ぜい肉で着膨れしてる山好きの皆さま、こにゃにゃちわ。
最近、忙しさにかまけてランニングをなおざりにし暴食を繰り返し過去最高の体重をマークしているやっほっほ亭です。東京マラソンが近づいてきてマジでやべぇっす。
12月8日。今回は丹沢山(たんざわさん)と塔ノ岳(とうのだけ)に登ってきました。
もう何度も歩いたことのあるヤビツ峠からの表尾根ルート。下山は大倉尾根です。
秦野市観光協会のページで丹沢の入門コースとして紹介されている表尾根コースですが、アップダウンの連続はかなりえぐい!いくらなんでも入門ってこたぁねえだろー!
で、しかも丹沢山まで寄ると総距離は20キロ、累積標高差は上りで2,000m。オイオイ。。
久々に仕事中コピーを取りに行けない程の筋肉痛になりました。
実は今回のコースはちょうど1年前にも歩いてますが、やっぱり丹沢は冬がベストシーズンです。
表尾根ルートの丹沢山登山のポイント
①富士山と相模湾の大展望
②登りごたえのあるアップダウン
③丹沢山は日本百名山
表丹沢の良さはなんと言っても海と富士山の眺めに尽きると思う。
太陽に照らされて輝く海にポツンと浮かぶ伊豆大島までよく見える。塔ノ岳までの意外と長い道のりは終始冠雪した富士山が見事で、眺望に優れた素晴らしいルートです。
西高東低の冬型気圧配置は太平洋に面した丹沢に絶好の登山日和をもたらしてくれます。
今回は予想していなかった紅葉フィーバーにも見舞われ会心の登山にもなったし、ラッキー♫
丹沢山は標高1,567mの日本百名山、山頂にはみやま山荘があります。塔ノ岳は標高1,491mで昔は尊仏山と呼ばれ、山頂には尊仏山荘があります。
さあ、カップラーメンとおにぎりたくさん持ってデブになって下山するぜぃ!
いざっ
ルートとコースタイム
■2019年12月8日 ※カッコ内は標準コースタイム
ヤビツ峠⇒(30分)⇒富士見山荘⇒(60分)⇒二ノ塔⇒(10分)⇒三ノ塔⇒(40分)⇒鳥尾山⇒(30分)⇒行者ヶ岳⇒(50分)⇒新大日⇒(40分)⇒塔ノ岳⇒(80分)⇒丹沢山⇒(70分)⇒塔ノ岳⇒(175分)⇒大倉バス停 下山完了
標準コースタイム:9時間45分(休憩含まず)
総距離 20.4キロ
単純標高差 806m
累積標高上り 1,972m
丹沢山登山 本編
人混みと仮設トイレのヤビツ峠
1週間の内、1番ゆっくり寝ていたい日曜の朝に秦野駅前のヤビツ峠行きバス乗り場に並んでおりんす。。
冬だから登山客は少ないと思ったら大間違いで、快晴のため臨時便がでる盛況ぶり。物好きが多いです。
ヤビツまでは50分ほどかかるため、早起きしてなんとしても座りましょう。
並んだ位置が微妙なところでしたがぎりぎり座れてラッキー。幸先良い。
ここヤビツ峠は駐車場もあるしトイレも完備されてるんだけど、この日はトイレが閉鎖されてて仮設トイレの強烈なオイニーでようやく頭もスッキリ目覚めました。
準備を終えて出発。しばらく道路を歩きますが、結構車の往来があって油断できない。
成田ナンバーの白いエクストレイルが登山客の脇を無駄にエンジンふかしながら通過するという意味不明な運転で80年代暴走族の生き残りを見た気分になった。
1.6キロ歩いてここを左へ。
道路は日陰ばかりで寒い寒い。
登山開始、まずは三ノ塔へ
やっと登山開始です。
腹が減ってりゃなんでも美味いと同じで、散々焦らされ登山口がご馳走に見えたけど登ってすぐ大汗かいて錯覚だったことに気づいた。
尚、ここから三ノ塔までは2キロ、塔ノ岳まで6.1キロです。ちなみに丹沢山は塔ノ岳から2.6キロも先なので、ここから8.7キロ。空恐ろしい。
ヤビツ峠が標高761mとそこそこ標高が高く、登り始めてすぐに開放感のあるトレイルへと変貌する辺りがみんなに好かれるポイントでしょう。
振り返ると丹沢のもう1つの主役、大山。
「大山に登りに行こうよ」「は?大山?うーん、乗り気しないな」と言う会話が聞こえてきそうなイメージの大山。俗っぽさが強いからだと思うんだけど見た目にもほんと綺麗な良い山で久しぶりに登ってみてもよいかも。
12月だと言うのになんだこの暑さは。
青空が気持ち良すぎて汗止まらんぜ(T_T)。
太陽に照らされた海面がきらきら輝いてます。表尾根って言やぁやっぱこれだよね。
人気のルートなだけに至る所に休憩が出来る椅子やテーブルが用意されてます。
三ノ塔までは残り0.5キロ。近いようでまだまだ遠い。
正面のてっぺんが三ノ塔。ここを下って登り返す。0.5キロってこんな遠かったっけ?
