中学生の頃から若白髪があって、体も大きかったことからあだ名は親父。どこの学校にも親父ってあだ名つけられてる人いますよね。それです。
若白髪が目立たない様に髪を少し茶色に染めたり、長いと目立つから短髪にしてみたりと、誰も見ちゃいねーよってことを過剰に悩んで色々試した中学時代。
パーマかけたら頭が爆発した高校時代。
サッカーではオールラウンダー。キーパーもフォワードも全てやりました。キーパーは怖かったから嫌だったな。飛んでくるボールがというより、ドリブルで走ってくる相手の足元に向かって体を投げ出して止めに行く恐怖。それと自分の後ろにはゴールしかないというプレッシャー。どんなポジションより怖かった。きっとその恐怖で若白髪が生えたんだ、そうだ、そうに決まってる!!
佐賀県の武雄市と有田町にまたがる黒髪山に子供と登ってきました。
新日本百名山、九州百名山で標高516mの山です。
とても良い山でした。お世辞抜きで!おすすめです!!
どこが良かったか簡単に3点挙げると、
1.子供(小3)でも登れるぐらい程よいスリリングな鎖場が楽しい!
2.渓谷(名水百選)と原生林が気持ち良い!
3.山頂からの眺めがサイコー!
川平慈英風に、山のハットトリッくぅ〜〜!!な山でした。
それともう1点、コースタイムが短く子供が登ってて飽きない!これ非常に大事です!!
成長とともに体力がついてきたと思って距離を長くすると失敗するんだわ。結局、体は大きくなっても精神力が追いついてないから集中切らしてすぐダラける。休憩が増える。付き合ってる大人がイライラする。負のスパイラル。くぅーーー。
集中力が続かず怪我なんてことにもなりかねません。だからこれぐらいが丁度良い。
コースタイムは見返り峠経由で登りが95分、下山は後ノ平経由で70分。
小学3年生だとコースタイム1.5倍ぐらいで考えておけばよいでしょう。
これまでの山行を振り返ってみると、十坊山(とんぼ山)といい天山といい、意外と佐賀には良い山が多いんだなぁと、ふと気づかされた。佐賀いいぜ!!佐賀サイコー!!エスエージーエー!佐賀!ウルトラマンサーガ!!
晴れわたる空。最高の行楽日和。
若白髪はいつしか年相応になってました。
子供とカップラーメンとお湯を持って出かけようぜ!ってなわけで、
楽しい登山となりました〜
では
■アクセス方法
・竜門峡キャンプ場へのアクセスは、こちら。
■ルート
■全行程スケジュール
2017年3月12日
10:45 駐車場出発 ⇒ 11:00 登山口 ⇒ 11:55 見返り峠 ⇒ 12:35 山頂(昼食) ⇒ 13:05 下山開始 ⇒ 14:16 駐車場
はじまり
黒髪山は有田にあります。言わずと知れた焼き物の町、世界のARITAです。
福岡市からだと西九州道を使って唐津➡︎伊万里➡︎有田と贅沢な焼き物紀行です。
そんな焼き物で栄えた町並みを抜けていきます。
煙突に窯元の名前が書かれてますが、こういうのを看板煙突というらしいです。
登山も楽しみですが基本は旅行感覚なので、こういう景観を楽しみながらのんびり車を走らせます。
おお~。竜門ダムに着くなり奇岩怪石が目の前にそびえる。それらしい景色にワクワクします。
竜門ダムを囲む様に片道一方通行の道がぐるっと周回してて、道なりに進むと竜門峡登山口がある駐車場に着きます。
3月に入り登山客が一気に増えました。50台は停められる駐車場は7割ほどうまってます。
ダムの周回コースをランニングする人や九州自然歩道をハイキングしに来る人で賑わってる感じです。
みんな騙されるな!登山道の入り口はこの建物の裏にあるぞ!
黒髪山への登山道はこちら、の看板通り左に進んだらキャンプ場内を歩かされ5分ほどのタイムロス。信じられへん。。
そんなことは知る由もない純朴な自分たちは案内看板に従ってキャンプ場内を進む。
「マムシに注意」の立て看板にえらく興奮する我が子。
最近テレビで見た洞窟おじさんというドラマで「マムシはうめぇぞぉ~」と言って生け捕りにしたマムシの頭を切り落として生き血をむしゃぶるシーンに強い衝撃を受けた次男坊が、急に「俺もマムシ食いてぇー」と精一杯の強がりを言いだす。やれやれだぜ。
おだまり!!先行くよ!
