古処山と屏山 登山(秋月キャンプ場) ツゲ原生林の山城と石灰岩の峰

古処山と屏山 登山(秋月キャンプ場) ツゲ原生林の山城と石灰岩の峰

2017年の登り納めに、福岡県の古処山(こしょさん)にやってきました。子供が付き合ってくれなかったのでソロです。

古処山は九州百名山、標高は859.5mで、隣の屏山(へいざん)927mと一緒に登られることの多い山です。

観光名所の秋月にあるため、多くの人が古処山の存在は知らずとも見上げてる、そんな存在です。

屏山の更に先の馬見山(うまみやま)977.8mにも縦走できますが、今回は霞の影響で眺望は期待ができなかったので、屏山までのピストンでやめておきました。

本覚寺のすぐ隣にある古処山駐車場に車を停めて登り始めます。秋月キャンプ村跡の駐車場と呼ばれてる場所です。5合目にも広めの駐車場があるので、その日の気分によって楽するか選択してください。この日はソロ登山だったし、1,000mに満たない山だからじっくり古処山登山を楽しもうと思って下から登りました。子供と一緒に登るなら5合目から登るのが良いと思います。

 

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簡単ですが、古処山で良かったポイントはこんな感じ。

1.山頂付近に広がるツゲの原生林は国の特別天然記念物。 ( ̄□ ̄;)!!

2.準絶滅危惧種のニシキキンカメムシの貴重な生息域。七色に輝くカメムシで、5〜8月が生息時期です。冬はいませんが、亡骸を見つけました!(p_-)

3.5合目駐車場からなら山頂までたったの45分。コースもよく整備されてます(゚∀゚)

4.仏像が多く歴史を感じさせる登山道。下山後は秋月の観光が楽しめる♪~(´ε` )

 

九州北部豪雨の影響で、トレイルには倒木が散乱し荒れた箇所もありましたが、全体的によく整備されてて歩きやすかったです。整備して下さる方々に感謝です。アクセスが良いので登山客も多いんだと思います。

 

その昔、山頂には秋月氏の山城がありました。

奥の院や大将隠し、当時から使われてたであろう水場があったり、英彦山と並び山岳信仰も盛んだったため多くの仏像が点在してます。

そんな歴史の痕跡を見ながら、当時を偲ぶ登山となりました。

 

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いざっ

 

■アクセス方法

・古処山登山口駐車場は本覚寺の少し先。
・本覚寺の住所/Tel:福岡県朝倉市秋月野鳥89 / 0946-25-0038

 

 ■ルートとコースタイム

■2017年12月30日 ※カッコ内は標準コースタイム

古処山登山口駐車場⇒(50分)⇒5合目駐車場⇒(45分)⇒古処山山頂⇒(50分)⇒屏山山頂⇒(30分)⇒奥の院⇒(45分)⇒5合目駐車場⇒(40分)⇒古処山登山口駐車場

標準コースタイム:4時間20分(休憩含まず)

 

12/30 古処山登山口~5合目~古処山山頂~屏山(ピストン)

活動距離:8.72km

高低差:730m
累積標高上り/下り:1,022m/1,028m

 

 

登山開始

 

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本覚寺です。古処山登山口駐車場はこの先を50mほど行ったところにあるから、ここをカーナビにセットすると迷わず来ることができると思います。

 

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この上にも駐車場があるため合計30台以上は駐車可能だと思います。

駐車場にトイレはありませんので、事前に済ませておきましょう。

ちなみにこの日は3台しか停まってませんでした。真冬に山登りする酔狂な人は少ないみたいです。

 

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本日のルートを確認。

屏山まで一直線に登って下りてくる単純明快なルートですが、下山では古処山の山頂は巻いて下りてくる予定です。

 

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さて、出発。

山に来たんだなっていう独特のひんやりした空気が襲ってきて、鼻のアタマが超冷たい。

まずは舗装路をとぼとぼと。ウオーミングアップを兼ね、鼻以外の体のどこかに違和感がないか確認しながらのスタートです。

 

