【徳島】秋の剣山(前編) 天国の縦走路を夢見てホワイト地獄に落ちる リフトを見上げるボンビー旅

【徳島】秋の剣山(前編) 天国の縦走路を夢見てホワイト地獄に落ちる リフトを見上げるボンビー旅

四国遠征第二弾、剣山に登ってきました。

いつも冒頭の写真は山全体の姿が分かる1枚を掲載するのですが、お察しください。

 

はて?あちきはどこの山に登ってきたんだっけ。

薄っすら思い出せるのは…

ただ真っ白な中を彷徨い続け、なにやら冷たい物が激しく打ち付けられ、柱の男ワムウによる神砂嵐に凍えた…。

あれは現実だったのけ?

あ、そうか。夢だったんだ。

アハハハー。

最悪な夢見たわーアハハハー

 

あで?なんで靴の中までびちょびちょなの?

夢なのに。

 

あたい泣かない。

 

こんな悲しいことはない。

しかも10月後半に見る夢には、雨に雪が混ざるのね。

この寒さ、なかなかのリアル。

うっ、ううっ、

あたい泣かない!

何キロ移動してきたんだっけ。

あちき泣かない!!

 

ふんぬー、負けるものか。

わざわざこんな遠くまでやって来たんだ。

こんなコンディションでも剣山のその先にあるガンダーラ「次郎笈(じろうぎゅう)」まで行くんだ。

この時の心理は、海女さんがあともう一つのサザエを捕ろうとして溺れるのに近いのかもしれない。

 

天国みたいな縦走路を夢見て、

地獄に完落ちしてきました。

 

知ってます?紅葉って日が差したほうがきらきら輝くって。

剣山へはまた来なきゃなー。

だいぶ、こりごりだけど。

 

 

標準コースタイム

■2025年10月25日 ※カッコ内は標準コースタイム

見ノ越登山口(剣神社)⇒(60分)⇒西島駅⇒(45分)⇒剣山山頂⇒(30分)⇒次郎岌⇒(50分)⇒西島駅⇒(50分)⇒見ノ越登山口(剣神社)

コースタイム:3時間55分
距離:7.9㎞、累積登り:803m

 

秋の剣山 紅葉登山

見ノ越登山口(剣神社)からスタート

無料の見ノ越第一駐車場です。無料スペースが埋まってしまったら有料スペースを案内されるみたいだけど、この日は8:30到着で半分ぐらい空いてました。

天気がいまいちだからかもだけど。

 

中腹までリフトを使うことができるけど、なんと往復で1900円!というブルジョワ価格。

士農工商でいう最低ランクな自分にはとても支払う余裕なんてない。

そもそもこの山までの旅費だけで口から泡を吹き、周囲からドン引きされている。

 

ちなみに百人が百人ゴンドラリフトを利用する、あの冬の観光地「北横岳」ですら己の足でぜんぶ登り、修行をたしなむ男。

そんなあたしがここでリフトなんぞ使うはずがないのだ。

 

ちなみに山頂は10℃。意外とあったかいのね。

このあと激変しますが。

 

 

素晴らしく晴れた朝。

予報では曇りだったけど日差しもあって実に爽快。

この後激変しますからね、ええ。

 

 

下山後にソフト食べれたらサイコーだな、そんなことを考えていたこの時が一番幸せだった。

 

登山開始

この鬼階段をウォーミングアップに感じられるか、最大の難所と見るか。

あたしは登りきってしばらく動けなくなった。

 

 

激しく息を切らしている自分を見かねたお爺さんが話しかけてきた。

「これから登れるのかい?(笑)」

たった今、最大の難所をクリアしたばかりなのだから、なんとしても登りますよ。

 

花手水。

アジサイがまだ咲いてるんだな。

季節感が意味不明です。

 

 

さて、トレイルへ突入しましょう。

 

 

ここに水場があったよ。

 

霊山らしくいきなり始まる仏像コレクション。

 

そして百名山らしく道迷いゼロの歩きやすいトレイル。

道迷いゼロ、冒険感ゼロですが、楽しみにしてるのはここではない。

あくまでここの魅力は山頂から次郎笈までの縦走路と聞いている。

おらぁワクワクすっぞ。

 

 

ただ言えるのは、ひとたび山に踏み入ればぼろ雑巾になるまで働く社畜な自分ですら、神聖な気持ちになるわけです。

こうした樹木ひとつとってもそこら辺の公園に生えているものとは違って見える。

 

これは、、

毒々しいキノコが山盛りじゃないか。実に神聖だ。

 

 

そしてブルジョワな乗り物、リフトの下を通過します。

 

 

ここは遊園地ですか?