ようやく富士山が見えるウレションポイントです。
丹沢から見える富士山はいつも穏やかなのに向かって左が少し怒り肩になってます。宝永火山かな?
さあ、三ノ塔までもう少し。写真だけ見てると青空に吸い込まれそう〜とか言っちゃいそうですが、実際は重力に吸い込まれて必死の形相です。
ヤビツ峠を起点にすると、まず最初のピークが三ノ塔です。
三ノ塔から眺める大きな景色と生彩を増す富士山。ここでもウレション。
「誰か替えアテント持ってきてー!!」
雲1つない晴天に恵まれましたことに感謝です。
この風景を見ると丹沢はやっぱ冬だなと改めて思う。
三ノ塔には避難小屋があります。
こんな天気の良い日にわざわざ小屋の中で休憩する人は誰もいないから、さっきから脱ぎたい脱ぎたいと思っていたタイツを中で脱ぎます。
ありがちな話ですが、ちょうどパンツ姿になったタイミングでガラガラっとスニーカーを履いたおっさんが入ってきました。中の様子に興味あったみたいで、ただ覗きに来てパンツ姿の自分を残して扉を開け放って出ていきました。
くそったれ!
鎖場ありザレ場ありのアップダウン
危うく山ガールにおっさんのパンツ姿を見せてしまい言われなき公衆わいせつ罪で捕まるところでした。
気を取り直して、三ノ塔から先へ、いざ行かん。
三ノ塔から塔ノ岳へと続く尾根は見るからにアップダウンの連続。
本当にこれが入門コースかえ?
自分がここに誰か連れてくるなら体力ありそうなメンバーだけを選別するだろうな。
霜を踏んだときの音って快感っ!うおおおおー!!とここで猛烈な地団駄。
端から見たら変なおっさんにしか映らなかっただろうなと今更ながら恥ずかしい。
お地蔵さんも冬支度。
悲しいけれど、えげつなく下ります。
この先何度も下ったり登り返したりする試練が待ち受けてるのを分かってても辛い。初めて歩く人はご覚悟を!
ここが表尾根ルートで最も下るポイント。
もはやキレットだな。。
階段からザレた斜面に変わるから慎重にね。
そして登る。
覚悟ができてても涙が止まらない。くっそー下山したらご褒美にタピるぜ。スーパーで200円で売られてるやつでね。
だいぶ昔にタピオカが流行った時は安かったイメージだけど、今はお店で一杯800円とかするみたいだから驚き。業者ボロ儲け。アホでちゅー。
鳥尾山荘に到着。
こんな正三角形の小屋、そう見ないよね。
久しぶりのジャンプ一発。
我ながらだいぶ老いたな。。つか、体が重すぎて飛び上がれない。きっとタピの弾力が足りないからだと思う。
ここから塔ノ岳まで続く尾根道。急激な下りは終わったけど細かなアップダウンが続く。それでも稜線を歩いてる間はずっと絶景が続くので飽きさせることはない。東京近郊の山の中では抜群に優れたルートだと思います。
そしてこの歩きやすさが表尾根の良いところ。木道は濡れてたら滑って怖いだろうけどね。
太陽が高くなり半袖でも大丈夫なくらい暑くなりました。それでも日陰に入るとゾッとする冷え込みでそのギャップにびびる。
真新しい仏様が描かれた盾がありました。
こんなのは興味がないからアズスーンアズで通り過ぎる。
ここからちょいちょい鎖場が出てきます。
岩稜あり、富士山あり、海あり山あり谷ありの全てが揃ったルートです。
「政次郎ノ頭」への登りです。
ところどころ崩落してるところがありますが、完璧過ぎる修復がされてます。
ところで前方から下りてくる20人ぐらいの団体いますよね?
