
朝ドラ「ばけばけ」の主題歌「笑ったり転んだり」。
良い曲ですよね、ええ。
でもある時、気付いちゃったんです。
この曲なにかに似てるな、と。
なんだろう?
すぐに答えが見つかった。
あ!バイク王!
「バイクを売るならゴー♫バイク王〜♫」だ!!
バイク王の曲とコード進行、一緒!
「君とふたり歩くだけ〜♫」のところ。
完全にバイク王ですから。
聴いてみて!
いやいや、すみません。
もとい、笑ったり転んだりは良い曲です(汗)。
結局なるようにしかならないという日常を描いた歌詞は、自分なんかは高田渡の「生活の柄」を思い起こしちゃうんだよね。
しかも締めがバイク王😆
控えめに言ってもサイコーです!
はい、話は登山に戻して、今回は石鎚山(いしづちさん)に登ってきました!
紅葉の名山としても有名だけど、今回は10月後半のタイミングでアタックしてきました。
「笑ったり転んだり」風に言えば、転んだら死にます。
大怪我以上、即死以下。
こんな鬼畜なトレイルが石鎚山の名物だなんて、アホすぎませんか?(誉めてます)
一の鎖(33m)、二の鎖(65m)、三の鎖(68m)が連続するわけだけど、ロマンを求めるあたしは果敢にも(?)一の鎖をパスできちゃうという土小屋コースをチョイス。
迷うことなく、ええ。
後から考えてもこの選択は間違いではなかった。
しかし、鎖場ぜんぶを制覇したいという変態なあなた!
そんな変態ヤロウは(べた誉めしてます)、ロープウェイのある山頂成就駅からの表参道コースから登るんだ!
当ブログを参考にしちゃいけません。
ちなみに私が歩いた土小屋コースは裏参道とも呼ばれてて、これまで裏那須、裏英彦山、裏巻機…、数多くの裏街道を歩んできた自分にはもってこいのルートなのだよ。
一の鎖をパスして楽したはずなのにあら不思議。
腕はもうパンパン。
鎖場ぜんぶ巻けば良かったわ😆
標準コースタイム
■2025年10月24日 ※カッコ内は標準コースタイム
土小屋登山口⇒(130分)⇒ニノ鎖元小屋⇒(25分)⇒石鎚山⇒(20分)⇒天狗岳⇒(20分)⇒石鎚山⇒(20分)⇒ニノ鎖元小屋⇒(110分)⇒土小屋登山口
コースタイム:5時間25分
距離:9.2㎞、累積登り:703m
秋の石鎚山
土小屋登山口からスタート
こちらは土小屋コースの駐車場。
ロープウェイのある表参道が最も多くのハイカーに登られているコースと思われがちだけど、実はこの土小屋コースが一番人気なのだ。
その理由はこの駐車場のある標高1500mまで車で来れちゃうから。
ちなみにこの駐車場にはモンベルもあるんだけど、モンベルだけに用事がある人はかなりのアクセス難。
石鎚神社土小屋の前を通過。
遠くに見える山は石鎚山ではなく瓶ヶ森(かめがもり)。
あちらも山頂付近まで車でひとっ飛びで行けちゃう山らしい。
そんな山にロマンはあるのか?とか土小屋コースをチョイスした自分が言えた義理ではないのよ。
こちらが土小屋登山口。
標高差は累積でも700mしかないので楽勝だろうけど、距離は往復9.2kmとそこそこある。
山頂までは片道4.6km。
ではお遍路の旅、行ってまいります。
一番多く歩かれているコースだけあってよく整備されている。
歩き始めから自然林の森に差し込む木漏れ日がちょー気持ち良い。
まだ大して登ってもいないのに壮観な眺め。
登山を続けてて、気付けばこんなところまで来ちゃったなぁ。
まるで石畳。
久々に百名山らしく冒険感をまったく感じさせない至れり尽くせりなトレイル。
前回の八ヶ岳では濡れた岩場で10回はコケたから今日はこれぐらいが有り難い。
ちょうど紅葉シーズン真っ只中。
石鎚山と言えば紅葉した天狗岳の景色が撮影ポイントとして定番だけど、
その写真の多くが朝日によって赤く照らされて、実力以上に赤くなった紅葉なんだよね。
それを言ったら、千畳敷カールや京都の紅葉だって、今どき加工されてない写真なんてないんだけど。
何を言いたいかと言えば、肉眼ではあまり期待し過ぎちゃいけない。
石鎚山が見えた。
やはり、紅葉はまだじゃないか。
ちっとも悔しくないぞ!くそっ!あたい泣かない!