開花まで秒読みとなった桜のつぼみがとても綺麗です。
くどい様ですがここはキャンプ場内です。遠回りしてます。
何かいないかとのぞきこんだり。生き物が大好きな次男坊は常に興味津々。
「今日はタヌキとか動物に会えるかな?」と聞いてきたから
「見返り峠にはイノシシの親子が住みついてるらしいよ」、と言うと嬉しそうにしてる。まだまだかわええのぉ。
キャンプ場を抜けるとビジターセンターの裏に出ました。ずっこけるわ。
ここでやっと登山道と合流できました。
見上げればまさに岩峰といった景色。
ここ黒髪山は数回にわたる噴火によってできました。火山が長い年月を経て風雨に侵食されこの様な奇岩怪石の峰となりました。妙義山と同じですね。
登山口にキャンプ場があるためよく整備されてます。登り始めは石畳が敷かれたトレイルです。
稲荷大明神に本日の安全登山をお祈りしましょうぜ。
登山と言えばついつい高い山を目指しがちですが、この時期なら低山だって気持ちいい。
特に九州は1000m前後の山が多いから6月~10月になると暑くてとても登れない(自分はね)。今が最高に良い時期だから今の内にたくさん登っておかないとって感じです。
下山中に10名ほどの外国人と行き交いました。ローマ字表記は青螺山(せいら山)を読めなかった自分にとってもありがたい!!
だいたい山の名前って難読漢字が多いくせに標識にフリガナもふらないから分かりにくい。青螺山なんて子どもじゃぜったいに読めないしね。
沢に出ました。上流というかもう水源に近いから流れはちょろちょろです。ここで水を汲ませてもらいましょう。なんつったって名水百選ですからね。
この沢で探し物をしている親子がいたので「何かあるんですか?」か聞いてみると、子供が黒曜石(こくようせき)を探したいと言うからやって来たんです、との事でした。
「小学生の頃、自分も昔取りに来たんですよ」とそのお父さんは話してくれました。
ここら辺じゃ有名なんでしょうね。簡単に見つかりました。
火山岩でガラス質。砕くと鋭く石器時代には槍などの武器として利用されたらしいです。
アカガシの木。ヤマザクラなどの原生林が気持ち良いです。
この時期は杉花粉で瀕死寸前の人が大勢いますが、この山なら大丈夫かもです。
黒曜石を拾った沢から見返り峠までの登りで一気に標高を稼ぐ。ここの登りが一番しんどいところです。がんばれー!
あー残念!イノシシおらんねー!
賑やかな見返り峠に着きました。左に行けば青螺山、黒髪山は右です。
自分たちは黒髪山の山頂を一途に目指します。青螺山と縦走する体力はまだうちの子にはありません。
ここまでで既に何度も休憩を挟んでるから時間的にも余裕が無くなってきました。
左に見える雌岩が天を突く。素晴らしい眺めだー。
ローブが出てきたけどここら辺は普通に登れます。下山用に設置したロープでしょう。
それにしても急な登りが続きます。
ちょっと進んではすぐ休憩を挟むので、また休むの?休みが多すぎるよ、とずっと言ってたら怒って奮起する我が子。ほうほう、怒らせれば登るんだな。頼もしいやん。
おいおい、それじゃもたないよ。もう少しゆっくり、同じペースで歩かないと。
さっきまで休憩が多いと言ったり早いペースに心配になったりと、子供にしてみれば「じゃあどっちなんだよ!」って感じなんだろうなぁ。ようはバランス。一定のペースで歩ける様になると楽になると言ってもまだ難しいみたいです。
さあここからが核心部。
左の大きな岩が天童岩です。これを登る!
この一枚岩は下から見ると大迫力です!
最初の鎖場。
「後ろは誰もいないよ!」
「ゆっくり安全を確かめながらゆっくりなー!がんばれー!」
とずっと声をかけながら集中させるのが子供にとってとても大事なことです。
1つ1つの鎖をクリアする度に「よく集中できた!」と誉めてあげましょう。
よっしゃ、次はロープだ!
「その調子!がんばれー!」
間違いが許されない状況がスリリングで楽しい。
はしごも出てきます。
「落ちたらマジで死ぬぞー!ゲームみたいに復活なんてないからなー!ゆっくり焦んなよー!」
ここぞとばかり慎重に、且つ身軽に登っていく姿に我が子ながら天晴れ。
スイスイ登るのはダンスを習わせてきた効果だろうか?(親馬鹿ですか?)
身のこなしを見る限り不安な要素ゼロだな(親バカだー!)。
ふぅ、楽しかったね。後ノ平と見返り峠方面の分岐に着きました。山頂はすぐそこです。
駐車場で何度もトイレに行っといれ!って言ったのに。。
ここでトイレに行きたいと言い出す始末。こういうところが、、ったく・・ブツブツ。。
崖から落ちない様に茂みの中でしてきてな~
身軽になって再び登り始める。最後の鎖場です。
「おーい、山頂?」
と聞くと
「たぶんね」、と素直じゃない返事がかえってくる。
やった!山頂やん!
