗どころか、マジで殺されると思ったじゃないか。バカバカバカー(泣)
この高さでのすれ違いにガチでビビりまくった。
もはや高所恐怖症だから怖いという次元ではない。
頑張って猛スピード下山したのにシャトルバスは発車した直後のため30分待ちという悲劇。
暇を持て余したおっさんが記念撮影している姿がこれだ。
そして記念撮影中にさきほどの巨漢が手ぶらで戻ってきたのだった。
そんな自分の悪態も、白山の神様は見ているのだ。気をつけねばならない。
気を取り直してバスを待つ。
市ノ瀬ビジターセンターで「東京オリンピックが終わってしまいました。これ使い道ありますか?」と書かれて大量に積み上げられてた東京2020のうちわを1枚いただいた。
顔を隠すのにちょうど良いけど、もう秋。使い道はないな。
市ノ瀬の駐車場に着くと、そよ風に乗ってドロノキの綿毛が舞ってた。
雪を降らせたかの様な不思議な光景だったけど、ドロノキって名前残念過ぎだよね。
材が柔らかく泥みたいであること、樹皮が泥色など、とにかく泥っぽいらしい。
ほんと、きれいな光景だったYO!
振り返って
小舞子海岸の美しさ!まさに神!ずーっとそこにいたくなるお陀仏的美観!
ぜひ白山登山とセットで訪れることを薦めるよ!
梅雨が開けたと思ったらコロナ自粛に突入、そして仕事で忙殺され、週末は雨ばかり。あっという間に夏が終わってしもた。
そんな残念なことばかりだが、小舞子海岸に向かってバカコノー!と叫んで吹っ切れ!そして白山に登るべしだ!
前回の白山では、山頂で分厚い雲に阻まれ、ご来光を心の目で見た。
見えない太陽に向かって、神主さんの掛け声の下、万歳三唱をした。辛すぎる…。
万歳三唱の後、標柱で記念撮影しようと思ったけど、50人以上の小学生達によって占拠された山頂ではそれは叶わず(辛すぎる…)。
今回は意地になって晴れに合わせてやって来たけど、またしても完璧な青空という訳にはいかなかった。
うぐっ…。
やはりテントを張ってじっくり待たないと駄目なんだろうなー。
白山の山頂からはもう1つの霊山、立山が見えるはずなんだけど、北アルプスの巨大な山脈からはどれか探せなかった。
逆に北アルブスからだと白山は一目瞭然だ。
やはり白山は特別な山だ。
想像してた以上に登ったから、4日間筋肉痛に苦しんだ。油断できない、さすが白山。
さあ次なる目的地はもう1つの霊山、立山だ。
いよいよイタコならぬ茹ダコにでもなるつもりなのか。前人未到の茹ダコへの挑戦は続く(霊山一筆書きスピリチュアルトラバース)
ではでは
【今回の使用カメラ】
富士フイルムX-T1、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS。