8時10分前と言われて、7時50分だということが分からない人が結構いるみたいです。
8時10分のちょっと前の8時9分ぐらい?と勘違いしちゃうみたいです。
最近の若い人たちに多いという話みたいだけど、それはちょっと違う気がする。
放送局なんかでは1954年とかかなり以前から〇時△分前という表現を使わないことを決めたそうだから、昔から間違えやすい表現だったわけです。
7割弱、70%強といった表現もそう。ちょっと下回ることを弱、ちょっと上回ることを強というけど、少しだけ上回ることを弱、大きく上回ることを強だと思ってる人がいるわけです。
自分も言葉を知らない方だけど、驚いちゃうね。
ちなみに、「〇時過ぎ」という表現は、具体的に何分過ぎまでが許容範囲なのかが曖昧なためそれで迷う人がいるらしい。
これからは伝える側が何時何分かを明確に指定して、迷わせない配慮が問われるんだろうな。
でもなんにしても、国語力の低下でしかないと思うけど。
ちなみに自分の場合は、二重否定がたまにちんぷんかんぷんになるよ。
例えば、
「飲まない日が無くもないと言い切れない」
何が言いたいか分からん。飲みたいなら飲んじゃいな!
すみません、いきなり脱線しました。
さて、北アルプスで最も静かな山と評判の「大滝山」に登ってきました。
評判通り静かな山で、山頂は誰もいない完全な貸し切り状態。
それでいて眺望はピカイチ。
一番上の写真が山頂からの眺めだけど、蝶ヶ岳の隣の山なだけに抜群の眺めの良さ。
そして山頂がテン場にもなってるから、張れる数は少ないけど、テントからの眺めも格別です。
北峰と南峰があって、その鞍部に大滝山荘という有人の小屋もあるので、なぜここがこんなに静かなのか不思議です。
まあ隣の蝶ヶ岳に流れちゃうんだろうけど。
でもね、蝶ヶ岳にテントを張るなら、大滝山の方が断然おすすめです。
なにより人気薄なんで駐車場バトルと無縁なのがありがたい(笑)
標準コースタイム
■2025年8月31日 ※カッコ内は標準コースタイム
冷沢登山口駐車場⇒(80分)⇒冷沢登山口⇒(105分)⇒鍋冠山⇒(150分)⇒大滝山北峰⇒(10分)⇒大滝山南峰⇒(10分)⇒大滝山北峰⇒(130分)⇒鍋冠山⇒(80分)⇒冷沢登山口⇒(70分)⇒冷沢登山口駐車場
コースタイム:10時間35分
距離:21.6㎞、累積登り:1,637m
北アルプスで最も静かな山
冷沢登山口駐車場からスタート
冷沢登山口駐車場です。
ここにはズラリと10台ほど止められるけど、展望台があるため道路の路肩も広く、たとえ駐車場が一杯だったとしても、まあなんとかなると思います。
そしてわたしが声を大にして感謝を伝えたいのがこれ。
見て!!
トイレで~っす。
しかし侮るなかれ。山のトイレとは思えない、めっちゃ綺麗なトイレなのです。
見て!!
自分史上、山のトイレランキング1位。
内装も新築みたいにピカピカ。
もっと見て!!
洗面台もご覧の通りめちゃ綺麗。
あまりに綺麗だったので、もりっとBOMBしちゃいました。さすがにウォシュレットではなかったけどね。
いやはや、素晴らしいです。
今回これが一番伝えたかったこと、以上!
おしまい!
いや、トイレの紹介で終わりにするわけにはいかない。
仕方あるめぇトイレと登山は一歩前へと重たい腰を上げれば、出鼻をくじく約3.5kmの林道歩きで山はお預け状態。
全長21.6kmのコースの内、林道歩きがこの往復7kmという鬼畜な内容なのです。
今日は晴れてくれること間違いなし。
こんな送電線がある通り、ここには三郷スカイライン展望台やパラグライダーのテイクオフ場があったり、山奥なのにずいぶん人の手が入っているのだ。
トイレが綺麗なのも納得。
ここから先はハイカーの領域。
とは言えまだ林道だけど。なんつったって片道3.5km。
通行止めの看板の右を進みます。
ゲートの横をすり抜ける。
この林道歩きで意外と標高を上げるから、電動チャリがあるとめちゃくちゃ便利だと思う。
俺は歩くけどな!
ゲートから冷沢登山口まではまだ2キロもある。
今はまだ元気だからいいけど、帰りにヨレヨレになった自分が容易に想像できる。
草ボーボーの舗装されてない林道を突き進む。
帰りに辛くなったら、南アルプスの鋸岳の長さを思い出そう。
人はサイヤ人と一緒で、辛い経験でもっと強くなれるものなのだ。
野沢雅子さん、有難う。
世界中のみんな、オラに力を分けてくれ〜!!
ようやく登山口
やっと冷沢登山口に着きました(T_T)
長かった。。チャリが正解です。
奥には車が2台止まってたけど、ゲートを開けて入ってるんだから大滝小屋の車かな?
冷沢登山口には水場もあります。
沢の水を汲むワイルドスタイルだけど、最近ゲットした浄水器「BeFree」があればそんなのも怖くない。
3.5kmも歩いて、これからやっと登山開始。
大滝山は、登山前に体力を削ってもいかに楽しめるかが試される山だと思ってほしい。
目からビームを発したかの様な光芒。
右斜め上からの日差しに輝く森の美しさよ。
クソ長かった林道とは違う光景に、ストレスまみれのおっさんの心も次第に和らいでいくのだ。
ちなみに、今日は稜線に出るまでずっと樹林帯らしいので、この森の美しさも早々に飽きると思います。
キノコの季節になりました。
大滝山へはその手前にある鍋冠山(なべかんむりやま)を越えていく。
鍋冠山まであと2キロの案内。
キノコと苔の森。
大滝山のすぐ隣が蝶ヶ岳なので、三股と植生は同じなんだろうけど、圧倒的に静けさが違う。
「北アルプスで最も静かな山」という触れ込みだからトレイルは荒れ放題かと思えば、ぜんぜんそんなことは無かった。
そこら辺はさすが北アルプスだね。
最後まで危険箇所も無く、とても歩きやすいコースだったよ。
8月末、紅葉が少しずつ始まっている。
鍋冠山まではあと1キロ。
サルノコシカケのベビー達。
Googleさんがこいつはヤブレベニタケだと教えてくれた。
AIがドクベニタケとよく間違われるので安易な採取は推奨しませんし食用は避けるのが賢明です。とのこと。
ずいぶん保守的なご意見なこと。
樹林の隙間から差し込む。
こういう木の根にびっしり苔が生えた姿を見られるだけで、この森の悠久の時間を感じられ、清々しい気持ちになる。
いや、本当のことを言えば最近パワハラ上司が異動、しかも完全に干されるという人事異動が繰り広げられ、今は何を見聞きしても爽快この上ない気分なのだ。
山頂ではやっほー!ではなく、ざまみろー!と叫びたい。
まあ、とは言え所詮働きアリなんでね、誰が上司になってもやるべきことは変わらないんだけど、仕事も登山と一緒で凡事徹底、一つ一つコツコツが信条です。
鍋冠山からまだまだ遠い大滝山
鍋冠山に到着。
ここで標高2194m。
ここまで来れば大滝山までは近いと思うじゃない?
そんな淡い期待を打ち消す案内がこちら。
大滝山までなんとまだ5.1kmという鬼畜な宣告に、さすがの働きアリも慟哭。
冷沢登山口からここまでの3.2kmに林道の3.5kmを足して、合計6.7kmもすでに歩いている。
しかも、どこのコースでも途中にピークがあればその先は下るわけです。
意外とアップダウンがあってね、帰りはグダグタになったよ。
左を見ればいつ熊が潜んでるかもしれない森。
でも手つかずって言う感じで綺麗なんだよね。
すれ違うハイカーも少ない。
この日は8月31日。なんと早いことにこの日で大滝小屋の宿泊は終了。
小屋閉めの日って普通は賑わうもんだけど、この静けさはなに?
結局5人としかすれ違わなかったよ。
アキノキリンソウ。
オオカメノキの実。
カニコウモリ。
カニなのかコウモリなのか。
こんな長いコースで5人としかすれ違わない。
今ブログを書いてて改めて驚く。
小屋閉めの日じゃなかったら誰とも遭わないかもしれないな。
今日は晴れ予報だったけど、上空を見れば雲が多め。
こんなに歩いてガスったらもうあたしゃ立ち直れませんよ。
なんの実かぜんぜん分からないけど、秋めいてきたよ。
大滝山まで1.2km。
もうここまで来れば熊でもでない限りはピークを踏めると確信できる。
鬱蒼とした森に日向が増えてくると、稜線が近いことを感じさせる。
サンカヨウの実。
そして山頂までもう少しというところで、信じられない光景を目にするんです。
ふえっ!!完璧なる晴れ予報がぁー!!
まさかまさかの事態。
ガスリーによる強烈なブロック。
朝の9時だと言うのに、
まるで真冬の朝6時の暗さ。
正直言えば、樹林帯を歩いてた時からすでに雲行きが怪しいなと感じていた。
でも信じてたんだ…
てんくらA予報を…。。
うぐっ😭
ガスリーの野郎。
そんなあたしを慰めるようにハクサンフウロが咲いている。
餓鬼岳では道中ずっと雨だったけど、山頂で雨雲の層を抜け完璧な晴天をゲットした。
北アルプスぐらい標高が高ければそんなワンチャンに恵まれることもあるのだ。
まだ何があるか分からない。
言ってるそばから晴れそうじゃないの。
パワハラ上司は干されたし、今は運気が上がってる気がする。
あとちょっとー!!
晴れろー!
突然のお花畑。トリカブト。
ちなみにこの1ヶ月後、長野と新潟の県境にある秘境「鳥甲山(とりかぶとやま)」に登ってきました。
久々に登りごたえのある山でした!
ナナカマド。
赤い実が長かった夏の終わりを知らせる。
ガスリーを抜けた途端、太陽の下で緑色にキラキラ輝く草花に反して、おっさんの肌は黒焦げだ。
標高が1000m上がると紫外線は10%以上増えるらしい。
しかもこの日は日焼け止めやらサングラスすら忘れるという丸腰状態。
下山後はシゲル松崎に変貌を遂げ、激しく後悔すること間違いなしなのだ。
さあ、稜線にでた。
ここが蝶ヶ岳と大滝山の分岐だ。
そしてここから鼻血ものの大絶景が広がるのだ。
北アルプスの主脈とも言うべき奥穂〜北穂〜大キレットの稜線がおかわりし放題。
これを見るためにシゲル松崎になること覚悟で登ってきたのだ。
それだけの価値があった。
奥穂、涸沢岳、北穂をアップ。
今日もカメラは富士のコンデジX100V。
単焦点レンズだけどデジタルテレコンでこれぐらいのズームアップはお茶の子さいさいさー。
こっちは蝶ヶ岳へと続く稜線。
大滝山だけじゃ飽き足らず蝶ヶ岳も縦走しちゃうマッスルハイカーがたまにいるけど、当然あたしはすでに体力の限界。
縦走なんてバカな真似しませんよ。
今日は大滝山だけをしっかり堪能してやるんだ。
山頂を目指せ。
後編へ続きます~