この先ちょっと狭くなったところで団体の内のおばちゃんから「ちょっとここ危ないから待っといて!」と言われて横に避けたらとめどなく全員が通過しようとするからすかさず「いや、ちょっと待って、行かせてくれませんか!」と思わず言ってしもた。
もう仕切りが悪い団体が怖い。
そして次のピークが「新大日」。また登り返しになるけどあそこを登りきってしまえば残す大きなピークは塔ノ岳だけ。
少しずつだけど確実にゴールは近づいてきてる。
繰り返しになるけどほんと眺めがいいから疲れを癒しながらゆっくり歩きます。
右に広がるのは小田原市街。
みるみる近づいてくる塔ノ岳。
これからのシーズン、残雪期も含めたらずーーっと雪なんだから、今のうちに雪がないところに登っとこう!という訳で丹沢にやってきましたが正解だったな。
のんびり歩いてても足に疲労を感じだすのがここら辺から。体力的に余裕がなくなってきた。
バテって突然くるから侮れないんだよ。それまでうめぇうめぇ言って食べてたそうめんが突然一口も食べれなくなるのに似てる。
新大日に到着。塔ノ岳までは残り1.4キロ。ここまでが長かったからこの1.4キロが近く感じる。
丹沢山まではまだ4キロもあるんだけどね
相変わらずちょっとしたアップダウンを繰り返しながら、すっかり冬枯れした木々の間を歩いて行きます。
足元は霜が溶けてびちゃびちゃ。冬晴れの丹沢って昼が近づいてくると決まってこうなるんだよね。
あんなに遠かった塔ノ岳が目の前!
山頂の尊仏山荘がだいぶ近づいてきたし左前方には富士山も見えて爽快!
何度も登ってる塔ノ岳だけど、尊仏山荘ってなんとなく近寄りがたいイメージがあって、未だ一度も立ち寄った事がありません。
塔ノ岳が終点ではないけど、とりあえず大きな一区切り。
塔ノ岳山頂の大展望と豆大福
着きました!
第二次世界大戦頃までは賭場があって関東一円の親分子分の溜まり場だったという塔ノ岳山頂です。
山頂に着いて、これみんな親分だったら引くよな。。
今ちょうど富士山が絶賛上映中でみんな背中を向けてます。静かだけど賑やかな雰囲気が山頂に満ちてます。
そして長かった歩いて来た入門ルート。このルートはザレ場あり、鎖場あり、開放的な尾根道ありと山歩きの基本を知るにはもってこいのルートでした。
富士山と南アルプス。
南アルプスの方が遠くにあるため3,000mオーバーの峰が連なってるのにすごく低く見える。
東京三大豆大福の「瑞穂」の豆大福で体力復活させるぜぃ。
瑞穂は表参道にあるお店ですが、お洒落な裏原宿から一本裏道に入ると八百屋とかでてきて、そのすぐ近くにあるお店。人気のお店なのでお昼前には売り切れてしまうからなるべく開店直後に寄りたいです。
丹沢山へ、往復5.2キロ
ちょっと休んですぐ丹沢山へ移動。休みすぎると体が動かなくなるので。
塔ノ岳から2.6キロ、往復5.2キロです。今回のルートではなく西丹沢自然公園からの主脈縦走の方が実は楽だったかもしれない。
あれが丹沢山。百名山ブランドがあるから登りに行く人は多いんだろうけど、正直言ってそんな惹かれる様な山容ではないんだよね(あくまで主観です)
あっちの蛭ヶ岳の方が圧倒的に惹かれる。
塔ノ岳から丹沢山までは日当たりが良いからここから一段と霜のびちゃびちゃがひどくなる。慌てて草むらに避難すると鹿の糞パラダイス。あなたならどっち?
塔ノ岳と丹沢山の間には小ピークが2つあるからそれを越えていきます。地味な上りです。
最近やわな登山ばかりだったから足ができてない、というのを言い訳に次々と抜かれる。おばちゃんにも抜かれる。
ほんとにあれが丹沢山?
どこが目指すピークなのか分からなくなるほど地味な山です。
山容うんぬんではなく、ここまでの過程の良さが丹沢山の魅力なんでしょうね。
山頂からの眺めだけで言ったら遥かに塔ノ岳の方が良いので。
「あ、ほんとに丹沢山の山頂だった」といった具合に丹沢山の山頂に到着。
山頂のアディダス。
この形のアディダスを知ってる世代って結構上の世代だよね。
毎回飽きずに日清のシンガポールラクサばかり食べてたけど、いくつかスーパー回っても品切れだったから今回はエースコックの凄麺シリーズ。
ちょい高いけどこれもめちゃくちゃ美味いよ!
そしてミルキーのクリームパン。パンコーナーで見つけてすっげー甘そう!と飛びついた次第です。
ええ、体重は過去最高をマークしてます。
みやま山荘に立ち寄って写真を見てたら小屋のご主人が「それ、何の山か知ってるか?」「勉強せぇ!」といきなり喝入れられた。
ヒー!は、ハイ〜っ!!