それにしたって1900円は高すぎる。ジェットコースターだってそんなにしない。

自分の感覚では往復500円ってとこだろう。

そんな金銭感覚のギャップは一生埋まらないから、死ぬまで乗り物で困ることになると思う。

 

とにかくボンビーは己の足で登る。

この山のリフトの距離ぐらい自分の足で登れなくなったら登山はやめる。

 

 

歩けばそれなりに絵になる光景に出会えたりするものだ。

 

 

 

えぇぇぇ〜、ガスってるやん…。

駐車場からは山頂も晴れてたのにぃ!!

 

うん、ほんの少し青空が見える。

運が良ければ青空が巡ってくるかもしれない。

諦めるのは早い。

 

この時はね、まだ希望に燃えてたのよ。。

 

リンドウが咲いている。

 

 

バスで1席だけ空いてたんだけど、後ろの人の息がとても臭かった時の絶望感を思い出した。

今すぐ胃を洗ってきなさい!なんて言えないし、ネックウォーマーで鼻を覆った。

風にそよぐススキを見ていれば、そんな悲しきサラリーマンの日常も癒されていく。

 

やはり秋の登山は格別だ。

 

リフトの山頂駅「西島駅」に到着。

ようやくブルジョワに追いついた。

 

時間かけて歩いたおかげで儲けたぜぇ。

タイムイズマネー。

本来の意味と違うけど、こっちの方が正しくね?

 

ここで景色が開ける。

雲は多めだけど、まだまだ望みはある。そんな風景。

 

 

人気の山だから、いくつも登山道があってどこを歩けば良いか迷う。

当たり前だけど山頂へ最短距離のコースをチョイス。

西島駅の横を抜けて最短コースを探す。

 

山頂への最短コース

この案内標識の「尾根道(最短)」というコース一択。

とにかく晴れているうちに次郎笈へ行かなくては。

 

 

ブルジョワ組と合流しトレイルは一気に賑やかになる。

自分の前をずいぶん元気なおじさん3人組が騒ぎながら歩いていく。

それを聞いて、当たり前だけど徳島って関西弁なんだなと思った。

旅をしてて、ご当地の言葉を聞けるのは嬉しいものです。

いや、もしかしたら地元の人じゃないかもだけど。

 

 

ガスが落ち着きなくうごめいてる。

やばいなぁ。

 

ガスってなるものか。

こちとら時間のない中はるばるやって来たのだ。

 

しかもこの登山が終われば、来年度の予算策定業務が始まる。自分にとって1年で一番忙しい時期だ。

過労働が許されない時代になったと言うが、誰でも踏ん張らないといけない時期はある。

土日はつぶれる。しばらく福岡にも帰れないし、登山もできないかもしれない。

だから晴れてくれなきゃ困るのだ。

 

山頂の手前でガスの層を抜け、信じられない好天に恵まれるなんてこともある。

山の天気は分からない。

地雷系メイクの素顔ばりに分からないのだ。

 

あれよあれよという間に花も枯れ、冬はもう目の前。

冬はまだいい。

年々暑さを増す夏に、我が家のリビングのエアコンが来年も耐えられるのかが問題なのだ。

東京のエアコン補助金が心底うらやましい。福岡の方がずっと暑いのに。

そんな身も蓋もないことを思ってしまう。

やはり秋の登山は格別だ。

 

 

刀掛の松というポイントに到着。

 

 

山頂まで560m。

傾斜がきつくなければ15分ほどの距離だ。

 

次第に紅葉のピークゾーンへ。

 

 

誰かバルサンでもたきました?

 

ご覧の通り、山頂に近づくにつれ恐ろしく冷えてきた。

しかもポツポツと冷たいものも落ちてくるという最悪な事態に、先ほどまで賑やかに歩いていた関西弁3人組も無言になっている。

 

ご覧の通り、多くのトレイルが張り巡らされている。

違うところに下山しないように気をつけなくてはいけない。

 

鳥居がでてきた。

ここからが聖域。

 

 

雨が降り始め、剣山頂上ヒュッテに立ち寄りたいところだが、立ち止まってこれ以上体を冷やすわけにはいかない。

ノボレノボレー!

 

 

 

 

晴れ祈願だけさせてもらいます。

 

ひゅーー。

 

山頂はいずこ?

 

 

突然ですが後編に続きます。

 

 

 


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