若白髪で悩んだ時期もあったけど無事に踏破できたよ、黒髪山!
しかも地図が有田焼だ!!!佐賀にくいね!佐賀やるやん!エス!エー!ジー!エー!有明ガタゴロウ!!(分からない人はネットで調べてね)
山頂からの眺めは最高ですたい。
今自分が立ってるところは左右切れ落ちてるから滑落したら死にます、間違いなく。
みんな普通にしてたけど高所恐怖症の自分はもうギブアップ。
怖いよー慎重に戻ろう、と子供と身を低くして移動。
駐車場のある竜門ダム方面の景色。
伊万里、有田の街と自然豊かな景色が広がってます。
岩峰なだけに遮る木々がなく眺望はサイコーです。
安全な場所を確保してお昼です。
このセブンイレブン限定の一風堂ニューヨークバージョン、衝撃の美味さでした!!これ、買って帰る!!
子供は自分で選んだド定番の日清カレーヌードル。「これが一番好き」とのこと。
ちなみに山頂はこんな感じです。さすが黒髪山、みんなふさふさしてます。
こじんまりとした山頂なのですぐ定員オーバーとなってしまいます。これからハイシーズンを迎えますが、混んでたら景色を楽しんで少し下った沢沿いでお昼にしても良いかもです。
さて、下山するかね。下りこそ気をつけてな。人がいたら待たせたっていいから安全に!
下山は蛇焼山を通って後ノ平経由で駐車場へ。
何箇所かロープを使わないと下れない急なところがあったり、なかなか油断できない。
そろーりそろーり。
この木はくぐるの?上から?
と聞いときながらすぐに遊びだすぐらい体力に余裕がある。
なんだかんだで時間かけて登ったし、体力の貯金があるわけです。マラソンと一緒ですね。後半型なのかな。
沢には3~5センチほどの小魚がたくさんいました。逃げない様にそ~っと近づいて捕まえてみようと追い込んでいくと岩の下から15センチぐらいの大物がでてきて大興奮。
追いかけろー!!
そっち行ったー!!ばちゃばちゃっ
結局捕まえられなかったけど、盛り上がりました。
「あぁ~やっぱ網がないと無理だよ」と自分が言うと、子供から「原始人は網がないのに魚を捕まえられたのはなんでか知ってる?追い込んで待ち伏せたんだよ」と教育を受ける。うんうん、生きる力が育ってる気がする。
「木を必死に持ち上げてる感じの写真撮るからさ、苦しそうな顔でポーズとってー」
と依頼したけど・・
どこからどう見ても寄っかかってる風にしか見えない。。う~ん、要求が難しすぎた様です。
駐車場に戻ってきました。
3月、春は始まったばかり。次はどこへ登ろうかね~
振り返って
思いがけず良い山に当たりました。
黒髪山の存在は以前から知ってましたが、標高や地図上の山塊の位置を見てそれほど魅力的な山とは思えず後回しにしてました。
登り始めてみると美しい原生林とよく整備されたトレイル。自分が抱いてた先入観はすぐぶっ飛びました。
やっぱり登ってみないと分からないものです。
杉の薄暗い樹林帯とは違い、木漏れ日が射す原生林はやっぱり気持ちいい。3月とは言えさすが九州、日差しが射すとすでに初夏の様な陽気。おいおい、まだ桜だって咲いてないってのに暑すぎだよ。。
うちの子にとって、初めての本格的な岩峰。足場がしっかりした鎖場とは言え滑落したらただでは済みません。
アスレチック感覚で登り切る。程よい難所が楽しいし、それがこの山の醍醐味ではないでしょうか。
そんな頑張った登山から2~3日経ってから、子どもがどこの山に登ったか実は知らないと聞いた時はズッコケました。
おいおい。。
まあウチの子らしいですわ。
ところでこの黒髪山の「新日本百名山」とは何でしょうか?聞きなれないですね。
早速wikiで調べてみましたところ、簡単に言うと中高年でも簡単に登れる山百選といったところです。
他に選ばれてる山を見てみると九州だと英彦山、由布岳、普賢岳、阿蘇山など。ふむふむなるほど、確かに登りやすくて楽しそうな山が多いです。でもアルプスでは難易度が高い剱岳や標高差のある農鳥岳なんかもあったりして、なんだかもうよく分かりませんね。
阿蘇山は入山規制レベルが3から1まで引き下げられました(2017年3月15日時点)。
ただ仙酔峡までの道路がまだ不通みたいです。復興に時間がかかってますね。登山を楽しんだ後の熊本の温泉が恋しい。。
ではでは