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左手側に鳥居がでてきて、ここをくぐればトレイルに突入。入り口から山岳信仰が色濃い山だとよく分かる。ナンマンダブ。

 

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落葉が敷き詰められた里山らしい風情を見やり、写真撮影をしながらのんびり登る。

ちなみに、これまで冒頭で紹介してきた自分のコースタイムの記載は今回からやめて、標準コースタイムだけを書くことにしました。

タイムは個人差が大きいし、当ブログのコースタイムを参考にしたら日が暮れてしまって困ったなんてことにならない様、少し配慮した次第です。

 

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早速、小ぢんまりと収まったお地蔵さんの登場です。

こんなご神体がこの先何度もでてきます。

 

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沢のせせらぎが気持ち良いルートです。

まだ登り始めたばかりだから沢の流れが強い。

今日のお昼に持ってきたカップラーメン用の水をどこかで汲みたいんだけど、もう少し水流が弱まるのを待ちたいと思います。とりあえず汲んどいて、その先に水場がでてくればそこで入れ替えても良いしね。

 

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歩きやすいトレイルです。

落葉のもふもふを楽しめるのがこの時期の低山ハイクの醍醐味。

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九州北部豪雨の影響で倒木が多い箇所がありましたが、概ねこんな感じで歩きやすい。

思い返せば福岡での登山は今年の年始に貫山に登ったきりだから、約1年ぶりになってしまった。佐賀県の黒髪山には登ったけどね。

今日は霞の影響で眺望悪そうだから来るの悩んだけど、山頂付近のツゲの原生林に興味があったのでやって来ました。多少天気が悪くても植生や歴史の痕跡を見て楽しめるからこういう見所の多い山はお薦めです。

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約1時間ほど歩いて5合目に着きました。

 

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5合目駐車場です。

もし子供と登るならここに停めようと思ってました。

5合目からなら山頂までわずか1時間弱。うーん、わざわざ下から登る必要はなかったかも。。今さらですが。

 

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地図で確認するとこんな感じで、もはや山頂はすぐそこと言った感のある近さです。

 

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こちとら下から登ってるんでね、出発0分というのには違和感だぜ。。

サワガニの出現を軽く期待して再出発。

 

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沢の勢いも水滴が垂れるぐらいに細くなってきたのでここで給水。

飲み水として使えるかは分かりませんが、煮沸して使うから問題ないだろうし、昔山城があったんだからこの先水場ぐらいあるはず。とりあえず保険です。

 

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7合目までやってきました。

こういう細かい表記があると自分の位置が把握できてとても助かります。

 

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予想通り、水場がありました!

そりゃ籠城した時に困るもんね!

 

枯れてたけどな!!

 

そこは伊達に経験積んでませんよ、冬期の水場は凍結して枯れることがあるから最初から心配してました。汲んどいて良かったよ。

 

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水舟から上はすこぶる爽快なトレイルの幕開け。

原生林の森です。

敷き詰められた落葉と、苔むす石灰岩が点在する景色にこの山の良さを感じること間違いなしです。

 

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左に行けば山頂まで15分。右は奥の院経由となるため山頂まで25分かかります。

屛山からの下山では古処山の山頂を巻いてこの右の奥の院ルートから戻ってくるので、ここは左の最短ルートで山頂を目指す。

 

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歌碑があるそうです。

花田 比露思(ひろし)さん。

呂比須ワグナーみたいだな。

 

 

よ、読めねぇ。。

人の世の 栄枯盛衰を見放けつつ 古處の峯はやおのれ寂けし

と書いてあるそうです。実はあまり興味ありません。

 

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もう9合目までやってきました。

こりゃ5合目から登ってたらあっという間だっただろうな。

 

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9合目から上はツゲの原生林。一気に植生が変わるので人工的に植えたのかと疑ってしまうほどです。

 

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これかぁーすごいです。辺り一面ツゲに囲まれます。

 

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では、ツゲをどアップで。

このツゲの原生林は大変珍しく、国の特別天然記念物となってます。

確かに他の山で見かけたことないかも。

 

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山頂近くになってお地蔵さんも立派な物になってきました。

 

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な、なんと!山頂には鏡餅に乗った犬地蔵様がおりました。

(ー_ー)!!