つか、ガスってね?
いやいや、今日は完全な晴れ予報なのだ。
はるばる石鎚山までやって来てガスってたまるか!
ああ…。なんてことだ。
しかし、昼過ぎから登り始めたという都合もあって、晴れ待ちするほどの余裕もない。
とは言えペースを上げられるだけの馬力も持ち合わせちゃいないので、ひたすらじりじり進むのみ!
ガスったらこの山との縁がなかったまでだ。
こっちは見事に晴れてるんだけどなぁ。
群馬と新潟の県境トレイルに似た山深さを感じさせるけど、四国の熊は絶滅寸前だというから驚いちゃうよね。
あ、ちなみに熊ってほんとに絶滅しちゃいけないんですかね?と、思ってる一人です。
もちろん心は痛みますよ。
熊を殺すな!と反対している人がたくさんいることはもちろん知ってますし、一部の動物愛護の方ってマジで頭がおかしいから、自分も言葉には気をつけなきゃなといつもビクビクしちゃうけど、ほんとのほんとにいけないのかな。
言っちゃなんですが、九州に熊はいないので山に入る時の安心感はだいぶ違います。
イノシシはたくさんいるけど。
まあとにかく熊にはこれまで何度も遭遇しちゃってるので、どこかで【かわら版】としてクマについて書いてみようとは以前から思ってます。
でも特にこれと言って対策なんてないんですよね、熊ちゃん。
最近買ったモンベルのウルトラライトなトレッキングポールなんて簡単にポキっと折られちゃうだろうし。
まあいいです、今度書きます。
背後に目を向けてみればガスという大波が静かに押し寄せてくるじゃああーりませんか。
きょわい。
足元にはリンドウが咲いてるというのに、まだ夏みたいな暖かさが信じられないよ。
今年で日本の四季は壊れたと思います。
距離がそこそこ長いから、なかなか近付いてこないもどかしさ。
ガスる前に着きたいのにぃ!
ここの笹原のトレイルはなかなか良かったよ。
枯葉を眺めながらちょっと休憩。
秋はどこに行ってしまったんだかね。
この日は10月後半で、あたしのホームタウン福岡ではまだ夏日となる日があったりする。
体の変調より先に頭がおかしくなりそうだ。
近付いてくると、まるで岩の要塞みたい。
鎖場が名物というのもよく分かる。お気楽な山と思ってたけど、大丈夫なんだろうか。
ここから紅葉ゾーン
突然ですがここから紅葉ゾーンに突入。
前回の八ヶ岳では紅葉を見上げ、そしてつまずき、あばらを強打した。
学習能力が高いあたしはちゃんと立ち止まることを覚えたのだ。
しかしどうやら石鎚山の神さまにも見放され、紅葉を眺めている間にガスってきてしまった。
先日の八ヶ岳では雨に降られたし、最近の自分はとことんツイてない。
こんな美しい紅葉を前にしてなんだけど、実は巨大な口内炎が激痛でして…、
まともに喋れないし、笑うことすらできない。
そんなわけで気持ちは浮かれモードでも表情はモアイ。
そう言えば宮崎でモアイ像を見た時に顔の輪郭が自分に似てて密かに親近感を覚えた。
ちなみに宮崎のモアイ像はイースター島から初めて正式に復元が認められた物であり、そんじょそこらの復刻版とはぜんぜん違うのだよ。
宮崎は大崩山や韓国岳といった名山があるだけでなく、天孫降臨の地だったりグルメもたくさんあるから、登山目的で訪れて観光もできる場所として大変お薦めなんだけどね。
でもこれが不思議と、日本全国からめちゃくちゃつまらない場所だと思われてるきらいがある。
なのであたしはね、もっと宮崎の魅力を伝えていかなきゃなと思っております。
あ、さらにちなみに、先日ファミマの前で赤ちゃんを抱っこした宮崎あおいさんに出会いました。
赤ちゃんがぐずったのか、ロケバスから降りてきた宮崎あおいの顔の大きさが赤ちゃんレベルだったのが宮崎名物「ねったぼ」の美味さ以上の驚きでした。
ねったぼ食いてぇなぁ〜。
遠くの山並みも素晴らしい。
顔面モアイですが感動してます。
目の前の石鎚山の貫禄が半端ない。
実に霊峰らしく自分のようなレクリエーション気分で山に登っているハンパ者なんぞは寄せ付けない雰囲気。
まるで離島みたいに雲海に浮かぶ瓶ヶ森も男前。
次から次へと感動的な風景の中を巡りつつ、無表情で突き進む。
口内炎というか、アジフライの骨で口の中を傷つけてしまい、それが血豆となり、破裂。しばらくして巨大な口内炎となり、ただでさえ食欲旺盛なのにまともに飯も食えずに苦しんでおります。。
そもそもよく噛まずに慌てて食べた自分がぜんぶ悪いのですが。
ええ、分かってます。防げた事故です。
素晴らしい。
ベストなタイミングだったっぽい。
山はとても神聖な空気だが、この口内炎を治すことは不可能。
ここは過去に崩落でもしたことがあるのかもしれない。
普通の山なら鎖が設置されているだけだろうけど、そこはさすが百名山。阪神園芸ばりの神整備を施して天空回路の出来上がりだ。
初めて歩く山というのは転勤初日みたいに緊張するものだけど、さすがに人気の百名山、肩に力が入りすぎていたようだ。
だって鎖場の山だって聞いてたんだもの。
楽しいハイキングサイコーです。
やっと見えてきた稜線も実になだらかで歩きやすそうじゃないの。
修験の山とか言われるとびびっちゃうじゃないか。
やだなーもう。ハイキングの山だったなら最初からそう言ってほしいわー。
山頂まで残り0.6km。
ファイナルモード突入。
ここがサンクチュアリの入り口。
奥宮へ、お邪魔します。
おっと。
その前にトイレ。
なんて立派なトイレだ。
こんなところにヒンドゥー教のガネーシャがあったりする。
いや、よく見ると象ではなく天狗か?
どう見てもガネーシャ。
二の鎖
ほえっ!!
この鳥居の向こうに見える光景に目を疑った。
これが二の鎖か。。
土小屋コースをチョイスしたことで一の鎖をパスしたことですっかり油断していた。
実のところ下山してから知ったけど、二の鎖と三の鎖が難所らしいじゃないか。
見た目通り、さほど垂直な壁でもないし、鎖がなくてもちゃちゃっと登れるかなと安易な気持ちで取りついたけど、やはりなめちゃいけない。
すぐに状況は変わる。
ぐんぐん傾斜が増してくる。
唯一の救いはこれまで何万人と歩かれてきたであろう岩場は浮石ゼロ、つかめばポロポロ崩れちゃう様なもろさもないのでめちやくちゃ安心。
そんな余裕をかましたところで、振り返ってみたらそこは別世界だったよ。
うっそマジ?
いつの間にこんな垂直になった?という石鎚マジック。
高所恐怖症のあたしのタマ◯ンはきゅーっとなったもんね。
すくみ上がるというのは足ではなく、股間というのが自分仕様。
緊張しすぎて力んだからか、二の鎖の途中で腕は売り切れ寸前。
握力ゼロでもはや自分の名前すら書けません。
しかしまだまだ続く。
「サイアクでサイコー!」と最近覚えたKingGnuの歌詞を思い出すけど、いやいや怖いだけっスとすぐさま否定。
今さらだけど、筋トレぐらいしておくんだったと後悔している。
ちょっとばかしハードすぎませんか?
なんだかんだ事故もしょっちゅう起こるというのも理解できる。
お登りさん!
どれかハズレを引いたら抜けるという仕掛けになってます。
サイアクでサイコーです。
振り返る度にタ◯キンがすくむけど、それでもサイアクでサイコーです。
股間を伝う冷たい物はまさか。。
いい歳してそれはないだろう。それでもサイアクでサイコーだ。
そんなブルッている自分にセイラさんのお叱りが聞こえてきそうだ。
「それでも男ですか!軟弱者!(ビンタ)」
自分はセイラさんみたいな人とは決してお付き合いできないなと、この時そんなどうでもいいことを確信する。
振り返っちゃいけないのは分かってるんだけど、疲れてしまったのだから下を見る機会も増えるわけですよ。
どうやら自分みたいなお気楽なおっさんが来てはいけない場所だったみたいね。
後編へ続きます