なんか体育会系だすな。。
ちなみに答えはエベレストだって。そりゃ分からんて。
さて、下山しまっせ。
登り返しに苦しみながらあそこに見えるエベレストまで戻るというという悪魔の所業。
ミルキーのクリームパンを吐きそうだ。。
気温が上がり、霞がでてきました。
いつもの大倉尾根でゲッザーン
太ももがバキバキです。ふくらはぎなんてパキパキです。やっと塔ノ岳に戻ってこれたよ。
トレーニング不足を痛感することになったけど、ここから大倉尾根のバカな下山が始まる。
大倉の登山口まで7キロというハナクソマンキンタンな道のり。泣けてくる。
ここからバス停まではいつものバカ尾根だし。目新しいものないし。長いし。全部端折っていきなりバス停って展開でもいいかなと。
そのつもりでした。
でもとりあえず途中に出てくる山小屋ぐらい紹介しとこうかな、と。
まず最初に出てくる小屋は花立山荘。山頂の尊仏山荘を除き、大倉尾根で一番上にある小屋で土日祝のみ営業してます。
この小屋の名物がこれ、のぼりです。
夏は「氷」ののぼりに変わるのが印象的です。
今なら「タピオカ」にすれば客が来そう。
次は、堀山の家。
大倉尾根のちょうど真ん中に位置する山小屋です。見た目にも味がある。小屋のブログを読んでるとなかなか癖になる良さがあるらしく常連さんで賑わってるみたいです。
ここまでは適当に撮影してたけど、ここから世界が変わります。
ここから紅葉回廊
様子が変わってきたのがここら辺から。
まだ葉を残した原生林がちらほらと出てきて日も西に傾き、紅葉が綺麗に見える条件が揃いましたよ。
おっ!!
見上げればブナの自然な色合いの紅葉が青空に映える。
丹沢って紅葉っていうイメージはあまりなかったけど、タイミングが合わなかっただけで、12月初旬に見られるんだな。
ブナの森が続く。
この葉の色合いが少し離れた場所から見ると山全体を明るい茶色に見せる。
まだまだ序章。
わっと色が変わって登山客の足が一斉に止まる。
登山道の両脇のもみじが見事に赤く色づき、あたかももみじ回廊。
見上げるもみじはよく見るとわずかにピークを過ぎた感じだけど西日が良い仕事をしてます。照らされてより赤が際立つ。
ウレション通り越したわ。。
そんな事を呟いてるおっさんがいればそれは私です。
木の幹と紅葉の陰影のコントラストによだれが止まらない。
観光地の均質化された紅葉なんかではなく、モミジやブナ、青空と西日が入り混じった自然な姿がやっぱり一番だなと、当然のことを改めて思う。
ちなみに、写真の構図にはそれなりにこだわって撮影してるつもりだけど、素材が良ければ紅葉って誰にでも綺麗に撮れるよな、とも思う。
ちなみに今日のレンズは毎度毎度のフジノンXC16-50レンズ。ボンビーなんで、富士の初心者向けキットレンズで頑張ってますが、なかなかの実力派で今の自分にはこれで十分。
割と長い区間で紅葉を楽しめたのが意外でした。最後の最後にサプライズが待ってたからなんともお得感で満たされたよ。
ここから先は杉林の中を渋滞に巻き込まれ、いつもの辟易しながらの下山となり1枚も写真は撮りませんでした。。
大倉しんどっ!
そして大倉バス停は大盛況。
ぎゅうぎゅうに押し込まれ、隣のお爺さんがザックを背負ったまま乗り込んで(オイオイ)、硬い部品がずっと腕に当たり、無事に下山できたというのに右腕を損傷しました(ちっ)。
ふぃ〜
振り返って
11月~12月は登山にとってほんと微妙な時期で、毎年この時期はどこに登ろうか頭を悩ませます。
雪山をやるにはイマイチだし、紅葉も終わりに近づいてるし、アルプスは林道が閉鎖されてアクセス困難になるし、というのが理由です。
丹沢の夏はヒルがでるし、春と秋はまだちょっと暑い。なので12月になるとそろそろ丹沢や奥多摩辺りに登りたくなります。
冬になって湿度が下がると海上に浮かぶ伊豆大島も見えるし、冠雪した富士山だってくっきり見えます。
なにより大汗をかかずに済むのが有り難いです。秦野駅や渋沢駅には手軽に立ち寄れる温泉もないし、鶴巻温泉に立ち寄るのもめんどくさい。やっぱり丹沢のベストシーズンは冬だと思う訳です。
東海道新幹線に乗って天気が良い日はスーツ姿で羨まし気に大山を見つめてます。いい大人が窓に額を付けてじーーっと見つめてます。冬が来たら思う存分歩いてやる!と思いながらじーーっと。
ようやく冬がやってきました。
ではでは