あと2日で新年を迎えるため、気が早いのですが戌年バージョンの鏡餅を用意した次第っす~

 

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古処山山頂からの眺めです。霞が出てなければさぞ眺望は良かったことでしょう。

 

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ツゲの森を抜け屛山への縦走と行きましょう。

 

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あれ、おかしいな。ほぼ横移動と高を括ってたけど登るやん。。

よくよく地図を確認すると屛山の方が古処山より標高少しだけ高いんですね。

山だから多少のアップダウンは望む所なんですけどね。。でも階段はやめて!!親切なようで喜んでる人少ないですから!

 

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石灰岩が剥き出しになった稜線。

山頂にあった説明書きを読んでたらツゲが育つのは石灰岩地特有の植生だって書いてあったな。

 

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標高927mの屛山に着きました。古処山から屛山まではコースタイムで約50分です。

ちなみに屛山から馬見山までは95分。

ふむ、やめておこう。

 

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ここでも戌年来る年、ということで。

 

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ちなみに馬見山へは馬見山キャンプ場から80分で登ることができます。山頂でご一緒したベテランっぽい方が

「そっちからの方がいいよー楽だもんねー(笑)」

「楽を覚えたらそうなっちゃうよねー(笑)」

と明るく説明してくれました。

分かる分かる。俺もなんで5合目登山口にしなかったんだろうと、すっげぇ後悔してますよ!

 

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年越しを控えてましたが、何も考えずにうどんにしてしまった。

ちと選択ミスったぜ。

 

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屛山からの眺めもなかなかすばらしいから、尚更霞がでてるのが残念に思えたな。

ふむ、しゃあない。お昼食べて展望を楽しんだら下山開始。

 

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奥の院で秋月登山口方面へ曲がります。古処山山頂は巻きます。

 

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ニシキキンなんカメムシの亡骸を見つけました!奇跡やわ〜。

生息時期は5月から8月。石灰岩地のためツゲが育ち、そのツゲをエサにするニシキキンカメムシが生息する。その生息域はごく限られるため準絶滅危惧種に指定されてます。今にも壊れてしまいそうな危うい状況でつながっている生態系に、神秘的な感慨を覚えること間違いなしです。

亡骸なんですけどね。。

 

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ともかくこのツゲの森が永く残るようにしなきゃいけませんわな、と思ったわけです。

 

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下山は苔むした石段が湿っててすげぇ滑って恐怖でした(T . T)

 

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古処山を振り返って、今年の登り納めにこの山を選んで良かったなと思って帰宅しました。

 

 

振り返って

 

子連れからベテランまで楽しめる山だと思います。眺望よし、沢も綺麗だし、見所もたくさんあります。

体力自慢の方は馬見山まで縦走すれば良いし、見所と歩きごたえで満足できる魅力は特筆すべきところです。

公共交通機関ではバスを使ってアクセスできるみたいですが、やっぱり車が便利です。車があれば下山後に秋月で観光して帰ることも可能だし、九州北部豪雨からなかなか復興が進まない東峰村まで足を伸ばして買い物してお金を落としてくるなんてこともできます。

 

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先日、うちの次男坊が通ってる小学校の校外学習で北部豪雨の被災地を見学し、子供なりに考えさせられて帰ってきたそうです。その土地の暮らしや文化、歴史と直に触れ合って被害の様子を肌に感じるというのは、とても大切ですね。ぜひ自分もやっておきたい。小学生のバスの中におっさん一人混じって参加したかったぐらいです。

カーナビで東峰村にセットすると、付近の道路は未だに通行止めの表示ばかりで被災地まで辿り着けるのか不安になります。

まだそんな状態なんですね。

 

秋月にはキリンビールの工場があるので、ジンギスカンを食べて帰るってのも良いかもです。

ノンアルで我慢してくれるドライバーがいたらの話ですが。。

なんにしても、登山だけで終わらせるのはもったいない場所だと思いながら、温泉にも入らずに直帰しましたよ。ふっ。

ではでは

さらば2017年。

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